マウスピース矯正で八重歯は改善できる？犬歯との違いや矯正の概要を徹底解説！
「八重歯を改善したいけど、目立つ矯正器具は避けたい」という方は多いのではないでしょうか。
八重歯は、他の歯と重なっている歯のことで、放っておくと虫歯や歯周病のリスクが高まります。
特に職業柄、身だしなみを気にされる方は、ワイヤー矯正に踏み切れないこともあることでしょう。そんな時は、目立ちにくいマウスピース矯正をおすすめします。
今回は、八重歯とマウスピース矯正の関係について解説します。
また、マウスピース矯正のメリットや放置しておく場合のリスクについても紹介していますので、これから治療をお考えの方はぜひ参考にしてください。
八重歯とは
八重歯とは、歯列から飛び出して生えている歯のことです。
八重歯を含むガタガタの歯は「叢生（そうせい）」と呼ばれ、叢生は顎の小さい日本人に多い歯並びの悪さと言われています。
原因の多くは犬歯であるため、犬歯の出っ張りが八重歯であると考える人が多いようです。片側だけ出ている場合もあれば、両側が出ている場合もあり、症状は人それぞれです。
八重歯の原因
八重歯の原因はさまざまありますが、最も多いのは顎の骨が小さいことです。
顎がきちんと発達しないと小さいままになってしまい、顎が小さいと歯がきちんと並ばず八重歯になってしまうのです。
遺伝の他にも顎が成長する時期に柔らかいものを食べたり、乳歯が虫歯になりすぎたりと、後天的な要因もあります。
また、乳歯が早く抜けすぎたり、永久歯の生え変わりの時に生えてくる順番を間違えたりすると、歯がきれいに並ぶスペースが足りなくなり、八重歯になります。
犬歯と八重歯は別物
犬歯とは、第2切歯と第4大臼歯の間にある歯のことです。犬歯は上下一対、左右合計4本あり、食べ物を切り裂く役割を担っています。
また、糸を切るために使うことから糸切歯と呼ばれることもあります。
犬歯が八重歯になると、鋭く尖った形が悪魔の牙のように見えることから悪魔の歯と呼ばれることもあります。
マウスピース矯正で八重歯が矯正できないケース
マウスピース矯正は八重歯を矯正することができますが、すべての症例に適用できるわけではありません。
目立ちにくいマウスピース矯正を希望される方も多いですが、自分が適用症例かどうかは、しっかりと診断してもらうようにしましょう。
ここでは、マウスピース矯正で八重歯が改善されないケースをご紹介します。
過蓋咬合（ディープバイト）
過蓋咬合とは、歯の噛み合わせが通常よりも深く、噛んだときに下の歯が見えない状態のことをいいます。歯科では、ディープバイトと呼ばれることもあります。
マウスピース矯正でも過蓋咬合を治療することができますが、八重歯がある場合など、適用できない場合があります。
症例の程度により、マウスピース矯正が適している場合とそうでない場合がありますので、担当医とよく相談してください。
併発している問題
八重歯以外にも噛み合わせや歯並びの問題がある場合、マウスピース矯正が適用できないことがあります。
また、部分矯正では八重歯の矯正ができず、全体矯正をおすすめする場合もあります。必ず、総合的に最適と診断された矯正方法で治療を開始するようにしましょう。
八重歯の治療方法
八重歯が気になるけど、具体的な治療方法がわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
八重歯は、一般的なワイヤー矯正だけでなく、裏側矯正やマウスピース矯正でも治療することが可能です。
ここでは、一般的なマウスピース矯正の治療法をご紹介します。
歯のサイズを小さくする
軽度の叢生であれば、歯の側面を削り、そのスペースに八重歯をはめ込むことで治療が可能です。八重歯の程度があまりひどくない場合は、歯を削る必要はありません。
しかし、そのまま矯正して歯を並べると出っ歯になってしまうので、1本1本の歯の幅を小さくすることが必要です。
歯を削ると聞いて心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、歯に影響のない程度に削るので問題はありません。
イメージとしては、表面のエナメル質をごくわずかに削って、上の歯全体の八重歯1本分のスペースを確保します。
スライシングと呼ばれるもので、歯の両脇を0.2～0.5mm程度削ります。前歯6本でスライシングを行えば、かなりのスペースが確保できます。
歯の本数を減らす（抜歯）
抜歯をした方が最終的な歯並びがきれいになると判断した場合、マウスピース矯正でも抜歯をすることがあります。
抜歯をするかどうかは歯科医師が判断しますが、歯が大きい場合や八重歯を矯正する場合は、抜歯とマウスピース矯正を併用することが多いようです。
逆に、抜歯をしない矯正治療では、歯ぐきが下がったり、歯が長く見えたりすることがあります。
治療後の美しい仕上がりと後戻りを防ぐためにも、矯正歯科の専門医に相談しましょう。
マウスピース矯正で八重歯を治療する場合の期間と費用
マウスピース矯正はいくらかかるのか、気になりますよね。結論から言うと、治療期間や費用は歯科医院によって異なります。
以下の表でおおよその目安をお伝えします。
| 矯正の範囲 | 期間 | 費用 | |
| マウスピース矯正 | 上下・全体 | 1～3年 | 80～100万円 |
