
マウスピース矯正で歯がむずむずする原因とは?不快な症状が続く期間と対処法

矯正治療では、さまざまな違和感を感じることがあります。そのひとつが噛み合わせのかゆみという不快感ですが、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
原因がわからないと不安になってしまいますが、原因を理解することで不安が解消され、治療に集中することができます。
この記事では、かゆみの原因や対処法について詳しく解説しています。疑問や不安を解消して、今後の治療に活かしていきましょう。
マウスピース矯正で歯がむずむずする原因

マウスピース矯正治療矯正の患者様が、歯のかゆみを訴えることがあります。この症状は矯正治療では珍しいことではありませんが、原因がわからないと心配になるものです。
ここでは、歯のかゆみの原因について解説します。
マウスピースの影響
マウスピース矯正は、その名の通りマウスピースを使って歯を動かして矯正する治療法です。
歯を動かすために、本来の歯並びとは少し違うマウスピースを装着します。そのため、マウスピースを装着していると、歯が少し締め付けられるような違和感があります。
数日装着していると慣れてきますが、違和感はどうしても痒みとして感じられます。
アタッチメントの影響
マウスピースを装着するだけでも歯は動きますが、矯正治療をスムーズに進めるために、小さな白いプラスチックの素材を歯に装着します。これをアタッチメントと呼びます。
アタッチメントは、治療をスムーズに進めるだけでなく、マウスピースを固定するためにも使用されます。
マウスピースが装着されていると、よりしっかりとフィットし、外れにくくなります。
また、アタッチメントを使用することで、1週間に0.25mmずつ歯を動かすことができますが、歯が動くとかゆみや違和感を感じる方もいます。
歯が動いている途中の状態
矯正治療中、歯は動いています。治療中は、矯正器具を使って歯に継続的な負荷をかけ、歯を少しずつ動かしていきます。
矯正器具で歯を動かしたい方向に押し付けるため、移動時の炎症と相まって噛み合わせに違和感を覚えることがあります。
違和感を感じるのは治療開始時や装置の調整直後が多いので、1週間から10日ほどで違和感が消えない場合は医師に相談しましょう。
マウスピースの厚み
マウスピース矯正では、特に噛み合わせに違和感を覚えることがあります。これはマウスピースの厚みが原因であることが多く、歯の移動に伴って発生することが多いです。
この症状は、マウスピースが歯を覆っているため、矯正歯科医が常に歯と歯の間のものを噛んでいるために起こります。
しかし、マウスピースを使った矯正治療ではある程度想定されることなので、治療前に歯科医師の話をよく聞いて対処することをおすすめします。
装着時間の不足
矯正治療では、矯正器具を使って歯を動かしていきます。そのため、装置の装着時間が短いと思うような効果が得られず、歯並びが改善されないことがあります。
特に、マウスピース矯正治療は自由に取り外しができるため、人によっては煩わしさを感じ、装置を外して生活してしまうこともあるようです。
中途半端な状態で矯正治療を行うと、治療期間が長引くだけでなく、噛み合わせが悪化してしまうこともあります。
マウスピース矯正で違和感を感じやすいタイミング

マウスピース矯正治療では、以下のような場合に違和感を感じることが多いようです。
- 初めてマウスピースを装着するとき
- 新しいマウスピースに交換する場合
- IPRがある場合
- アタッチメントを装着した場合
それでは、それぞれの違和感の詳細を見ていきましょう。
初めてマウスピースを装着したとき
初めてマウスピースを装着するときは、まだ慣れていないため、歯全体が締め付けられるような違和感を感じたり話しにくくなることがあります。
ただし、この違和感は3日~1週間程度で慣れることが多いようです。
新しいマウスピースに変更する場合
マウスピースを交換したとき、少しきつく感じることがあります。これは、まだ慣れていないことと、歯が新しいマウスピースに移動していないためです。
この場合、3日~1週間程度で違和感がなくなります。
IPRを終えた後
IPRとは、歯並びを整えるのに十分なスペースがない場合に、歯と歯が接する面をファイルダウンして、歯並びを整えやすくする処置です。
この際、振動や歯ぐきとの接触により、不快感を感じることがあります。IPR中に違和感を感じた場合は、すぐに歯科医師に申し出てください。
アタッチメントが磨耗した場合
マウスピース矯正は、歯を動かしたい方向に力を加えるために、歯の表面にアタッチメントと呼ばれる装置を装着します。
この装置が口の中の粘膜や歯に当たると違和感を感じることがありますが、短期間で慣れることができます。
マウスピースはいつ頃慣れる?

