
マウスピース矯正の7つのデメリットとは?注意すべきリスクと合わせて解説!

矯正治療をお考えの方の中には、「マウスピース矯正とワイヤー矯正、どっちがいいんだろう?」と迷われる方も少なくありません。
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて目立ちにくい、着脱がしやすいなどのメリットがありますが、デメリットもあります。
こうした情報は、デンタルクリニックによりはっきりと伝えられない場合もあるため注意が必要です。
当記事では、マウスピース矯正で気をつけなければならないデメリットと、マウスピース矯正で起こり得るリスクについて解説しています。
矯正治療を真剣にお考えの方は、ぜひご一読ください。
マウスピース矯正の7つのデメリット

はじめに、マウスピース矯正の7つのデメリットについて紹介します。矯正器具は治療期間が長いため、リスクを理解した上で治療を検討するようにしてください。
毎日20時間以上装着する必要がある
毎日20時間以上装着しなければならないという点が、マウスピース矯正とワイヤー矯正の大きな違いでしょう。
矯正で効率よく歯を動かすには、歯に弱い力を持続的にかけることがポイントです。
ワイヤー矯正の場合、装着者が取り外すことができないため、持続的に弱い力を歯に加えることになります。
一方、マウスピース矯正は着脱が可能であり、毎日20時間以上装着する必要があります。
簡単に外したりつけたりができるため、外したまま装着し忘れてしまうというリスクもあります。
装置を装着していない場合は、歯に矯正力がかかりません。歯を希望の位置に動かすのに時間がかかったり、新しいマウスピースを装着するまでに予想以上の時間が必要になることもあります。
治療の質は医師によって差がある
マウスピース矯正のもう一つのデメリットは、医師によって治療の質に差があることです。マウスピース矯正は、比較的新しい矯正治療法です。
そのため、豊富な知識と経験を持つ歯科医師は多くありません。そもそも矯正歯科は専門性の高い分野であり、すべての歯科医師が同じように治療できるわけではありません。
インビザラインでは、アライナー(マウスピース)を作成する過程で、レントゲンの情報をもとに歯をどのように動かすかを決め、アラインテクノロジーで作成したシミュレーションを修正する必要があります。
適切な治療計画を立て、その計画通りにスムーズに歯並びを整えるには、多くの経験が必要です。
トラブルを回避し、満足のいく結果を得るためには、マウスピース矯正の専門知識と経験が豊富な歯科医師を選ぶことが大切です。
矯正治療中の虫歯治療で矯正期間が長引くことも
矯正治療中は、矯正器具を歯に装着するため、どうしても口の中が汚れてしまい、矯正治療をしていないときよりも虫歯になりやすくなります。
矯正治療中に虫歯が見つかった場合は、虫歯の治療が優先されます。
虫歯の治療が優先される理由は、虫歯を放置すると悪化するだけでなく、矯正治療の進行や結果にも影響するからです。
マウスピースのオーダーメイド矯正治療では、治療前に口腔内のデータを取り、矯正器具をアメリカから取り寄せて治療を完了させます。
そのため、小さな虫歯の治療であれば問題ありませんが、歯の形や状態が変わってしまうような大きな虫歯の治療では、矯正装置の作り直しが必要になるため、治療期間が長引いてしまうことがあります。
歯ぎしりによりマウスピースが割れることがある
マウスピース型のオーダーメイド矯正装置は薄いため、目立ちにくく、口腔内の違和感が少ないというメリットにつながります。
ただし、歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、割れてしまうことがあります。
矯正治療を経て歯並びが良くなっても、割れたマウスピースを装着していると矯正治療が進まなくなる可能性が高いです。
特に就寝時の歯ぎしりや食いしばりは、自分では気づきにくい癖ですので、ご家族やご友人から指摘された場合は、事前に歯科医院にご相談ください。
着用中の飲食はできない
マウスピース矯正の方は、マウスピースを装着したまま飲食することはできません。マウスピース装着中に口に入れることができるのは、水、白湯、炭酸飲料のみです。
マウスピース装着中の飲食は、虫歯や歯周病のリスクを高め、マウスピースを汚してしまう可能性があります。
そのため、例えば外出先でカフェに立ち寄って休憩する場合は、マウスピースを外しておくとよいでしょう。
また、職場の休憩時間にお菓子をつまむ習慣がある方もいらっしゃるでしょう。そのような場合、以前のように気軽に飲食できないことに不便を感じるかもしれません。
一方で、マウスピース矯正を始める前よりも間食が減ったなど、良い効果を実感されている方もいらっしゃいます。
セルフコントロールが必要
マウスピースを紛失・破損した場合は、作り直す必要があります。クリニックにもよりますが、通常、作り直しは有料となります。
また、チューイーと呼ばれる補助具もマウスピースを歯にしっかりフィットさせるために必要なものです。
チューイが指示通りに噛まれないと、マウスピースが歯から浮いてしまい、計画通りに歯が動かなくなります。
このように、マウスピース矯正は、装着したり外したりするため、自己管理が必要な矯正方法といえます。
適用できないケースが多い
現在のマウスピース矯正は、部分矯正にも全体矯正にも適していますが、限られた症例にしか適用できないことが欠点です。
歯並びがデコボコしていたり、出っ歯だったり、受け口だったりと症状が重い場合や、骨格そのものを調整する手術が必要な場合は、マウスピースだけでは対応できません。
しかし、マウスピース矯正で治療できるケースも多くありますので、まずは矯正歯科医にご相談いただき、該当するかどうかご確認ください。
マウスピース矯正のリスクと副作用について

