若い人で入れ歯の人はいる?|入れ歯になる原因と歯を失ったまま放置するリスクを解説

入れ歯 若い人

「若い人で入れ歯をしている人はいるの?」

20〜40代で入れ歯を検討している方の中には、このような疑問を抱えている方もいるでしょう。

20代〜40代でも総入れ歯や部分入れ歯を使用している方は、決して珍しくありません。

この記事では、「若い人で入れ歯を使っている人はいるのか?」「なぜ若くして入れ歯が必要になるのか?」といった疑問にお答えします。

さらに記事の後半では、歯を失ったまま放置するリスクや主な治療法についても詳しく解説していきます。

若い人で総入れ歯・部分入れ歯の人はいる?

入れ歯 若い人

結論から述べると、20〜40代といった若い世代でも、総入れ歯や部分入れ歯を使用している方はいます

入れ歯というと「高齢の方がするもの」というイメージがあるかもしれませんが、若い方でも虫歯や事故、怪我などで歯を失ってしまい、入れ歯を選択するケースもあります。

若い人が入れ歯に抵抗を感じる理由

入れ歯 若い人

先ほど述べたように、若い世代でも入れ歯を使用している方は一定数います。しかしながら、若い人の多くが入れ歯に対して抵抗を感じているのも事実です。

その主な理由としては、以下のような点が挙げられます。

  • 周囲に入れ歯をバレたくない
  • 口腔内の違和感が気になる

ここでは、それぞれの理由について詳しく解説していきます。

周囲に入れ歯をバレたくない

一般的には入れ歯=高齢者という認識があることから、「周囲に入れ歯をバレたくない」という若い方は多くいます。

しかし、近年では歯科技術の進歩により、自然で目立たない入れ歯も増えています。

さらに、歯科医師と相談しながらクラスプ(留め具)の配置を工夫したり、見える部分のデザインを調整したりすれば、見た目の不安を軽減することも可能です。

口腔内の違和感が気になる

初めて入れ歯を使用する場合、多くの方が口の中に異物感を覚えます。しかし、通常は数日から数週間ほどで徐々に慣れていくケースがほとんどです。

また、柔らかい素材を使用した入れ歯を選ぶことで、装着時の違和感をさらに軽減できます。

若い人が入れ歯になる原因

入れ歯 若い人

若い人に入れ歯が必要になるのには、主に次のような理由があります。

  • 虫歯・歯周病
  • 転倒や事故による歯の損傷

それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。

虫歯・歯周病

虫歯や歯周病の重症化は、若い人が歯を失う最も大きな原因の一つです。

食生活の乱れや不十分な歯磨き、ストレスの影響などにより、若年層でも虫歯や歯周病が進行するケースが増えています。

特に注意すべきなのは、虫歯や歯周病は初期段階では自覚症状がほとんどないという点です。

気づいたときにはすでに重症化しており、治療による回復が難しくなっているケースも少なくありません。

重度の歯周病では歯が自然に抜け落ちることもあり、虫歯の場合も神経まで炎症が及ぶと抜歯が必要になり、結果として入れ歯を選択せざるを得ない状況に陥るケースがあります。

