
「虫歯があるけど、ホワイトニングしても大丈夫?」そんな不安を抱えている方は少なくありません。
歯を白く美しくしたいと考える前に、まずは虫歯の状態をしっかり確認することが重要です。
この記事では、治療の優先順位やホワイトニングを行う際の注意点について、わかりやすく解説します。
歯の健康と美しさを両立させたい方は、ぜひ参考にしてください。
虫歯があってもホワイトニングはできる?

ホワイトニングは理論上、虫歯があっても行えますが、実際には多くの歯科医院で虫歯の治療を優先する方針がとられています。
なぜなら、虫歯がある状態でホワイトニングを受けると、薬剤がしみたり痛みが出たりするリスクが高くなり、十分な効果が得られない場合があるためです。
さらに、虫歯が進行すると、最悪の場合は歯を抜かなければならなくなるケースも考えられます。
ただし、虫歯の進行度や場所によっては、治療と同時にホワイトニングができる場合もあります。
そのため、まずは歯科医師の診断を受けることが大切です。美しい白い歯を目指すには、健康な歯をしっかりと土台として整えることが必要です。
虫歯については以下の記事でも詳しく解説しています。
→虫歯を確かめる方法は?自宅でできる簡単チェックと歯科医院での検査を徹底解説
ホワイトニングの基本知識

白く美しい歯を手に入れる手段として注目されるホワイトニング。
まずはその基本的な仕組みや種類、期待できる効果について解説します。
ホワイトニングとは?
ホワイトニングとは、歯の表面や内部の黄ばみや着色汚れを、専用の薬剤で分解・漂白する方法です。
歯を削る必要がなく、過酸化水素や過酸化尿素といった成分が、食事や喫煙、加齢によってできた色素を化学的に分解し、歯を白くします。
歯科医院で使われる薬剤は高濃度なため、専門家の管理のもとでしか扱えません。
例えば、歯のクリーニングは表面の汚れを落とす処置ですが、ホワイトニングは歯そのものの色を明るくする美容的な施術です。
自然な白さを目指すと口元の印象が明るくなり、笑顔に自信が持てるようになる効果も期待できます。
ホワイトニングの種類
ホワイトニングには、施術方法や効果の持続期間などによっていくつかの種類があります。
例えば歯科医院で、短期間で効果を得られる方法もあれば、自宅で時間をかけて行うタイプもあります。
このように、ライフスタイルや目的に合わせて自分に合った方法を選べる点がホワイトニングの大きな魅力です。
ここでは、代表的な4つのタイプについて、その特徴を以下の表にまとめました。
種類 | 特徴 | おすすめの方 |
オフィスホワイトニング | 医療機関でしか使えない薬剤を使用し、歯科医院で行う即効性が期待できる施術。 | しっかり白くしたい方 |
ホームホワイトニング | マウスピースを使い自宅で行う。手軽で継続しやすい。 | 自宅で手軽に白くしたい方 |
デュアルホワイトニング | オフィス+ホームの併用。短期間で効果が出て、持続性も高い。 | 白さを長持ちさせたい方 |
セルフホワイトニング | 自分で施術するタイプ。歯科医院のホワイトニングとは異なり、歯を本来以上の色に白くすることはできない | 歯の汚れや着色を自分でケアしたい方 |
それぞれの特徴を理解して自分に合った方法を選べば、より満足度の高いホワイトニングが実現できます。
虫歯があるとホワイトニングできない理由