治療を始めてから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、マウスピース矯正の特徴や考えられるリスクについても理解しておくことが重要です。
矯正装置が直接の原因となる場合
矯正治療中、装置が頬の内側に当たり、傷や口内炎ができることがあります。歯の移動に伴って痛みが生じることもあります。
矯正装置を装着した直後に痛みが出ることもありますが、多くは数日でおさまります。また、冷たいものを飲むと染みる知覚過敏もよくある問題ですが、数日で改善されます。
長期間症状がおさまらない場合は、歯科医師にご相談ください。さらに、装置を装着している間は、発音がしにくくなることがありますが、通常は数ヶ月で慣れます。
歯根が歯槽骨から突出する現象が起こることがある
歯槽骨から歯根が出る可能性があるのもリスクの一つです。とはいえ、ワイヤー矯正による矯正治療とは異なり、治療は歯を傾けるのではなく、歯体を移動させることで行います。
歯体を移動できることはマウスピース矯正の大きなメリットで、非抜歯矯正の場合、適切なスペースで歯を奥に移動させることが可能です。(スペースがないと前歯が前に傾いてしまう)
事前にCTで歯槽骨の厚みや歯の移動方向がわかっていれば、歯根の突出現象を回避することができます。
臼歯部(奥歯)が咬めない場合がある
マウスピース型カスタムメイド矯正装置のデメリットとして、装置が常に歯面を覆っているため臼歯部が圧迫されやすく、治療終了時に臼歯部(奥歯)がしっかり咬めないことがあります。
しかし、これも輪ゴムを使った補助器具で上下の歯を抜くことで、多くの場合、時間の経過とともに改善することができます。
抜歯の際には麻酔が必要
矯正する部分に十分なスペースがない場合、健康上問題のない歯を抜歯することがあります。
その場合は、抜歯前に医師から治療内容の説明があります。抜歯をする際には、当然麻酔注射を行います。
麻酔薬の中には、心拍数や血圧を上げる成分が含まれているものがあり、心臓や血圧に問題がある患者さんが使用すると、動悸や血圧の上昇を引き起こすことがあります。
麻酔は吐き気や嘔吐、アレルギー反応を引き起こすこともあるので、注意が必要です。
また、麻酔が効いている間は感覚が鈍くなるため、頬を噛んだり、熱いものを飲んだりするとやけどの恐れがあることも覚えておきたい点です。
虫歯や歯周病のリスクもある
この治療では、長時間マウスピースを装着する必要があるため、どうしても口腔内が不衛生になりやすくなります。
治療中はブラッシングやフロスなど、口腔内のケアに十分な配慮が必要です。なお、矯正治療中は歯質が変化するため、虫歯や歯周病などの基本的な治療はできません。
治療期間中、身体的な変化が起こることがある
矯正治療中は、頭痛、肩こり、吐き気、不眠、強い疲労感などの症状が出ることがあります。
これは、咬み合わせの変化による体のバランスの崩れや、それに伴う反応によるものです。身体に異変を感じたら、すぐに歯科医師にご相談ください。
まとめ
今回は、マウスピース矯正治療を受ける前に知っておきたいデメリットやリスクについて解説しました。
最近はメリットを強調した広告も多いですが、治療に伴うデメリットも明確に理解し、慎重に検討されることをおすすめします。
下高井戸パール歯科クリニックは、地域に密着した医療を目指し、予防、治療、矯正歯科、審美歯科、ホワイトニングなど幅広い診療を行っています。
初診から治療、メンテナンスまで、患者さん一人ひとりに同じ歯科医師と衛生士が担当するため、きめ細かなケアが可能です。
マウスピース矯正について気になることがあれば、ぜひ当院にご相談ください。