
マウスピース矯正治療で痛みが出る原因と適切な対処法を紹介

マウスピース矯正治療を考えている患者様の中には、痛みに対して不安を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
当記事では、マウスピース矯正治療で起きる痛みと対処法について紹介します。矯正治療の痛みに対する不安を感じている方は、ぜひご一読ください。
マウスピース矯正の痛みの原因

マウスピース矯正で発生する痛みの原因はさまざまです。ここでは、矯正治療で起こりうる痛みの原因についてご紹介します。
マウスピースが舌や歯茎に当たる場合
マウスピースは矯正する歯の形に沿うものですが、マウスピースによっては舌や歯ぐきに当たることがあります。
日常生活において口の中は常に動いている状態であり、会話や食事の際にマウスピースのかかとが口の形に沿わず、痛みを感じることがあります。
もちろん、通常はそれを見越した上で形状を調整しますが、矯正器具の形状によっては、ごくまれに痛みが発生することがあります。
歯が動くと痛みが出る
矯正治療で歯を動かすと、歯槽骨の中で歯根膜が伸びたり縮んだりします。
そのため痛みが出ることがありますが、歯が動き始めたときが一番痛く、通常は時間の経過とともに自然に消失します。
マウスピース矯正の場合、新しいものに交換してから2~3日の間が最も歯が動くので、この時期に痛みを感じることが多いようです。
多くの場合、長くても1週間ほどで痛みは治まります。痛みの程度は個人差が大きく、締め付けられるような痛みを感じる人もいれば、多少の違和感を感じるだけの人もいます。
矯正力を強化するゴムによる痛み
マウスピースの力を強くするゴムを使用すると、歯にかかる力が強くなり、痛みを感じる場合があります。
矯正治療では、効率的に治療を行うためにゴムを組み合わせて使用することがあります。
ゴムを使用することで、より理想的な歯の動きをすることができますが、これまでのマウスピースだけとは異なる圧力をかけるため、痛みや違和感を感じることがあります。
新しいマウスピースに交換する際に感じる痛み
マウスピース矯正治療では、約12週間ごとにマウスピースを交換して、少しずつ歯を動かしていきます。
だんだんと日が経つにつれて慣れて痛みや違和感がなくなっても、新しい矯正器具を挿入するときに再度新たな痛みや違和感を感じることがあります。
ただし、この類の痛みは通常、数日後には治まります。
装着時の痛み
アタッチメントは歯とほぼ同じ色の樹脂でできており、治療後は取り外すことができます。形状、数、位置は、治療部位やその状態に応じて決定します。
アタッチメント自体は歯の表面に装着するため、人によっては口の中に違和感を感じることもありますが、マウスピースが歯を覆うため、通常は問題ありません。
アタッチメントの突起が口の中で引っかかり、口内炎や口の中に傷ができてしまい、痛みを感じることもあります。
また、マウスピースを外すときに、この突起に引っかかって痛みを感じる方もいらっしゃいます。
噛んだり上下の歯がぶつかると痛い
矯正治療中、歯には常に圧力がかかっています。
圧力がかかっている歯は敏感で、硬いものを噛んで衝撃を受けたり、上下の歯が強くぶつかったりすると、普段より痛みや違和感を感じることがあります。
しかし、この痛みは矯正治療が進むにつれて和らいでいきます。
マウスピースを長期間装着しなかった
長期間マウスピースを装着しないことで、歯が元の位置に戻り、合わなくなることがあります。
マウスピースが合わないとフィットせずに浮き上がってしまい、そのまま装着を続けると痛みが出るだけでなく、顎や歯並びを傷つけてしまう危険性があります。
マウスピースの再作成が必要になる場合もあるため、少しでも違和感を感じたら歯科医に相談しましょう。
マウスピース矯正で痛みが出た場合の対処法