マウスピース矯正でむずむずする感覚は、通常3日程度で収まるようです。歯列矯正を始めたばかりの頃は、締め付けられるような感覚を覚えることがあります。
この不快感は1週間以内におさまる方が多いので、しばらくは痛みや慣れない感覚に耐えてみてください。
また、最初はマウスピースが口の中にあるため、日常会話に苦労する方もいます。違和感なく会話できるようになるまでには、1~2週間ほどかかります。
ただし、2週間以上経っても慣れない場合は、無理せず歯科医師にご相談ください。
マウスピース矯正の不快感を和らげる対処法

以上のように、矯正治療中のかゆみや痛みは特別な症状ではないとはいえ、できるだけ不快な思いをせずに治療生活を送りたいものです。
そこでここでは、矯正治療中の不快感への対処法について解説します。現在、違和感を感じている方は、ぜひこの記事を読んで、早めに実践してみてください。
毎日の装着時間を守る
締め付けられるような感覚や、咬み合わせが悪いと感じる場合は、毎日の装着時間を守ることを意識してください。この対処法は意外に思われるかもしれません。
たしかに、痛みがあるときに一時的にアライナーを外すのは有効です。しかし、違和感を感じたときにアライナーを外すことを習慣化してしまうと、歯の移動に遅れが生じてしまいます。
そうなると、アライナーと歯のズレがどんどん大きくなってしまい、違和感や痛みがさらに強くなってしまいます。
違和感が正常な範囲内であれば、少し我慢して、毎日の装着時間を守ってみてください。そうすることで、後々、より多くの違和感や痛みに悩まされることがなくなります。
一つ前のアライナーに戻る
新しいアライナーに移ったときに違和感や痛みが強い場合は、前のアライナーに戻すことが有効な場合があります。
マウスピース治療では、実際の治療を始める前にPC上で歯の動き方をシミュレーションして作ります。しかし、シミュレーションと実際では誤差が生まれることがあります。
小さな誤差が積み重なったまま次の段階のアライナーに進むと、その段階でのアライナーと歯とのズレが大きくなって違和感や痛みを感じやすくなってしまいます。
そのような場合は、前のアライナーに戻してみてください。多くの場合、痛みや違和感が軽減されるはずです。
歯科医師に相談する
マウスピース治療による違和感の多くは、長くても1週間程度で落ち着きます。
そのため、上記の対策を試しても1週間以上違和感が続く場合は、放置せずに歯科医に相談してください。
口の中の何らかのトラブルが原因で違和感が起きている場合は、すぐに歯科で治療することで重症化を防ぐことができます。
また、歯の動きが遅いために違和感を感じている場合でも、放置せずに歯科医師に相談することで、治療計画が適切かどうかを再検討し、必要であれば治療計画を立て直すことができます。
違和感を放置せず歯科医師に相談することで、治療期間が不必要に延長されることはなく、患者様の身体的・精神的ストレスはすぐに解消されるでしょう。
マウスピース使用時の不自然な感覚を放置するリスク

不自然な感覚を抱いたまま放置すると、歯や口の中にさらなる問題が生じる可能性があります。
2週間程度、マウスピースに慣れることが難しい場合は、歯科医師にご相談ください。
マウスピースを装着しているときに、歯ぐきに当たるのが気になる場合は、歯に問題があるか、単にマウスピースが歯にぶつかって痛みが出ている可能性があります。
マウスピースが歯ぐきにぶつかることで痛みが生じている場合は、歯科医師がエッジを丸くすることで問題を解決できるかもしれません。
しかし、歯に問題がある場合は、歯周病である可能性があり、治療が必要な場合があります。
まとめ
今回は、治療中に感じる代表的な5種類の違和感とその対処法をご紹介しました。
このうち、締め付け感と噛み合わせの悪さは、比較的多くの方が感じる不快感です。マウスピースは長時間装着するため、慣れるまでは不自然に感じがちです。
ほとんどの方は1週間程度で違和感がなくなりますが、強い痛みを感じる場合や長期間慣れない場合は、放置せず歯科医院にご相談ください。
下高井戸パール歯科クリニック・世田谷では、マウスピース矯正を積極的に行っています。水曜・木曜・土曜も診療しています。
京王線・東急世田谷線「下高井戸駅」から徒歩4分です。当院では、患者さまのお気持ちを理解し、納得のいく治療をご提供しています。
本記事の内容は、あくまでも一般的な内容です。患者さんのお口の状態によって異なる場合があります。ご不明な点がございましたら、直接お問い合わせください。