
マウスピース矯正とインビザラインの違いは?8つの項目で解説

マウスピースは、目立ちにくく手軽に着脱ができることから人気の矯正装置です。
しかし、いざマウスピース矯正をしようとすると、最近ではさまざまな種類があり、どれがいいのか迷ってしまうこともありますよね。
ここでは、一般的なマウスピース矯正とインビザラインの違いを徹底比較し、わかりやすく解説していきます。
インビザラインとは

マウスピース矯正でよく耳にするインビザラインとは、歯並びを改善するための数ある「矯正治療」のひとつです。
透明で目立たず、薄くて軽く、快適に使用できる矯正装置で、1999年に米国で発売されて以来、100カ国以上で800万人以上の患者様に使用されている実績があります。
負担の少ない治療
インビザラインは、デジタル技術を駆使して患者様の負担を軽減できる特徴があります。
最初に歯型を取るだけで、その歯型をデジタル化し、治療が完了するまでの詳細な治療計画の作成に使用します。
歯型の採取にiTeroなどの光学スキャナーを使用することで、粘土状の材料を使用する従来の歯型採取のように、患者様の身体的・精神的負担を軽減することができます。
光学スキャナーでは、単に歯の形を取るだけでなく、歯から歯茎の形まで正確な歯型データを取得することが可能です。
データ蓄積の強み
インビザラインの特徴のひとつは、初診時に治療計画を立てるために撮影した患者様のお口の中の情報が、アライン・テクノロジーによってデータとして蓄積されることです。
この時のデータをもとに、アライン・テクノロジーは患者様一人ひとりに合ったマウスピースを作成します。
また、その後の治療経過もすべてデータとして保存され、治療計画と実際の治療経過にズレがあった場合は修正することができます。
マウスピース矯正とインビザラインの違いを解説

