〜入れ歯を入れたロバ、一文字号〜 『若林、太子堂で歯科をお探しならパール歯科クリニック』

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<img alt="DSCF3072.jpg" src="DSCF3072.jpg” width=”151″ height=”200″ style=”” /> <img alt="ロバ.jpg" src="roba.jpg” width=”174″ height=”200″ style=”” />
皆さん右と左のロバでは何が違うかおわかりになるでしょうか?
実は左のロバ入れ歯を入れています。それもゴールドの金属床((((;゚Д゚))))。
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今から約50年前、上野動物園に『一文字号』と言うロバがやってきました。
一文字号は昭和14年(1939年)日中戦争のさなか、中国の一文字山にちなんで
一文字号と名づけられ、物資輸送で活躍していました。
年老いたため、老後は安らかに過ごさせようと、昭和16年(1941年)に上野動物園に
寄贈されました。
動物園では子供たちを乗せた馬車を引き人気を集めていましたが、昭和37年(1962年)
一文字号が27歳(人間で言うと90歳近い老齢)のある日、ポップコーンをのどに詰まらせ、
死にそうになりました。歯が悪かったことがポップコーンをのどに詰まらせた原因でした。
普通ロバは牡40本、牝38本の歯があります。一文字号はオスですが、この時すでに
上下の前歯16本のうち2本だけがあるだけでそのほかの前歯は根しかありません。
奥歯は幸いにも24本残っていましたがだいぶ磨り減った状態でした。
動物園の人たちは、何とか一文字号にもう一度噛めるようにしてあげたいと思いました。
「ロバの入れ歯を作ってほしい」と東京中の歯医者、歯科大学に問い合わせをしましたが、
なかなか見つかりません。
「それでは・・・」と手を挙げたのが東京医科歯科大学助教授で
青山に開業していた故石上健次先生、後に昭和天皇の御殿医になられた名医でした。
石上先生は、最初一文字号を診察した際、様々な不安を持ちました。
 「一度檻に入れて歯を削つたりすると、次には絶対に檻に近づかない。
このような状態を繰返し何回も口の中を触れることが出来るかどうか、
また例え義歯が出来ても、義歯のような異物をおとなしく口に入れているかどうか?」
「残存歯の位置からみて,片側遊離端義歯となり,設計上もつとも不安定な義歯になる。」
「顎が大きく特別のトレーを作らなければならないが、アルギン酸印象材の凝固時間中
静かにしているかどうか?」
「印象採得が成功したとしても,上下顎の咬合採得に中心咬合が取れるかどうか?」
などなど様々な不安を抱えていました。
そんな不安を抱えながらもロバの義歯作りに没頭しました。
約2ヶ月半程かかりましたが、入れ歯が出来上がりました。
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一文字号に入れ歯をいれた時のことを、石上先生はこう述べています。
「多くの期待と興味の中で義歯の装着を行つた。驚いたことに人の場合では新しい義歯を
装着したら暫く馴れるまで、固い物は食べられないことが多いが、一文字号は義歯装着後、
約15分で子供達の差出した青草をばりばり食べて見物人を喜こばせた。
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入れ歯を着ける前  食事…豆乳かゆ、1/3残
              気力…草を噛み切る意欲なし
              体の変化…腹部にたるみあり
              馬糞…牛糞のようにグシャグシャ
入れ歯を着けた後  食事…固形混合食、豆乳なし
              気力…隣の羊を噛みつく、草を噛み切る
              体の変化…腹部のたるみがなくなり、しまってきた。
              馬糞…固形糞にかわりコロコロ
噛めることは生きる喜びなのだと実感させられました。
石上先生は最後にこう述べています。
 『ロバの義歯製作は初てであり,成功の見通しについては、はなはだ疑問であつたが、
多くの方々の御声援と御協力を得て”やつてみよう”と言う決心に踏切つたのが
よかったと思う。』
やってみよう!という気持ち、みなさんも大切に。
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