転倒や事故による歯の損傷

スポーツや交通事故、転倒などによって、前歯や奥歯を破損・脱落し、入れ歯が必要になるケースも少なくありません。

ただし、前提として「転倒や事故で歯を損傷した=必ず入れ歯になる」というわけではありません。

しかし、治療で歯の修復が困難なほど損傷している場合や、感染症のリスクが高い場合は、やむを得ず抜歯するケースもあります。

歯を失ったまま放置するリスク

入れ歯 若い人

「若いうちに入れ歯は嫌だ」「失ったのは1本だけだから困らない」と思い、歯を失ったまま放置する方もいるでしょう。

しかし、歯の欠損を放置すると、以下の4つのリスクがあります。

  • 歯並びが悪くなる
  • 残っている歯に負担がかかる
  • 滑舌が悪くなる

それぞれのリスクを解説します。

歯並びが悪くなる

歯は互いに支え合い、適切な位置関係を保っています。

歯を失ったまま放置していると、空いたスペースに周囲の歯が倒れ込み、歯並びや噛み合わせが崩れる原因となります。

噛み合わせが乱れると見た目に影響が出るだけではなく、食べ物が歯の間に詰まりやすくなったり、発音がしにくくなったりとさまざまな問題を引き起こします。

残っている歯に負担がかかる

私たちは食事の際、噛む力をすべての歯でバランスよく分散しています。しかし、1本でも歯を失うと、その分の負担が周囲の歯に集中してしまいます

その結果、片側の歯や顎関節に過度な力がかかり、疲労や痛みを引き起こすだけでなく、周囲の歯を傷めてしまう可能性があります。

このような状態が続くと、さらに多くの歯を失うリスクにもつながるため、早期の対処が重要です。

滑舌が悪くなる

歯を失うと、発音や会話に影響を及ぼすことがあります。特に前歯を欠損した場合は、サ行やタ行などの発音に大きく影響します。

滑舌が悪くなると、仕事や日常会話において自信を失いやすくなり、人とのコミュニケーションに消極的になってしまうことも少なくありません。

さらに、口腔内の筋肉のバランスが崩れ、表情や咀嚼にも悪影響を及ぼす可能性もあります。

歯を失ったときの治療方法

入れ歯 若い人

若い人の中には入れ歯に抵抗を感じる方も多くいますが、歯の欠損を放置すると、機能面や見た目に深刻な影響が及ぶ可能性があります。

そのため、歯を失った場合は、できるだけ早く治療を受けることが重要です。

ここでは、歯を失ったときの治療方法である以下の3つを紹介します。

  • 入れ歯
  • インプラント
  • ブリッジ

それぞれのメリット、デメリットを見ていきましょう。

入れ歯

入れ歯は人工の歯を用いた取り外し可能な装置です。具体的なメリットとデメリットは以下の通りです。

入れ歯のメリット入れ歯のデメリット
・保険適用の入れ歯は費用を抑えられる・治療期間が比較的短い・中には目立たないものもある・歯を数本失っても対応できる・食べかすが挟まりやすい・硬いものが食べにくい・バネや金属が見えて見た目に影響が出る・お手入れをする必要がある

入れ歯の最大のメリットは、保険適用が可能で治療費を抑えられる点です。

見た目の問題やお手入れの手間はあるものの、費用の安さや治療期間の短さは入れ歯ならではのメリットです。

ただし、入れ歯を入れる場所によっては見た目が気になることもあります。

若い方で審美性を重視してバネが目立たないノンクラスプデンチャーや、見た目に配慮された入れ歯を検討する場合は、自費診療となり費用が高くなります。

インプラント

インプラントとは、顎の骨に人工歯根を埋め込む固定式の治療です。

インプラントのメリットインプラントのデメリット
・天然歯と同等の機能性・審美性・メンテナンスをすれば20年以上使用できるケースもある・別の歯にほとんど負担がかからない・保険適用外で治療費用が高額・治療期間が長い・感染症のリスクがある・定期的なメンテナンスが必要

インプラントは、天然歯に近い機能性と審美性が特徴です。

また、入れ歯やブリッジとは違い、他の歯にほとんど負担をかけません。

デメリットとしては、費用が高額になることや、治療期間が長く3ヵ月から1年程度かかることが挙げられます。

インプラント歯周炎のリスクもあり、定期的なメンテナンスが必要です。

ブリッジ

ブリッジとは、両隣の歯を削って橋のように人工歯を固定する方法です。

ブリッジのメリットブリッジのデメリット
・治療後の違和感が抑えられる・固定されるためガタつく心配がない・保険適用できるケースもある・素材によってはブリッジだと気付かれにくい・健康な歯を削る必要がある・虫歯・歯周病のリスクが高くなる

ブリッジは固定式のため、治療後の違和感が少ないのが魅力です。

条件次第で保険適用になることもあり、素材によってはブリッジだと気付かれにくく仕上がります。

一方で、健康な歯を削る必要があり、歯の寿命を縮めてしまうことになります。

さらに土台となる歯のセルフケアが難しく、虫歯・歯周病のリスクが高まるデメリットもあります。

若い人が入れ歯にするメリット

若い人に抵抗を持たれがちな入れ歯ですが、メリットもあります。

具体的なメリットは、以下の3つです。

  • 治療期間が短い
  • 費用を抑えられる
  • ほうれい線が目立ちにくい

それぞれのメリットを見ていきましょう。

治療期間が短い

入れ歯は、他の治療方法と比較して治療期間が1ヶ月程度と短く、費用を抑えられる点が大きな特徴です。

インプラントのような外科手術が不要で、型取りから装着までの流れがスムーズに進めば、数週間で使用を開始できます。

仕事や学業で忙しい若い方にとって、短期間で完了するのは大きなメリットです。

費用を抑えられる

保険適用の入れ歯の場合、治療費を大幅に抑えられます。

インプラントが1本50万円〜75万円ほどかかるのに対し、保険の入れ歯は総入れ歯で10,000円〜15,000円、部分入れ歯で5,000円〜15,000円程度です。

また、入れ歯が破損した場合でも保険適用で修理が可能なため、数千円から数万円で済みます。

ほうれい線が目立ちにくくなることがある

歯を失ったままにすると、顎の骨が吸収されてしまい、ほうれい線が目立ちやすくなってしまうことがあります。

このような場合、入れ歯の厚みによって、口元の輪郭が自然に整い、ほうれい線が目立ちにくくなる効果が期待できるケースもあります。

まとめ

若い方でも、若い人でも総入れ歯・入れ歯の人は一定数います。そもそも、若い人で入れ歯は決して恥ずかしいことではありません。

歯を失ったまま放置していると、見た目への影響だけではなく、周囲の歯への負担やかみ合わせが悪化するリスクなどもあるため、前向きに入れ歯を検討しましょう。

「どうしても入れ歯に抵抗がある」「他の方法で歯の機能を取り戻せないか」とお悩みでしたら、一度歯科医院で相談してみるのがおすすめです。

下高井戸パール歯科クリニック・世田谷では、希望をお聞きしたうえで、数ある治療法・素材の中から適切な治療法を複数ご提案させていただきます。

十分な時間をとり、実際の症例・模型・素材などを用いながら、患者様が理解されるまでご説明いたしますので、治療方法に不安や疑問がある方はぜひご相談ください。

#入れ歯 #若い人の入れ歯