インプラントのデメリット・メリットとは?注意点も合わせて解説

インプラント デメリット

インプラントは天然歯と同じような感覚の歯を手に入れられる治療方法です。

「インプラントのデメリットが気になる」「インプラントのリスクを知っておきたい」などの悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、インプラントのメリット・デメリットや注意点について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

インプラントのデメリットは?

インプラント デメリット

インプラントには治療費の高さや治療期間などいくつかのデメリットがあります。

ここではインプラントのデメリットを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

保険適用外で治療費が高額

インプラントは一般的な歯科治療と比較して治療費が高額になる点がデメリットです。

インプラントは保険適用外の自費治療となるため、治療全体で数十万円以上の費用がかかります。

またインプラント治療後のメンテナンス費用も考慮に入れなければならず、治療を始める前に全体的な費用を把握しておくことが重要です。

治療後のメンテナンスが欠かせない

インプラント治療後は、インプラントの定着状態や、かぶせ物の状態と噛み合わせを確認するための定期的なメンテナンスが不可欠です。

3ヶ月に1度ほどの頻度のメンテナンスは、インプラントの長期的な健康維持には欠かせません。

外科手術が必要

インプラント治療を受けるためには、顎の骨にインプラントを埋め込む外科手術が必須です。

この手術は麻酔を使用して痛みを軽減しながら行われますが、体への負担は避けられません。

特に持病がある方や妊娠している方は、事前相談が必要になるでしょう。

治療期間が長い

インプラントはその特性上、治療期間が通常の歯科治療に比べて長くなる傾向があります。

手術でインプラントを埋め込んだ後、骨と結合するまでに時間が必要なためです。

結合期間だけで2ヶ月程度、全体の治療期間としては数回の通院が必要になることもあり、場合によっては半年以上かかることもあります。

感染症のリスクがある

インプラント治療では、インプラント歯周炎などの感染症のリスクも伴います。

この病気は進行するとインプラントを喪失するリスクもあり、感染予防として定期的なメンテナンスが必須となります。

治療を受けるクリニック選びにおいても、感染予防対策がしっかりと行われているかどうかを確認することが大切です。

インプラントのメリットは?

インプラント デメリット

インプラントは、自分と歯と同じように咀嚼できるようになるメリットがあります。

他にもメリットがいくつかあるので、チェックしてみましょう。

自分の歯と同じように咀嚼できる

多くの人が歯を失った後に直面する問題の一つが、食事の際の不便さです。

入れ歯やブリッジを使うと、しっかり咀嚼できなかったり、食べ物が挟まったりすることがあります。

インプラントは顎の骨に埋め込むため、自分の歯で噛む時と同じ力でしっかりと食べ物を咀嚼できるようになります。

このようにインプラントは食事の質を向上させ、日常生活における満足感を高めるメリットがあるのです。

天然歯と区別がつかないほど綺麗に仕上げられる

インプラントは天然歯と区別がつかないほど綺麗に仕上げられるメリットがあります。

使用される材料は天然の歯に非常に似ており、自然な色合いで仕上げられます。入れ歯の金属が気になる方や、自然に近い歯を手に入れたい方におすすめです。

丈夫で長持ちする

インプラントの素材として主に使用されるチタンは、非常に強度が高く耐久性があります。

適切なケアと定期的なメンテナンスを行うことで、10年以上の長期間にわたり使用することが可能です。

自費治療のため治療費用は高額になるものの、長期的に見れば経済的にもメリットがあるといえます。

周りの歯に負担をかけない

従来のブリッジや入れ歯の場合、隣接する健康な歯に影響を与えたり、負担をかけたりするリスクがあります。

インプラントは残っている歯に悪影響を及ぼすことなく、一部の歯だけを対象に施術できます。

その結果、全体の歯の健康を維持しながら治療を受けることができるのです。

骨が痩せるのを防げる

歯を失うと、歯根がなくなることで骨に刺激が伝わらなくなり、その部分の骨が徐々に痩せてしまいます。

しかしインプラントを使用すると、チタン製のインプラント体が骨と結合し、自然な歯のように骨に刺激を与え続けることができます。

これにより骨が痩せるのを防ぐことが可能です。

インプラント治療で考えられるリスク

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ここではインプラント治療で考えられるリスクについて詳しく解説します。

