口は菌やゴミなど毒の入口になることについて

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通常、歯ぐきは貝柱のような組織で、歯の表面にしっかり付着しています。
しかし、歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケット)に悪玉菌のバイオフィルムができると、炎症が起きて歯周ポケットが深くなってしまいます。

歯周ポケットの内側には、歯周病菌やその毒素が付着しており、傷ついた歯ぐきからこれらが24時間血液中に入り込みます。
さらに、歯の根の治療後に残った病巣からも、歯周病菌やLPS(内毒素)が血液に混入し、「病原性菌血症」と呼ばれる状態を引き起こすことがあります。

こうした菌や毒素が血流に乗って全身を巡ると、他の臓器にも悪影響を及ぼします。たとえば、歯周病がある方の首の血管には、こぶや石灰化が見られることが多く、これは歯周病菌やLPSが血管内皮に付着し、免疫細胞(マクロファージ)が集まることで血管が腫れ、動脈硬化の原因となっているのです。

噛むと痛い、歯の根元が腫れる、歯ぐきの状態が悪いと感じる方は、放置せず早めの治療をおすすめします。

気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

引用:50歳から老けない人の歯の習慣
著作:武内博郎
下高井戸パール歯科クリニック・世田谷
大原庸子