マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いを5つの項目で詳しく紹介

マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いを5つの項目で詳しく紹介

マウスピース矯正 ワイヤー矯正

一昔前まで、矯正歯科ではワイヤー矯正が一般的でしたが、最近はマウスピース矯正が人気を集めています。

ワイヤー矯正を中心に治療していた矯正医が、マウスピース型矯正装置を使うケースも増えています。

この2つの矯正治療の違いや、それぞれの治療法が適しているケースについて、情報が必要だと感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、従来のワイヤー矯正とマウスピース矯正の違いについて詳しく解説します。

この記事を読んで、矯正歯科に対する不安を払拭し、ご自身に合った治療を始めるきっかけにしていただければ幸いです。

マウスピース矯正とワイヤー矯正の特徴

マウスピース矯正 ワイヤー矯正

はじめに、それぞれの矯正治療の特徴を解説します。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、ここ10年ほどで確立された治療法です。特にインビザラインは有名です。

歯型を取り、その歯型から歯を動かすように設計された取り外し可能な透明なマウスピースを使って、少しずつ歯を動かしていきます。

マウスピース矯正では、使用するシートごとに動かす歯が異なり、一定期間経過後に自分で新しいマウスピースに交換します。

マウスピース矯正は、見た目が気になりにくく、矯正をしていることに気づきにくいため、近年人気があります。

しかし、すべての歯並びに適しているわけではなく、前後方向の移動が少ないケースに向いています。

特に骨格的な問題(顎変形症や顎の過度な成長など)や、奥歯の前方移動が必要な症例には不向きです。また、抜歯を必要とするような歯の移動が大きい症例は、かなりの期間を要します。

そのような場合、優先順位を考え、そこまでしてマウスピース矯正を選択することが本当に有益なのかどうか、検討することをおすすめします。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯の表面に金属のブラケットを取り付け、そのブラケットに金属のワイヤーを通して歯を動かす矯正方法です。

古くからある方法ですが、ほとんどの症例に対応でき、実績もあるため、現在でも多くの歯科医が採用しています。

歯にブラケットを装着し、ブラケットにワイヤーを通し、ワイヤーの力で歯を少しずつ動かしていきます。マウスピース矯正と違い、ほとんどのケースで使用することができるのも特徴です。

一度装置をつけると、治療が終わるまでつけたままです。装置を外すと歯に力がかからないので、全く同じ歯並びであれば、マウスピース矯正よりも早く歯が動くことになります。

歯列矯正の見た目を気にされる方もいらっしゃいますが、どうしても気になる場合は、歯の裏側に器具を装着する裏側矯正もあります。

ただし、発音障害や違和感、舌の違和感など、実は気になる点も多いのです。また、費用や期間も平均して1.5倍程度かかると言われています。

ワイヤー矯正とマウスピース矯正の違い

マウスピース矯正 ワイヤー矯正

ここでは、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の違いを紹介します。毎日何年も続く治療なので、治療を始めたらどんな変化が起きるのか、イメージしておくことは大切です。

見た目

ワイヤー矯正とマウスピース矯正の最大の違いは、見た目の違いでしょう。歯並びを改善したい方にとって、治療中の見た目の問題は決して小さな問題ではないはずです。

ワイヤー矯正の見た目を気にして矯正治療を避けてきた方にとっては、大きな違いと言えるでしょう。

歯磨き

ワイヤー矯正では、金属の歯列があるため、歯磨きの際に工夫が必要です。

歯列の間には食べかすが残りやすくなりますので、しっかりと磨き残しがないように磨くためには歯間ブラシ等の使用が必要になるでしょう。

一方、マウスピース矯正の場合は、アライナー(矯正装置)を取り外して交換することができるので、今まで通りの歯磨きが可能です。

食事

ワイヤー矯正では、食べられるものが制限されることがあります。例えば、ガムやキャラメル、お餅などの粘着性のある食べ物は、歯列に付着する恐れがあるためNGです。

ニラやネギなどの野菜も歯に挟まりやすいので避ける方が良いでしょう。

また、歯で噛まなければならない硬いパンやイカも、強い力で噛むと歯列が外れる可能性があるのでNGです。

一方、マウスピース矯正の場合は、食事中にアライナーを取り外すことができるので、今まで通り食事を楽しむことができます。

ただし、マウスピースを装着したまま誤って熱いお茶などを飲んでしまうと、マウスピースが変形してしまう可能性があるため、軽い食事の際にはアライナーの取り外しに注意する必要があります。