| マウスピース矯正 | 上下・前歯中心 | 5ヶ月～1年半 | 10～70万円 |
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と同じく保険適用外なので、治療費が高額になりやすいです。そのため、費用や治療計画を比較するためにも、複数の歯科医院で相談されることをおすすめします。
マウスピース矯正もワイヤー矯正と同様に、医療費控除の対象となります。また、治療費の分割払いに対応している歯科医院も多くあります。
八重歯を矯正するメリット
八重歯を矯正すると、見た目の印象が変わるだけでなく、ダイエットをはじめとするさまざまな健康効果が期待できます。
ここでは、八重歯を矯正することで得られる効果について詳しく解説します。
口元全体の印象が良くなり笑顔が魅力的になる
八重歯は、口を開けたときに目立ってしまうケースが多くあります。そのため、八重歯の見た目を気にして、なかなか笑えないという方もいらっしゃるかもしれません。
また、手で口元を隠す癖がある方もおられることでしょう。八重歯を矯正することで、歯並びを気にすることなく思い切り笑うことができるようになります。
笑うことで前向きで明るいイメージになり、周囲の人の印象も変わってくることでしょう。また、八重歯は外側に飛び出しているため、口を閉じたときに口元が膨らみます。
そのため、八重歯の矯正で横顔がシャープな見た目になるというメリットもあります。
胃や腸への負担を軽減
八重歯によって噛み合わせが悪くなると、食べ物を噛み砕くことが難しくなります。
咀嚼とは、食べ物が細かくなるまでよく噛むことです。噛むことで唾液の分泌が促され、脳が活性化され、全身の血流が良くなります。
矯正治療で噛み合わせを改善・解消することで、食べ物を噛みやすくすることができます。
また、咀嚼が不十分なまま食べ物を胃に送り込み、胃腸に負担をかけている場合、胃腸の負担を軽減することもできます。
歯みがきがしやすくなる
八重歯は歯が重なっている状態です。重なった歯は歯ブラシが届かないので歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病が発生しやすくなります。
そこで矯正治療で八重歯がなくなると、歯磨きがしやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが減ります。
食べ物をおいしく食べることができる
八重歯を矯正すると噛み合わせが改善されるため、食べ物をよく噛むことができるようになります。
食べ物をしっかり噛むことができないと、食べ物をしっかり噛まずに飲み込んでしまうため、胃などの臓器に負担がかかり、消化不良を起こすことがあります。
また、八重歯を矯正することで、虫歯や歯周病のリスクも軽減されます。そのため、年齢を重ねても自分の歯でおいしく食事ができるようになります。
八重歯が原因で唇の裏側が傷つくなどのトラブルも解消されることでしょう。
しっかり噛むことで口周りの筋肉も鍛えられるので、口元全体の印象が良くなり、横顔のシルエットも良くなります。
八重歯を放置するリスク
八重歯を放置することは、見た目のコンプレックスを生むだけでなく、以下のようなリスクもあります。
噛み合わせが悪い
犬歯の出っ張りに加え、前歯や奥歯など他の歯がガタガタと並んでいる（＝叢生）ことが多いです。歯並びがガタガタと乱れることで、噛み合わせが悪くなりやすくなります。
噛み合わせが悪いと、食べ物をしっかり噛むことができず、胃や腸などの消化器官への負担が大きくなります。
また、噛み合わせが乱れていると、顎の周りの筋肉のバランスが崩れ、顎関節症になることもあります。
他の歯に負担をかける
八重歯のある歯は、咬み合わせに参加できる状態にはありません。
1本1本の歯にかかる負担が大きくなり、将来的には歯を支える歯槽骨が長時間の咬合力によって影響を受け、歯を失う可能性があります。
肩こりや頭痛の原因になることも
八重歯のズレによる噛み合わせの悪さは、顎の骨の歪みを引き起こし、それが首の骨の歪みにつながり、背骨を歪ませることもあります。
肩こりや頭痛の原因が、噛み合わせの悪さや骨格全体のゆがみにあることは珍しくありません。
口呼吸への影響
八重歯があると、唇が閉じにくくなり、口呼吸やドライマウスになることがあります。
唾液が減ることで、細菌や汚れを洗い流し、増殖を抑制する抗菌作用が低下し、むし歯になりやすくなります。
八重歯は見た目のコンプレックスばかりが注目されがちですが、それ以上に大きなリスクがあるのです。
まとめ
八重歯は矯正歯科治療で矯正することができます。しかし、矯正歯科は専門性の高い分野であるため、どこの歯科医院でも同じような治療ができるわけではありません。
トラブルを避け、満足のいく結果を得たいのであれば、矯正治療を専門に行う歯科医院を選ぶべきでしょう。
歯並びや口腔内のトラブルは、放置しておくと悪化する危険性があります。歯並びが気になる方は、ぜひ早めに歯科医院にご相談ください。
世田谷区赤堤の下高井戸駅近くの歯医者「下高井戸パール歯科クリニック」では、マウスピース矯正の治療を行っています。
当院では、以前矯正治療をした後に歯並びが戻ってしまった方にも対応可能です。
例えば、部分的に歯並びが悪くなってしまった方、もう一度全体的に歯並びを整えたい方はぜひご相談ください。