マウスピース矯正の1ヶ月の変化とは?歯並びごとの変化と期間を解説

マウスピース矯正の1ヶ月の変化とは?歯並びごとの変化と期間を解説

マウスピース矯正 1ヶ月 変化

念願の矯正治療を始めると、どのくらいで変化を実感できるのかが楽しみですよね。

特に最初のうちは、いつ変化が現れるのか、毎日鏡とにらめっこしている方も多いのではないでしょうか。

矯正治療で歯の根っこを動かすのは、とても時間がかかることです。これから矯正治療を始めたい人は、いつから始めればいいのか悩むかもしれません。

今回は、矯正治療における歯並びの変化について詳しく解説していきます。

マウスピース矯正で得られる変化について詳しく知りたい方、矯正歯科治療を始めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

マウスピース矯正の1ヶ月の変化

マウスピース矯正 1ヶ月 変化

マウスピース矯正を検討されている方は、歯が動くまでの期間をとても気にされているのではないでしょうか。

マウスピース矯正は、最初に歯の移動の経過をシミュレーションすることができるので、1ヶ月ごとの経過も事前に確認することが可能です。

ただし、1ヶ月で感じられる変化は微々たるものでしょう。以下で治療1ヶ月で感じる変化について解説します。

矯正治療の効果を実感できるのは約半年後

マウスピース矯正は1ヶ月に0.25mm程度歯を動かすので、治療開始直後から効果を実感することは難しいです。

歯の移動はシミュレーションで設計するため、治療する歯の位置によって効果を実感できる時期は異なります。

とはいえ、4~6ヵ月後には1mm以上歯が移動し、歯並びの変化を感じることができます。

効果を実感しにくい理由

マウスピース矯正が効果が出ていないように感じる理由としては、治療する場所や規模に原因があるケースもあります。

例えば、奥歯の噛み合わせを治療した後に前歯を矯正する場合、半年経っても目に見える効果を実感することは難しいです。

ただし、奥歯はしっかり動かすので、心配な方は現在どこの歯を動かしているかなど、歯科医師に聞いてみてください。

ワイヤー矯正よりも効果を実感しやすい

ワイヤー矯正では、治療が終わるまで歯の表面にブラケットを装着しているため、治療中に歯が徐々に正しい位置に移動していく様子を実感するのが難しくなります。

それに比べてマウスピース矯正は、約1~2週間ごとに新しいマウスピースを交換するため、歯が少しずつ動いていく効果を目で見て実感しやすくなっています。

マウスピース矯正の2つの期間

マウスピース矯正治療には、2つの期間があります。

事前に理解しておくことで、一見すると変化がないように思えても、安心して治療を続ける助けになることでしょう。

矯正の力で歯を動かす期間

前半は、歯並びを整えるために、マウスピースの矯正力によって歯を動かしている期間です。歯のねじれや出っ歯、歯の隙間など、歯並びや噛み合わせを治療する期間となります。

歯並びや噛み合わせの悪さには個人差があるため、3ヶ月で治療が終わる方もいれば、1年以上の治療期間がかかる方もいらっしゃいます。

ただし、年齢や性別などの要素も治療期間に影響し、例えば成人男性の場合、顎の骨が硬く、歯が動きにくいと言われています。

逆に若い人の場合、骨の新陳代謝が活発で、歯が動きやすい特徴があります。

しかし、高齢者でも矯正治療自体は可能で、歯が残っている高齢者が増えている傾向もあるためか、矯正治療を受ける人は増えています。

保定の期間

美しく矯正された歯の後戻りを防ぐために、リテーナーでしっかりと歯を固定します。

矯正治療が終了した後、何もしないでいると動かしたばかりの歯が元の位置に戻ろうとします。この「後戻り」を防ぐため、クリーンライン矯正に限らず、すべての矯正治療でリテーナーを装着する必要があります。

クリーンライン矯正の場合、動的治療終了後1年間は20時間以上、2年目以降は歯列の再生が見られない場合は就寝時を含めて8時間以上リテーナーを装着する必要があります。