マウスピース型矯正歯科には、さまざまな種類があります。ここでは、マウスピース矯正とインビザラインの違いについて、以下のポイントにわけて解説しています。
- 治療の流れ
- アライナーの作製方法
- 治療実績
- 費用
- 通院回数
- 噛み合わせの調整
- 治療の正確性
- 治療が可能な年齢
治療の流れ
マウスピース矯正の治療法はたくさんあります。詳しい治療の流れは様々ですが、一般的には次のような流れで治療が進みます。
- 歯列と噛み合わせの成型
- 治療計画
- マウスピース型矯正装置(アライナー)の作製
- 治療開始(アライナーの装着)
- 治療の完了と保定
主な違いは、歯型を取る回数です。
すべてではありませんが、多くのマウスピース型矯正装置では、矯正装置を次の段階に変更するたびに歯型を取る必要があります。
また、コンピューターによる治療計画を立てるマウスピース型矯正歯科もありますが、多くは歯型をとって治療計画を立てます。
インビザラインの場合は、カウンセリングと精密検査の後、治療は以下のように進みます。
- 歯列と噛み合わせの成型
- 患者様の歯の3Dモデルの作成
- シミュレーションと治療計画
- マウスピース型矯正装置(アライナー)の作製
- 治療開始(アライナーの装着)
- 治療の完了と保定
他の矯正治療法と大きく異なる点は、アライナーを作成するために治療前に必要とされる歯型が1枚のみで済むことです。
また、歯型を使用して治療計画を立てるのではなく、患者様の歯型の3D画像データ(3Dモデル)をもとに専用のコンピューターソフトで歯の動きをシミュレーションし、治療計画を立てます。
アライナーの作製方法
他のマウスピース型矯正装置とインビザラインの主な違いは、歯型を取る回数です。インビザラインでは、アライナーを作成するための治療前の歯型は1回で済みます。
一方マウスピース型矯正装置の多くは、すべてではありませんが、次の段階の矯正装置への交換のたびに歯型を取る必要があります。
治療実績
マウスピース型矯正装置の中には、日本では高いシェアを持つものもありますが、世界的にはインビザラインの性能とシェアに及ばないのが現状です。
インビザラインは、マウスピース型矯正装置としては世界シェアNo.1です。インビザラインの歯列矯正は、年齢に関係なく子供に使用することができます。
そのため、インビザラインの利用者は増えています。見た目が悪いという矯正歯科のイメージを覆すかのように、2022年にインビザラインはグッドデザイン賞を受賞しています。
マウスピース矯正を製作・提供している会社はたくさんありますが、インビザラインは多くの歯科医が使用している最も信頼性の高い矯正治療と言われています。
しかし、マウスピース矯正にはそれぞれ特徴があり、患者様自身の歯並びやニーズに合った方法を選択することが大切です。
費用
費用面だけで言えば、インビザラインは一般的なマウスピース型矯正装置よりも高額になることが多いです。
インビザラインは、優れた技術に加え、アメリカのアラインテクノロジー社でのデータ管理など、さまざまなコストがかかるため、どうしても割高になってしまうのです。
それに対して、一般的なマウスピース型矯正装置は、こうしたコストがかからないため、コストが安くなる傾向にあります。
とはいえ、矯正装置にはそれぞれ特徴があり、患者様の現在の歯の状態や年齢、ライフスタイルによって最適な選択ができるため、一概に高いか安いかは言えません。
通院回数
一般的にマウスピース矯正では型を取るために、1ヶ月に1回程度通院する必要があります。
一方インビザラインの場合、型取りは1回のみで、マウスピースを交換することで調整を行います。
そのため、通院の頻度が少なくて済むという利点があります。
噛み合わせの調整
多くのマウスピース型矯正装置では、噛み合わせが改善されません。その点、インビザラインでは、歯列全体を動かすことができるため、噛み合わせの改善も期待できます。
適した症例
一般的なマウスピース型矯正装置の多くは、部分的な矯正にしか適していないため、歯列全体を矯正することはできません。
一方、インビザラインは、前歯のみを部分的に矯正することも、奥歯を含めた歯列全体を矯正することも可能です。
インビザライン・フル、インビザライン・ライト、インビザライン・ファーストなど、症例に応じて装置が分かれています。
治療の正確性
一般的なマウスピース型矯正装置では、医師自身が治療計画を作成することがあります。
そのため、治療結果がドクターの技量に左右されやすく、治療結果にばらつきが出る可能性があります。
これに対し、インビザラインは歯型などのデータをアライン・テクノロジー社に送り、アライン・テクノロジー社が1300万人以上の患者様の治療データと照らし合わせ、適切な治療計画を作成します。
インビザラインのメリットは、アライン・テクノロジーで作成した治療計画をもとに、医師がさらに治療計画を修正できるため、高いレベルで治療の安定性を確保できることと言えるでしょう。
治療が可能な年齢
一般的なマウスピース型の矯正装置では、永久歯がすべて生えそろってからでないと治療ができないことが多いです。
一方、インビザラインは、それぞれの症例や年齢層に適した治療装置があります。
具体的には、インビザライン・ファーストによる治療は、小学校低学年から可能です。
まとめ
今回は、一般的なマウスピース型矯正装置とインビザラインの違いについて解説しました。インビザラインは技術的には非常に優れた矯正治療法です。
治療の正確さや通院回数など、その他のマウスピースとの違いを比較しても、インビザラインの優秀さが理解できます。
とはいえ、インビザラインは一般的なマウスピース矯正よりも高額なため、なかなか踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。
また、人によっては、インビザライン以外のマウスピース矯正の方が適している場合もあります。
下高井戸パール歯科クリニック・世田谷では、「床矯正」「マウスピース矯正」「セラミック矯正」を取り扱っています。
自分に合ったマウスピース型矯正装置選びにお困りの方は、当クリニックにご相談ください。
また、当クリニックでは、以前に矯正治療をした後に歯並びが戻ってしまった方にも対応しています。
例えば、歯並びが部分的に悪くなってしまった方、もう一度全体的に歯並びを整えたい方など、お気軽にお問い合わせください。