
マウスピース矯正を1日外すとどうなる?治療への影響と装着忘れを防ぐ方法を紹介

マウスピース矯正は、マウスピース型の矯正装置を装着するだけで理想的な歯並びを実現できるため、非常に人気のある矯正治療です。
人気の高い矯正装置ですが、矯正効果を十分に発揮させるためには毎日装着する必要があります。そのため、治療を躊躇してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、マウスピース矯正装置を1日外すと治療にどのような影響があるのか、装着を忘れやすい状況や装着忘れを防ぐ方法について紹介します。
装着時間を守るのが難しい方や、現在マウスピース矯正を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
マウスピース矯正歯科とは

マウスピース矯正は、その名の通りマウスピースを装着して行う治療です。ワイヤー矯正とは異なり、透明なマウスピースを装着して治療を行うため、着脱が自由にできます。
かつての矯正治療は、常にワイヤーを装着するものであったため、敬遠していた方もいらっしゃることでしょう。
それに対してマウスピース矯正は手軽に始められることから、近年人気が高まっている矯正方法です。
17〜22時間以上の装着が必要
マウスピース矯正は以下の2つの理由から、17〜22時間以上と長時間の装着が必要です。
- 長時間力を加えて歯を動かすため
- 歯が元の位置に戻らないようにするため
歯は本来、元の位置に戻ろうとする性質があり、矯正治療中に歯が元の位置に戻ってしまうことを後戻りといいます。
治療中の後戻りを防ぐには、矯正器具を長時間装着する必要があります。
装着時間が足りずにマウスピースが合わなくなった場合は、新たな治療計画が必要となることもあります。
マウスピースの装着を忘れた場合の影響

矯正器具の装着を忘れた場合、歯に悪影響を及ぼす可能性はあります。しかし、その悪影響の程度は「何日マウスピースを装着し忘れたか」によって異なります。
ここでは、1日外した場合の影響と、1週間忘れた場合の影響について解説します。
1日外した場合の影響
矯正治療では、歯を少しずつ正しい位置に移動させますが、1ヶ月の歯の移動量は約0.4~1mmと言われています。したがって、1日の歯の移動量は約0.03mmに過ぎません。
矯正器具を付け忘れて外出したり、夜だけ付け忘れたりしても、1日くらいは問題ないでしょう。この場合、治療計画を1日延長することでカバーできます。
1週間外した場合の影響
1週間という比較的長めの期間マウスピースの装着を忘れると、大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
矯正器具による矯正治療は、長い時間をかけて少しずつ歯並びを整えていくものです。開始時に詳細な治療スケジュールを作成し、そのスケジュールに沿って矯正治療を行います。
そのため、1週間でも装着を忘れると、治療計画全体に支障をきたすことがあります。場合によっては、矯正治療そのものをやり直さなければならないこともあります。
そのため、治療中は矯正器具の装着を忘れないように注意することが大切です。
マウスピース矯正治療の装着を忘れがちな場面

マウスピースを使った矯正治療をできるだけ早く、確実に進めるためには、患者様が毎日途切れることなくマウスピースを装着できるように準備しておくことが大切です。
しかし、どんなに気をつけていても、長時間外したままにしてしまうケースもあり得ることでしょう。
- 面接などで外したまま夜まで気づかない
- イベントに参加する際に外し、一日中付け直すのを忘れてしまう
- 休日のデートで取り外したあと翌日まで気づかなかった
- 食事に行くときに何度も着脱するのが面倒で長時間外したままだった
このように、さまざまな日常生活の場面で矯正器具を外してしまうことがあります。
外したまますっかり忘れていたケース、あるいは数日なら大丈夫だろうとあえて装着しなかったケースもあります。
実際のところ、1日付け忘れたことがあったとしてもそこまで大きな問題にはなりません。しかし、確実に治療を成功させるには、器具をつけ忘れはないに越したことはありません。
だからこそ、「このような状況でつけ忘れることはよくあること」という認識を持って意識することが重要です。
マウスピース矯正器具を外した場合の3つのリスク

