インプラントの治療期間の目安は?通院回数や治療の流れも解説

インプラント 期間

歯を失った部分に人工歯根を埋入して歯を補うインプラント治療。

インプラント治療を検討している方の中には、治療期間がどのくらい必要なのか気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、インプラントの治療期間の目安を解説します。通院回数や治療の流れも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

インプラントの治療期間は3か月~1年程度が目安

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インプラント治療の過程は一般的な虫歯治療とは異なり、人工歯根を顎骨に埋め込んでから人工歯を装着するまでにいくつかの段階を要します。

この治療全体で最短で3か月、長いと1年程度の時間を要することが一般的です。

治療期間の長さに差があるのは、口腔内の健康状態や顎の骨の状態の影響を受けるためです。

口腔内の状況によって、速やかに人工歯を装着できるケースもあれば、より長い期間が必要になるケースもあり、個々人で違いがあります。

口腔内の健康状態によって治療期間に差が出る

インプラント治療において、口腔内の健康状態は治療期間に大きく影響します。

具体的には、顎の骨の状態や歯ぐきの健康度などが関わってくるのです。

骨が健康で歯ぐきも問題ない場合、手術に移行できるのが早く、人工歯根と骨の結合もスムーズに進みます。

一方で、歯周病の影響を受けていたり顎骨が不十分であったりすると、骨造成手術や歯ぐきの治療が先に必要になる場合があります。

こういった状態の場合、人工歯根が骨にしっかりと結合するまでの時間も長くなる傾向にあります。

口腔内の状態によって、インプラント治療前の準備段階や、全体の治療期間が変動するのです。

通院回数は3~15回程度

インプラント治療の通院回数は、手術方法によっても変わりますが、一般的に3回から15回程度とされています。

初診でのカウンセリングや検査、人工歯根の埋入手術、その後のチェックと調整、最終的な人工歯の装着まで、それぞれの段階で通院が必要です。

また口腔内の状態によっては、さらに数回の治療や調整が必要になることもあります。

健康な口腔状態の人であれば、比較的少ない通院回数で済むこともありますが、一部の処置により多くの時間を要する場合もあるので、患者一人ひとりの状態によって通院回数に幅があります。

インプラント治療の流れ

インプラント 期間

インプラント治療の流れを解説します。インプラント治療を検討している方はチェックしておきましょう。

治療計画・精密検査

インプラント治療を開始する前に、治療計画の立案と精密検査を行います。

この段階では、口腔内のチェックやCT撮影を含むさまざまな検査を通じて、顎の骨の状況や健康状態を詳細に評価します。

この情報を元に、適した治療法や治療期間、費用について話し合い、患者さんの合意を得た上で治療を開始します。

事前治療

事前治療は、人工歯根の埋入手術を行うための準備段階です。

口腔内が手術を受けるのに適していない場合、事前に歯周病の治療や骨の量を増やすための人工骨の埋入などの治療が必要になります。

これらの事前治療を行うことで、インプラント治療の成功率を高めることが可能です。

人によってはこの段階を必要としない場合もありますが、歯周病や顎の骨の状態によっては必要なプロセスとなります。

人工歯根埋入手術

人工歯根埋入手術はインプラント治療の重要なプロセスです。この段階で顎の骨に穴を開けて人工歯根を埋め込みます。

手術方法には1回法と2回法があり、患者の口腔内の状況や治療に対するニーズに応じて適した方法が選択されます。

インプラントの定着

インプラントの定着期間は、人工歯根と顎の骨がしっかりと結合するために必要な時間です。

1回法の場合は約3ヶ月、2回法の場合は約3〜6か月の定着期間を設けます。

定着期間は患者の体質や治療状況によって異なりますが、この時間をしっかりと確保することで、インプラント治療の成功率を向上させることができます。

人工歯のセット

最終段階として、インプラントの土台が安定した後に人工歯をセットします。

噛み合わせの確認と調整を行いながら、人工歯をアバットメントに連結します。

正確に装着することで、自然な見た目と機能を持つ人工歯を完成させることが可能です。

インプラント治療が長期間に渡る理由

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インプラントはほかの歯科治療と比べて、治療が長期間に渡ります。

ここではなぜインプラント治療に時間がかかるのか解説するので、ぜひ参考にしてください。

インプラント体と骨が結合するために期間が必要

インプラント治療において最も時間を要するプロセスの一つが、インプラント体が顎の骨にしっかりと結合するのを待つ過程です。

これは骨結合と呼ばれ、インプラント体が歯の根の役割を果たし、機能する基盤を作り出す過程となります。

このプロセスには通常3ヶ月から6ヶ月程度かかることが一般的で、この期間は個人の骨質や健康状態によって前後します。

骨とインプラント体がしっかりと結合することで、長持ちする安定したインプラントが完成するため、この過程は非常に重要です。

歯を抜いた後に傷口が治ってから手術を行うため

抜歯をしてからインプラント手術を行う場合、歯を抜いた後、傷口が完全に治るまで待つ必要があります

歯を失った部位の骨と組織は、インプラント手術を行う前に十分な回復が必要です。この回復期間は一般的に数ヶ月を要するため、その分、インプラント治療期間が長くなります。