マウスピース矯正で痛みを感じたら、まずは歯科医師に相談しましょう。ここでは、自分でできる痛みへの対処法をご紹介します。
食生活を見直す
マウスピースを使った矯正治療など、矯正治療中は歯根の周りの組織である歯根膜が敏感になります。
そのため、通常の食事でも噛むことに負担がかかり、痛みを感じることがあります。歯根膜に負担がかかるからこそ、痛みを感じやすいと認識することが大切です。
矯正治療中に痛みが強くて食事ができない場合は、食事に工夫をする必要があります。あまり噛まずに食べられるような食事が効果的でしょう。
前歯が傷んでいて噛めない場合は、あらかじめ食べやすい大きさにカットしておくことをおすすめします。
また、奥歯で噛むことが難しい場合は、やわらかく煮る、すりおろすなどの調理法を取り入れるとよいでしょう。
マウスピースを一時的に外す
装着を続けながら痛みが和らぐのを待つのがベストですが、どうしても我慢できない場合は、5~10分ほどアライナーを外して休憩してみてください。
ただし、長時間アライナーを外すと歯並びが元に戻ってしまう可能性があります。
どうしても痛みに耐えられない場合を除き、痛みがなくなるまでアライナーの装着を続けるのがベストです。
歯科医に相談し、痛み止めを服用する
場合によっては、歯科医に相談し、痛み止めを服用することも対処法のひとつです。ただし、自己判断で痛み止めを服用することは避けるべきです。
少しの痛みや違和感を感じる程度であれば、数日様子を見てみるのも方法でしょう。口や歯を動かすのが困難で、痛みが止まらない場合のみ、服用するようにしてください。
一つ前のマウスピースに戻す
マウスピースは、歯の動かし方をコンピューターで計算して作られていますが、マウスピースを交換する際に、思ったように歯が動かず、過度の負担がかかることがあります。
そのため、最初のマウスピースを長く使って歯がきちんと動くようにし、次のマウスピースに交換して痛みに対処することもできます。
マウスピースを削る
マウスピースが当たると痛い場合は、歯科医院で調整してもらいましょう。
歯科医院に行くのが難しい場合は、紙やすりや爪やすりでマウスピースの一部を削ってしまう方法もあります。
ただし、削りすぎると変形の原因になりますので、注意してください。わからないことがあれば、歯科医に相談してください。
虫歯や歯周病の適切な治療を受ける
マウスピース自体に原因がない場合、治療を受けている患者様の歯や歯ぐきに問題がある可能性があります。考えられる原因としては、虫歯や歯周病などの口腔内の病気が挙げられます。
これらの病気がある場合は、これらを根本的に改善しない限り、痛みは改善されないため、治療を中止して治療することをおすすめします。
歯や歯ぐきをやさしくマッサージする
治療中に歯や歯ぐきに痛みを感じたら、やさしくマッサージしてみてください。強く押すのではなく、あくまでも指や歯ブラシでソフトにマッサージすることが大切です。
この方法なら、お金や手間をかけずに、手軽に痛みを和らげることができます。
マウスピース矯正で痛みが出たときにやってはいけないこと

ここでは、矯正治療中に痛みが出たときに避けるべき行為を紹介します。
矯正治療中の痛みに耐えられなくなると、ついやってはいけないことを何かをしてしまいがちですが、治療の効果が薄れたり、痛みが強くなったりすることがあります。
痛みが出たときは、次のような行為に気をつけましょう。
勝手にマウスピース装着を中止する
自分の判断で治療途中に器具装着をやめてしまうことがないようにしましょう。そうする場合でも、まずは医師に相談することが大切です。
そうすることで適切な方法で対処してもらえる可能性が高くなるでしょう。マウスピース矯正では、歯が動くことで起こる痛みであれば問題なしとされています。
また、マウスピースを装着しないと、歯が後ろに移動してしまう可能性もあります。
矯正治療が進まない場合でも、歯が後戻りしなければ矯正治療はスムーズに進みますので、勝手にマウスピースを外さないようにしましょう。
余計な刺激を加える
矯正治療中に痛みが出た場合、余計な刺激を加えないようにしましょう。硬いものを噛むと、不安定な歯に余計な負担がかかり、痛みが強くなることがあります。
やわらかく、噛むのに力を必要としない食べ物を選ぶようにしましょう。また、痛みへの対処法として、患部を冷やしたり温めたりすることはおすすめしません。
まず、患部を冷やすと血流が悪くなる可能性があります。そうすると歯の動きにも悪い影響が及び、治療成果に支障をきたす可能性があります。
また、患部を温めることで血流が良くなるため、痛みが増す可能性があります。
そのため、痛みがある場合は、患部を冷やしたり温めたりして刺激を与えることは避けたほうがよいでしょう。
マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べて痛みが少ない?

マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも痛みが少ないと思っている方が多いようですが、要はどちらも同じように持続的に弱い力を歯に加えることになります。
そのため、どちらが痛いかは個人差になります。
マウスピースとワイヤーのどちらで矯正治療を開始しても、初日に違和感や痛みを感じることはよくあり、3日以内には違和感や痛みは引いていきます。
とはいえ、マウスピース矯正のメリットは、マウスピースを取り外すことができることでしょう。
ワイヤー矯正の場合、ブラケットは接着剤で歯の表面にしっかりと固定されているため、取り外すことができません。
一方、マウスピース矯正は、矯正器具を取り外すことができるため、歯列矯正をお休みすることができます。
そのため、ワイヤー矯正よりもマウスピース矯正の方が痛みが少ないと考える方もいらっしゃいます。
痛みに対して強い不安がある場合は、まずは医師に相談し、不安な点や対処法を確認してから治療を開始するようにしましょう。
まとめ
今回は、マウスピース矯正治療に伴う痛みとその対処法についてご紹介しました。
日常生活に支障をきたすほどの痛みを感じる方もいらっしゃると思いますが、対処法を知っておくと、少し気持ちが違ってくるかもしれませんね。
下高井戸パール歯科クリニックでは、マウスピース矯正を取り扱っています。
アソアライナーだけでなく、インビザラインも導入しています。インビザラインは、他のマウスピース矯正システムよりも適応症例の種類が多いのが特徴です。
治療は、現在大学病院に勤務している歯科医師である「インビザライン認定医」が行います。また、無料カウンセリングも行っておりますので、お気軽にご相談ください。