顎の骨とうまく結合しない

インプラントが顎の骨としっかりと結合することで、治療成功となります。

しかし時にはこの結合がうまくいかない場合があるのです。

その原因として、初期固定不足、骨幅や骨密度の不十分さ、適切な免荷期間(インプラント体と顎骨が結合するまでの期間)の設定ミスなどが挙げられます。

これらの問題が生じると、インプラントが抜けてしまう可能性が高まります。

神経の損傷

インプラントを埋め込む際のリスクの一つが、神経の損傷です。

インプラントの手術では骨に穴を開けますが、このときに神経や血管を傷つけてしまうと、顔の一部に麻痺が起こったり、味覚が変わったりするリスクがあります。

このようなミスを防ぐためには、事前のCT撮影や解析ソフトによる細かな審査診断が非常に重要です。

腫れや内出血が引かない

インプラント手術は外科手術のため、術後に腫れや内出血が見られることは珍しくありません。

この状態は通常、手術後3日目にピークに達し、その後は徐々に改善していくことが一般的です。

しかし腫れが長引いたり、内出血がなかなか引かない場合もあります。これは個人の体質や術後のケアにも左右されるため注意が必要です。

気になることがあれば事前のカウンセリングで伝えておき、術後に腫れや出血で困った場合はすぐに治療を受けた歯科クリニックに相談しましょう。

インプラント治療後に起こり得るトラブル

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インプラント治療後に適切なケアが行われない場合、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。

ここではインプラント治療後に起こり得るトラブルについて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

インプラントがカタつく

治療後にインプラントがカタつくことがあります。

これは主に、インプラントの上部構造が適切に固定されていないことが原因です。

インプラント上部構造の装着方法にはセメントリテイン(セメントで固定するタイプ)とスクリューリテイン(ネジで固定するタイプ)の2種類があり、それぞれトラブルの原因と対策が異なります。

問題発生時には速やかに対処することが重要で、放置するとネジの曲がりやインプラント内部構造の傷みが進行し、修復が困難になることもあります。

そのため、インプラントがカタついたときはなるべく早く相談することが大切です。

上部構造物が欠ける

インプラント治療後、上部構造物が欠けてしまう場合があります。

このリスクは見た目の悪化だけでなく、噛み合わせの不具合や舌を傷つけるなどの問題を引き起こします。

トラブル発生時は早急に対処する必要があるため、すぐに医師に相談しましょう。

インプラント周囲粘膜炎

インプラント周囲炎の初期段階として、インプラント周囲粘膜炎と呼ばれる状態になる場合があります。

インプラント周りの歯茎の炎症が主な症状で、適切なケアを怠ることが直接的な要因となることが多いです。

この段階ではまだ骨の破壊は起きていないため、早めに対処することが重要です。

放置すると状態は悪化し、より深刻な問題へと発展する恐れがあります。

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎は、インプラント周囲粘膜炎が進行し、骨吸収が見られるようになった状態です。

この段階になると炎症反応が骨に影響を及ぼし始め、放置することでインプラントの支持が弱まり、最悪の場合インプラントの除去や脱落につながります。

歯茎が黒く見えたり、長くなったりする症状が見られることもあり、これらは歯茎が薄くなっている証拠です。

上記のようなトラブルが発生したら、すぐに医師に相談することをおすすめします。

インプラントをおすすめできない人の特徴は?

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インプラントは、天然の歯に近い噛み心地が得られる、見た目が美しいなどのメリットがありますが、すべての人に適しているわけではありません。

特に生活習慣や健康状態によっては、治療を避けたほうが良い場合もあります。

インプラント治療とは相性が悪い人の特徴を理解することで、不要なリスクや後悔を避けることが可能となります。

  • 禁煙が難しい方
  • 強い食いしばりや歯ぎしりの習慣がある方
  • 日常的なオーラルケアを怠る方
  • 骨密度が低い方、骨粗しょう症を患っている方
  • 血糖値のコントロールが難しい糖尿病患者の方
  • 歯科医師の指示に従うことが難しい方

上記に当てはまる人は、失敗やインプラント周囲炎になるリスクが高まる可能性があります。

特に、喫煙はインプラント治療の結果にかかわる要素です。

喫煙は歯肉の健康を損ね、治療部位の回復を遅らせるため、最低でも手術後1週間は禁煙しなくてはいけません。インプラントを考えているのであれば、禁煙が望ましいでしょう。

また適切なプラークコントロールを行わない場合、インプラント周囲炎などの合併症を引き起こすリスクが増えます。

治療前に歯科医師と相談し、インプラントが自分にとって適した選択肢であるかを見極めることが重要です。

まとめ

インプラントは、本物の歯のような美しい見た目や噛み心地が得られる治療法です。ブリッジや入れ歯のように他の歯を傷つけないこともメリットです。

しかし、インプラントにはデメリットやリスクもあり、健康な状態を維持するためには治療後の適切なケアが欠かせません。

インプラントが自分に合った治療方法であるか不安な場合は、まずは歯科医師に相談してみましょう。

下高井戸パール歯科クリニックでは、大学病院に勤務している歯科医師、専門クリニックで技術を取得してきた歯科医師による相談と治療を提供しています。

ぜひお気軽にご相談ください。