骨が少ない場合は骨造成手術が必要になる

インプラント治療を行うにあたって、顎の骨が十分な厚さや幅を持っていないケースでは、骨造成手術が必要となります。

インプラントを支えるためには十分な骨質が求められるため、骨の状態によってはこの手術で骨の量を増やす必要があるのです。

骨造成手術には、患者本人の骨を採取する方法や人工骨を使用する方法などがあり、骨が新しく形成されるまでの期間が数ヶ月に及ぶことがあります。

インプラントの治療期間が長引くケース

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インプラントは通常3か月~1年程度の期間を要する治療方法ですが、場合によっては予想よりも治療期間が長引くケースがあります。

インプラント治療を検討している場合は、余裕を持ったスケジュールで考えておくのがおすすめです。

ここではインプラントの治療期間が長引いてしまうケースをチェックしましょう。

骨造成や歯肉移植手術が必要になった

インプラントを成功させるためには、しっかりとした土台となる顎の骨が必要です。

前述の通り、顎の骨が少ないまたは厚みが不足している場合は骨造成手術によって骨を増やす必要があります。

また、歯肉もインプラント治療において重要な役割を果たし、十分な量が必要不可欠です。

歯肉が少ない場合には、歯肉移植手術が行われます。

これらの追加手術が必要になると、骨造成では3〜6か月、歯肉移植では2週間程度の追加の治療期間が必要となるため、全体の治療期間が長引くことになるのです。

手術部位が感染した

インプラント治療では、人工歯根を埋め込むために歯茎を切開する必要があります。

この切開部が細菌に感染してしまうと、インプラントと顎の骨が正しく結合できなくなる恐れがあります。

治療の進行を確認するためには結合状態が重要で、感染による結合不良は治療期間の延長につながります。

喫煙で傷口の治癒が遅れる

喫煙は傷口の治癒過程に悪影響を及ぼします。

タバコに含まれるニコチンが血管を収縮させることにより、傷口に必要な血液の流れと栄養の供給が妨げられ、治癒が遅くなるのです。

治癒の遅れはインプラントの固定化が遅れる原因ともなり、結果的に治療期間の延長につながります。

したがってインプラント治療を受ける際には、治療期間中の禁煙が強く推奨されます

糖尿病などの持病がある

糖尿病は免疫力や治癒能力を低下させるため、インプラント周囲の感染リスクを高め、骨との結合を遅らせることがあります。

糖尿病の方がインプラント治療を受ける際は、血糖値を適切に管理しながら治療に臨むことが求められます。医師と事前にしっかり話し合い、治療を進めていくことが大切です。

インプラント治療後はメンテナンスが重要

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インプラント自体の寿命は平均して10〜15年とされていますが、口腔内の環境を適切に管理し、メンテナンスを怠らなければ、20年以上その機能を維持することも可能です。

重要なのは、インプラントだけでなく、周囲の歯や歯茎も健康に保つこと。そのためには日々の手入れはもちろん、定期健診を受けることが大切です。

歯科医院でのケアを通じて、早期に問題を発見して適切な処置を行うことで、インプラントを長く快適に使い続けられます。

またインプラントのメンテナンスを怠ると、歯垢の蓄積が原因でインプラント周囲炎などのトラブルを引き起こしやすくなります。

この炎症は最悪の場合、インプラントの損失につながる恐れがあるという恐ろしいものです。

しかし歯周病やインプラント周囲炎は初期にはほとんど自覚症状がないため、自分では気付くことが難しい問題があります。

専門の歯科医師によるチェックを受けることで、トラブルを早期に発見・治療することが可能です。

適切なメンテナンスによって、インプラントはただ長持ちするだけでなく、口腔内全体の健康を維持できます。

インプラント治療後は医師の指導のもと、適切なメンテナンスを欠かさずに行いましょう。

まとめ

インプラント治療は一般的に3か月から1年ほどかかり、その期間や通院回数は口腔内の健康状態に左右されます。

治療は計画立案から人工歯のセットまで複数のステップを経て行われ、骨とインプラントの結合を待つ時間が必要です。

また骨量が不足している場合は事前に骨を増やす手術が求められることもあり、これが治療期間の延長を招く場合もあります。

さらに喫煙や糖尿病などの健康状態が影響することもあるため、患者のライフスタイルや全身の健康状態も治療計画に大きく関わってきます。

下高井戸パール歯科クリニックでは、インプラントに関する初診個別相談を無料で承っています。

インプラントについて気になること、わからないことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。