マウスピース矯正治療1ヶ月で移動する歯の量

マウスピース矯正 1ヶ月 変化

矯正治療で歯の根っこを動かすには、かなりの時間を要します。そのスピードは、年齢や歯の長さによって個人差があります。

ここでは、歯の移動の仕組みと、歯の移動速度に影響を与える要因について説明します。

炎症反応で歯が動く

人間の歯の根は「歯根」と呼ばれ、歯茎の中の歯槽骨と呼ばれる顎の骨に埋め込まれています。歯に矯正力が加わると、この歯根が歯槽骨を押し炎症反応を起こします。

歯根の方向にある既存の骨は溶け、反対側には新しい骨が形成されます。このようにして、矯正力を受けた歯根は移動します。

矯正治療は炎症反応であるため、歯が動くと最初は痛みがあります。この炎症反応の1サイクルが終わるのに3〜4週間くらいかかります。

成人の場合、歯根は1サイクルで最大約0.5mmしか動きません。あまり実感がわかないかもしれませんが、これはどの矯正治療法でもほぼ同じです。

このスピードでは大きな痛みは出にくいので、生体にとって適切なスピードです。あまりに強い力がかかると、歯の根が耐え切れず「歯根吸収」というダメージを受けることになります。

人によっては、1ヶ月で歯がより動いたと感じるかもしれません。しかし、それは歯冠(歯の上部に見える歯の頭)の移動量が多いからそう感じるだけで、実際に歯根が動いたわけではありません。

歯の移動は少しずつ行う

一度にすべての歯を動かせるわけではなく、症例によっては奥歯から1本ずつ動かしていくこともあります。

そのため、目に見える効果が出るまで半年以上かかることも想定されます。すべての歯を一度に動かすと、失敗する可能性が高くなります。

矯正は長い目で見て、適切な治療法を選択することが大切です。

10代前半は最も動きやすい時期

歯並びや噛み合わせの悪さは、年齢を重ねるごとに進行します。

歯が動きやすく、並びやすい中学・高校生のうちに矯正治療を始めることは、治療のしやすさ、治療期間、費用の面でもメリットが多くあります。

骨の代謝が大人より活発な中高生では、歯の移動スピードが速いのが特徴です。

一方で20代、特に30代以降の成熟した大人は、顎を含めた顔の骨格が完成しており、代謝量も少ないため、歯を動かすのに必要な時間は中高生より長くなります。

歯の移動がスムーズな中高生の矯正治療は、大人の矯正治療と比べて治療期間が短くなる傾向があります。

歯の移動量は歯根に関係する

歯の移動量は、歯根の表面積の大きさや形にも関係があります。

歯根と骨の間には歯根膜という薄い膜があり、歯冠(歯の見える部分)に矯正力が加わると、歯根(歯の隠れている部分)が引っ張られます。

引っ張られた側の歯根膜は伸び、押された側の歯根膜は縮みます。

歯科矯正などで外部から力を加えると、引っ張られて伸びる側の歯根膜は厚みが増し、押されて縮む側の歯根膜は厚みが減るのです。

厚みが増した側の歯根膜は、隙間を埋めるように新しい骨を作り、縮んだ側の歯根膜は、骨を溶かす細胞が現れ、元の大きさに戻していきます。

そのため、下の奥歯を動かすような治療はゆっくりと進むことになりますので、患者様には我慢が求められるというわけです。

歯の長さも影響あり

歯冠と呼ばれる見える歯が長ければ長いほど、同じ距離でも速く動くようです。

これは、実際の根の移動量は同じですが、歯冠が長い歯は、傾いた動きでより早く移動できるということです。

例えると、振り子の糸の長さのようなものです。したがって、歯周病による歯肉退縮がある患者様の矯正治療は早く進むと言われています。

従来のワイヤー矯正による歯の移動との違い

マウスピース矯正 1ヶ月 変化

歯の移動量だけで比較すると、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の差はあまりありません。

前述のようにマウスピース矯正を含む歯科矯正による1ヶ月の歯の移動量は、0.3mmから最大で1mmと言われています。

以前は、ワイヤーに比べて移動量が少ないため、治療期間が長くなると考えられていました。

最近ではマウスピースの品質や技術も向上し、マウスピース矯正でも1ヶ月あたりの歯の移動量は最大で1mmほどに改善されています。

まとめ

マウスピース矯正の治療期間にばらつきがあるのは、そもそもの歯の状態に個人差があるためです。

部分矯正で改善できるケースもあれば、全体矯正が必要なケースもあるので、まずは現在の歯並びをしっかり診てもらうことが重要です。

また、マウスピース矯正の期間が長引く原因として、装着時間が短すぎることが挙げられます。

そのため、マウスピース矯正期間を少しでも早めるためには、装着時間を十分に確保することが重要です。

下高井戸パール歯科クリニック・世田谷では、マウスピース型矯正装置を使った歯並び矯正を導入しています。

また、患者様のお口のトラブルや疑問、不安を解消する機会も設けています。歯の矯正治療についてお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。