前述のようにマウスピースは、食事や歯磨きを除いて、1日17〜22時間以上装着するのが理想的です。
ここでは、装着時間を守らなかった場合に考えられる3つのリスクを紹介します。
歯茎が後退する
矯正治療では、歯を少しずつ理想的な位置に近づけていくため、マウスピースの形状は段階によって異なります。
装着時間を守らずにマウスピースを新しいものに交換すると、段階を飛ばしてしまうので、歯に力が入りやすくなります。その結果、歯の根元が露出することになりかねません。
せっかくの審美矯正も歯茎が後退しては残念な結果になってしまいます。トラブルを避けるためにも、できる限り常にマウスピースを装着しておくようにしましょう。
後戻りの可能性
マウスピースの定期的な装着を忘れると後戻りの可能性があります。
時間が経ってからマウスピースを装着すると、痛みや違和感を感じたり、治療効果が得られない場合があります。
マウスピースを長期間装着し忘れた場合は、まず歯科医師に相談してください。
治療計画の遅れ
マウスピースの装着を頻繁に忘れると、治療計画が大幅に遅れてしまうことがあります。基本的には、1日マウスピースを装着し忘れると、治療計画が1日延びてしまいます。
1日だけなら問題ありませんが、頻繁にマウスピースを装着し忘れる場合は、他の対策をした方がよいでしょう。
マウスピースの装着時間が守れない場合の対処法

ここまで、マウスピース矯正の装着時間を守ることの大切さを紹介してきましたが、どうしても続けて装着しておくのが難しい場合もあるかもしれません。
ここでは、マウスピース矯正の装着時間を守れない場合の対処法について紹介します。
担当医に相談する
すでにマウスピース矯正の装着時間を守れない日が続いている場合、まずは、できるだけ早く医師に相談してください。
歯の動き方によっては、治療計画を立て直す必要があったり、マウスピースを作り直さなければならない場合もあります。
装着時間を守ることが難しい場合は、ワイヤー矯正や裏側矯正など、他の矯正方法を検討する必要があるかもしれません。
マウスピースの交換時期を見直す
マウスピースを1日装着しなくても、歯並びへの影響はほとんどありません。しかし、1週間のうち数日間以上外していた場合、治療に影響が出る可能性があります。
問題を軽減するためには、マウスピースの交換を1日延長することが望ましいです。
長期の装着忘れの場合は装着を避ける
マウスピースの装着を長期間忘れた場合、無理をして装着しようとしてはいけません。
マウスピースの装着を忘れると、歯が元の状態に戻ろうとする「バックスライディング」が起こります。
その結果、本来の歯並びとは大きく異なる歯並びになってしまうので、予定していたマウスピースが本来の歯並びとは異なる歯並びに合わない可能性が高くなります。
また、長期間マウスピースを装着しなかった後にマウスピースを装着すると、痛みが生じることがあります。
これは、マウスピースが逆に歯にフィットしないことが原因と考えられます。
痛みの有無にかかわらず、自分の判断で無理に装着しようとせず、まずは担当医の指示を仰ぐようにしましょう。
マウスピース矯正治療の装着忘れを防ぐためにできること

ここでは、装着忘れを防ぐために自分でできることをいくつかご紹介します。各自それぞれに合った方法で対策していきましょう。
規則正しい生活習慣を保つ
マウスピースは食事や歯磨きの時だけ外すことになるため、装着忘れを防ぐためには、食事や歯磨きの時間をできるだけ決めておくことが有効です。
規則正しい生活習慣の中で、決まった時間に決まった動作を行うことで装着忘れに気づきやすい環境を作り出せることでしょう。
スマホのアラームを利用する
矯正治療を始めてすぐの装着は慣れないので、アラームやリマインダーを設定して装着時間を知らせたり、アプリを使って習慣化するまで管理するのもよいでしょう。
例えば、夕食から就寝までの間に外すことが多く、就寝前に装着することが分かっている場合はリマインダー通知を設定することで、装着し忘れを防止することができます。
また、アプリで設定しておくことで装着や交換を忘れないように対策が可能です。
予備のマウスピースを用意する
前段階で使用していたマウスピースは手元に残しておき、イベントなどで外す時は「スペアマウスピース」としてバッグにいれて携帯することをおすすめします。
マウスピース矯正では、少しずつ動いていく歯に合わせて、少しずつ状態の違うマウスピースをいくつか用意します。
突発的なつけ忘れや外出先で思い出した時でも、装着予定のマウスピースに最も近いマウスピースをスペアとして携帯・装着することで、装着忘れの悪影響を最小限に抑えることができます。
まとめ
マウスピースの装着忘れはできるだけ避けたいところですが、1日程度であればそれほど心配する必要はありません。
しかし、1週間以上も装着を忘れるようであれば、医師に相談する必要があります。また自分でできる対策も合わせて行うようにしましょう。
下高井戸パール歯科クリニック・世田谷では、女性医師による優しい治療を行っています。安心して治療を受けていただけるよう、わかりやすい情報提供を行う体制を整えています。
歯の矯正治療についてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。