治療中の痛み

ワイヤー矯正は、月に1回程度、装置を調整するために一定の力を加える必要があるため、多少の痛みは避けられないでしょう。

痛みのピークは、装置を初めて装着した直後と、定期的な調整の直後です。その他、装置が舌や口腔粘膜に接触したときに痛みを感じることがあります。

一方、マウスピース矯正は、1~2週間ごとに新しいマウスピースと交換するため、ワイヤー矯正よりも痛みが少ないです。

痛みは、初めてマウスピースを装着した直後と、新しいマウスピースに交換した直後が強くなります。

いずれも通常、数時間から翌日にはおさまります。また、ワイヤー矯正のように装置が舌や粘膜に触れることによる痛みはありません。

治療期間

マウスピースによる矯正治療は、歯の位置の改善段階に応じて、矯正装置(アライナー)を異なる形状のものに交換することで、歯を少しずつ動かしていきます。

治療に使用するアライナーの数は、患者さんの歯の位置によって異なるため、治療期間も患者さんの歯の位置によって異なります。

動かす歯の本数が少なければ数ヶ月で治療が完了しますが、歯の位置が複雑で動かすのに時間がかかる場合は、2年以上かかることもあります。

ワイヤー矯正でも、患者さんの歯の位置によって治療期間に差が出ます。矯正器具は歯の裏側に装着するため、歯並びの凸凹が激しいと治療期間が長くなることがあります。

それぞれの治療法が適しているケースとは?

マウスピース矯正 ワイヤー矯正

ここでは、どの治療法が自分に合っているのかを知りたいという方に向けて、それぞれの治療法が適しているケースについて解説します。

マウスピース矯正が適しているケース

無色透明の矯正装置を使用するマウスピース矯正は、目立たない矯正方法として人気があります。

マウスピースは歯磨きや食事の際に取り外すことができるので、生活習慣を大きく変えることはありません。

ただし、外した後にマウスピースを戻すことを忘れない、紛失しないように注意するなどの自己管理は必要です。

また、金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも安心して矯正治療を利用できます。

ワイヤー矯正が適しているケース

ワイヤー矯正は見た目は目立ちますが、結果的に矯正治療が早期に終了する可能性があります。また、以下のようなケースは、マウスピースだけでは治療が困難とされています。

  • マウスピース矯正が適応できない歯並びの状態
  • マウスピース矯正だけでは、治療期間が長すぎる
  • 全顎治療では、抜歯を含む大きな歯の移動が必要
  • すべての歯と噛み合わせを徹底的に矯正したい

例え可能であっても、治療期間や費用がかかりすぎる場合があります。

適切な治療のためには、マウスピース矯正を希望されても、ワイヤー矯正やワイヤー矯正とマウスピース矯正の併用を勧められることがあります。

また、ワイヤー矯正は、着脱の手間や紛失の心配が苦手な方にもおすすめです。

ワイヤー矯正とマウスピース矯正の両方を使用するケース

それぞれの矯正装置を比較すると、ワイヤー矯正の方が適応範囲がやや広くなっています。

とはいえ、マウスピース矯正だけでは治療が難しい症例でも、ワイヤー矯正と併用することで最良の結果を得ることが可能です。

両矯正装置を併用するメリットは以下の通りです。

  • 適用症例の幅が広がる
  • ワイヤー矯正の装着期間を短くなる
  • マウスピース型矯正装置とワイヤー矯正の両方の長所を生かすことができる

基本的には、ワイヤー矯正で歯を動かし、マウスピース矯正で仕上げるのが一般的です。

しかし、ワイヤー矯正を避けて、マウスピース型矯正装置を希望される方も多くいらっしゃいます。

そのため、ワイヤー矯正の期間がどの程度になりそうか、併用することでどの程度の相乗効果が期待できるのか、担当医とよく相談した上で決めるとよいでしょう。

まとめ

マウスピース矯正とワイヤー矯正の両方の特徴から、おすすめできる方とそうでない方に分かれます。ただし、マウスピース矯正を希望していても、歯の状態によってはできない場合もあります。

マウスピース矯正とワイヤー矯正のどちらを好むかは、様々な角度から検討する必要があります。そのため、まずはカウンセリングを受け、ご自身の歯並びを診てもらうとよいでしょう。

世田谷・下高井戸パール歯科では、歯並びが気になる方のために矯正治療を行っています。患者さんの気持ちを理解し、状況を想像し共感することで、納得のいく治療を提供します。

治療前には、治療内容を十分に説明し、歯並びが悪くなった原因を患者さんにお伝えすることを大切にしています。

また、当院では複数の医師が在籍しており、指名制を採用しているのも特徴です。

個室の診察室やカウンセリングルームもありますので、矯正治療について不安や疑問がある方は、ぜひ当院にご相談ください。