マウスピース矯正と食事｜装着したまま食事をしてはいけない理由と特に避けたい食べ物

マウスピース装着中の食事について気にされる方は多いことでしょう。

「マウスピース装着中に食べてもいいものはありますか？」
「どんな食べ物に気をつければよいのでしょうか？」
「装着したまま食べるとどうなりますか？」

など、さまざまな疑問が思い浮かぶと思います。

この記事では、マウスピース矯正治療中の食事の注意点について解説します。まだ治療を開始していない方、治療を開始したばかりの方もぜひお読みください。

マウスピースを装着したまま食事をしてはいけない理由

ここでは、マウスピースを装着したまま食事をするリスクについて取り上げます。しっかりと確認しておきましょう。

虫歯や歯周病の原因になる

マウスピースを付けたまま食事をすると、食べ物のカスが歯とマウスピースの間に挟まってしまい、細菌が繁殖する可能性があります。

器具を装着していない時の唾液の働きである細菌を排除する作用が働かず、口臭や虫歯、歯周病の原因となるため、とても不衛生です。

マウスピース矯正は、ワイヤーやブラケットを使用する従来の矯正治療に比べ、食事や歯磨きが通常通り行えます。

食後すぐに歯を磨くなど、慣れが必要ですが、長期治療中は矯正治療が原因の虫歯にならないよう、口の中を清潔に保つことを心がけましょう。

マウスピースが破損する危険性がある

マウスピースは非常に薄く、熱に弱い素材でできています。そのため、食事で発生する強い力や熱によって、マウスピースが破損したり変形したりすることがあります。

マウスピースは治療計画に基づいて精密に作られるため、破損するとその後の治療に影響を及ぼす可能性があります。

また、場合によっては、マウスピースを再作成するために時間や費用を無駄にすることにつながります。

マウスピースが汚れるリスクがある

マウスピースを装着したまま食事をすると想像しただけで非常にまずい状況が見えてくるのではないでしょうか。

食べ物の色素でマウスピースに汚れがついたり、食べ物の汚れを放置しておくと、細菌が繁殖して臭いの原因になることもあります。

マウスピースを装着したまま食事を繰り返すと、マウスピースの汚れはどんどんひどくなり、マウスピースを洗っても色が落ちなってしまいます。

マウスピース矯正治療中に避けたい食べ物

ワイヤー矯正と違い、マウスピースを外せば食べるものに制限はありませんが、マウスピースを外しても避けた方が良い食べ物があります。

具体的な食事内容について、以下に詳しく説明します。

硬い食べ物

硬い食べ物は、噛んだときに歯に負担がかかり、痛みの原因になります。

また、ワイヤーを使った歯列矯正の場合、歯列に当たって外れてしまうこともあるので、硬い食べ物は避けた方がよいでしょう。

ただし、硬いものでも小さく切ったり、すりおろしたりすれば食べられるものもあります。

糖分を多く含む食品

マウスピースによる矯正治療中は、特にお口のケアをする必要があるため、虫歯のリスクを高める糖分を多く含む食べ物にも注意が必要です。

マウスピース矯正治療中に虫歯になってしまうと、歯の噛み合わせが変わってしまうので、マウスピースを作り直す可能性もあります。

こまめな歯磨きなどのケアができる方は別ですが、そうでない方は、マウスピースが外れても、甘いものはできるだけ避けた方が無難です。

粘着性のある食べ物

また、矯正治療中の食事では、粘着性のある食品は避けるべき食品です。というのも、粘着性のある食べ物は歯に付着することが多いからです。

矯正器具に付着して取れなくなることもありますし、歯の表面に付着した食べ物は虫歯や歯周病の原因になることもあります。

• お餅
• ガムやキャラメルなど
• ドライフルーツ

その他にも粘着性のある食べ物はたくさんあります。これらの食べ物を食べるときは、矯正装置を外し、食後のケアをしっかりすることが大切です。

歯に挟まりやすい食べ物

歯に挟まりやすい食べ物は、矯正治療中の食事では避けるべき食べ物です。

歯に挟まる食べ物は、矯正装置の変形の原因となり、放置しておくと最悪の場合、虫歯や歯周病になることもあります。

• 繊維質の多い野菜
• ポテトチップス等の菓子類
• ごま、青のりなどの調味料
• 肉類、刺身など

その他にも、歯に挟まりやすい食べ物はたくさんあります。細かくして挟まないようにしたり、挟んでしまっても水で流して挟み込みをなくすことが大切です。

給食や昼休みの食事はどうする？

マウスピース矯正の場合、食事の前にマウスピースを外して食べるのがベストです。

そのため、一旦席を外してトイレなどでマウスピースを外し、食事前にケースに戻しておきます。そして、食後はマウスピースを戻す前に忘れずに歯を磨くようにしてください。

なるべく歯を磨くのが理想ですが、それができない場合は、うがいだけでもするようにしましょう。

また、帰宅後はできるだけ早く歯磨きとマウスピースの洗浄をするように心がけましょう。

マウスピース矯正中の間食はどうする？

お菓子やジュースなどの間食も食事と同様のリスクがあるため、必ず外してください。

お菓子やジュースには糖分が多く含まれていますし、食後すぐに歯を磨かないことも多いため、口の中が汚れたまま長時間過ごすことになりかねません。

口内環境が悪いと虫歯や歯周病になりやすく、最悪の場合、歯型を一から取り直さなければならないこともあるので注意しましょう。

マウスピース型は1日20時間以上の装着が必要なので、朝昼晩だけでなく食間にも外す必要がある場合は、装着時間が短くなります。

朝食、昼食、夕食に加えて食間も外さなければならないとなると、装着時間が短くなり、矯正の結果が遅れてしまいます。

また、長時間外すことでマウスピースの形状が徐々に自分に合わなくなる可能性もありますので、できれば食間の間食は控えるようにしましょう。

それでも間食したくなる場合や、間食が避けられないようなスケジュールの場合は、

• 間食をする時間を短くする
• 間食する曜日や日数を決めておく

などの実際的な対策をとるとよいでしょう。

いずれにしても、間食の習慣が根付いている場合、効果的な矯正治療のためにも生活習慣の見直しが必要となるかもしれません。

矯正治療中の食事デートや外食を楽しむためのコツ

歯列矯正中であっても、デートや友達と外食を楽しみたいのは当然です。また、遠出をした日や旅行中など、どうしても外で食べ歩きをするという機会もあることでしょう。

矯正治療中の食事デートや外食をスマートに楽しむためには、以下の点に気をつけるようにしましょう。

食べ物は小さくカットしてから食べる

前歯で噛まなければならない大きさの食べ物は、ナイフやフォーク、お箸などで小さく切ってから食べると食べやすくなります。

見た目も大口を開けて食べるより上品になりますので、ぜひ実践してみましょう。

食べるときに口を大きく開けない

食事中は、食べかすが矯正器具に挟まることが多いので、口を大きく開けないように注意しましょう。

笑うときは、手を軽く口元に添えて、口の中が見えにくくなるようにするのがおすすめです。

食後は素早くケアする

ワイヤー矯正による矯正治療中は食べかすが挟まりやすいので、食後はなるべく早く歯を磨くとよいでしょう。

外出時には歯ブラシや歯間ブラシを持ち歩くことをおすすめします。しかし、食事デートや外食の際は、待っている人がいることもあり、いつものように丁寧に歯を磨くことができません。

時間がないときは、お手洗いでマウスウォッシュでさっとうがいをするだけでも、口の中はすっきりします。ただし、家に帰ったらしっかり歯を磨くことを忘れないでください。

予備のマウスピースを携帯しておく

食事の際には、1つ前のステージのマウスピースや1つ先のステージのマウスピースを携帯することが大切です。

というのも、矯正治療中に食事をしていると、何度もマウスピースを着脱することになるので、マウスピースを紛失する可能性が高いのです。

そのため、マウスピースを紛失した場合に備えて、予備のマウスピースを携帯しておくことが大切です。

ただし、予備があるからといって、使っているマウスピースを適当に扱うのは間違いです。マウスピースをケースに入れずにポケットやカバンの中に入れておくのはやめましょう。

まとめ

マウスピース矯正は食事の際に取り外すことができますので、矯正前と同じように食事を楽しむことができます。

ただし、矯正治療開始直後や新しいマウスピースに交換した直後は、噛むときに痛みを感じることがあります。

そのため柔らかいものを選び、マウスピースにくっつきやすい食べ物は避けるようにしてください。

給食や外出先での食事の際には、今回ご紹介した内容を参考に、なるべく口の中を清潔に保つようにしましょう。

下高井戸パール歯科クリニックの矯正治療では、透明で目立たないマウスピース矯正を積極的に取り入れています。

また、患者様には、お口の中のトラブルや疑問、不安などを解消していただく機会も設けています。マウスピース矯正治療に関する様々なお悩みをお持ちの方は、まずご相談ください。