ホワイトニングは、歯の見た目を美しくするための施術です。しかし、虫歯があるままホワイトニングを行うと、思わぬリスクが生じる可能性があります。
安全に歯を白くするためには、虫歯が与える影響について知っておくことが大切です。
ここでは、虫歯があるとホワイトニングができない理由について、わかりやすく解説します。
虫歯が進行するリスク
虫歯を治療せずにホワイトニングを続けると、薬剤の刺激によって痛みが強くなったり、虫歯がさらに進行したりする場合があります。
もしも虫歯が神経まで達してしまうと、根管治療や抜歯が必要になるケースもあります。
虫歯は自然に治ることはなく、放置すれば悪化してしまう可能性が高いです。
ホワイトニングを始める前に歯科医院で口腔環境をチェックしてもらい、虫歯があれば治療してからホワイトニングを受けましょう。
知覚過敏や痛みの発生
ホワイトニングで使われる過酸化水素や過酸化尿素といった薬剤は、歯の表面を覆っている保護膜『ペリクル』を取り除く働きがあります。
そのため、神経への刺激が伝わりやすくなり、知覚過敏を引き起こすことがあります。
特に、虫歯がある歯は薬剤に対して敏感になりやすく、虫歯が神経に近い部分まで進行している場合は、強い痛みを感じるかもしれません。
虫歯によって象牙質(歯の内側の層)が露出していると、薬剤の刺激が直接神経に伝わりやすくなるためです。
ホワイトニングを始める前に虫歯の治療を終えておきましょう。
仮の詰め物・被せ物が取れやすくなる
虫歯治療の途中で使われる仮ぶたや仮の詰め物は、歯を一時的に守るためのものです。
しかし、ホワイトニングの薬剤を使うとこれらの接着力が弱まり、外れてしまうことがあります。
特に、過酸化水素などの成分は仮ぶたの接着面に影響を与えやすく、その結果、細菌が入りやすくなったり、治療をやり直す必要が出てきたりするリスクもあります。
そのため、虫歯治療とホワイトニングは同時には進められません。必ず虫歯治療を先に終わらせましょう。
もし詰め物がしっかり安定していない状態でホワイトニングを行うと、薬剤の影響で材料が剥がれやすくなり、余計な手間や費用がかかってしまいます。
歯がきちんと固定されてからホワイトニングを始めた方が、効率的に理想の白さを目指せるでしょう。
神経がない歯は効果が出にくい
神経を失った歯(失活歯)は、内部から茶色や黒っぽく変色することが多いため、一般的なホワイトニングでは十分な効果が得られにくいといわれています。
なぜなら、ホワイトニング剤は主に歯の表面に作用するもので、内側の変色には届きにくいためです。
神経を抜いた歯は血液の流れが止まり、歯の中に残った成分が時間の経過とともに変色する場合があります。
このような失活歯の場合、ウォーキングブリーチやセラミックを使った補綴(ほてつ)治療など、通常とは異なる治療法が必要になるケースがあります。
そのため、ホワイトニングを考える際には、歯の状態に合った適切な方法を選ぶことが大切です。
虫歯治療後にホワイトニングをする場合の注意点

虫歯治療が終わったからといって、すぐにホワイトニングができるとは限りません。
治療直後の注意点や、見た目を整えるためのポイントを押さえておきましょう。
タイミングの見極め
虫歯治療が終わった直後にホワイトニングを行うのは避けましょう。
治療直後の歯は刺激に対して敏感になっており、ホワイトニング薬剤によって痛みや知覚過敏が悪化するおそれがあります。
特に神経に近い部分を処置した場合は、歯の内部が不安定な状態になっていることもあるため、無理に施術をするのは望ましくありません。
ホワイトニングの効果を引き出し、歯への負担を軽減するには、歯の状態が安定してから施術を受けることが重要です。
一般的には、治療後1〜2週間ほど待つのがよいとされており、歯科医師と相談しながら最適なタイミングを見極めることが安心につながります。
詰め物・被せ物との色のバランス
ホワイトニングによって天然歯が白くなると、人工素材で作られた詰め物や被せ物との色の差が目立つ場合があります。
これらの補綴物はホワイトニング薬剤の影響を受けず、施術後に色ムラが生じる可能性があるためです。
特に前歯など見た目に関わる部分では、審美的な調整が必要になるケースもあります。
全体の色味をそろえるには、ホワイトニング後に補綴物を新しく作り直すことが必要です。
施術前に歯科医師と希望する白さや治療の流れを共有しておくと、仕上がりの統一感を高められ、満足度の高い結果につながります。
ホワイトニング後の虫歯予防法

ホワイトニングで得た白さを長く保つには、見た目だけでなく虫歯予防にも気を配ることが大切です。日々のケアや習慣を見直し、健やかな口元をキープしましょう。
日常的なセルフケア
虫歯の治療を終えた後にホワイトニングを行う場合は、歯の健康を守るためのセルフケアが大切です。
まず、柔らかめの歯ブラシを使って歯をやさしく磨きましょう。
また、歯間ブラシやデンタルフロスを使えば、歯と歯の間の細かい汚れもしっかり取り除けます。
さらに、研磨剤が入っている歯磨き粉は避け、ホワイトニング専用やフッ素が配合されたタイプを選ぶと、歯の白さを保ちながら虫歯の予防にも役立ちます。
もし知覚過敏が気になる場合は、フッ素を塗れば症状をやわらげることが可能です。
虫歯の予防方法について詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になります。
歯科医院での定期メンテナンス
ホワイトニングを行った後は、歯が一時的に敏感になり、虫歯のリスクも高まります。
そのため、定期的に歯科医院を受診することが予防のポイントです。
例えば、3〜6か月に一度の検診を習慣にすると、虫歯を早めに見つけたり、歯石を取り除いたりできるため、口の中を清潔に保てます。
また、歯科医師による専門的なクリーニングは、普段のセルフケアでは届きにくい部分までしっかりとケアできるのが大きなメリットです。
さらに、検診の際に自分のケア方法について相談すれば、虫歯予防とホワイトニングの効果を両立させることも期待できます。
食生活・生活習慣の見直し
ホワイトニング後に歯の健康を保つためには、虫歯予防を意識した食生活が非常に大切です。特に、次のポイントに気をつけましょう。
- 甘いものや酸っぱい飲み物・食べ物は控えめにする
- 間食の回数を減らす
- 規則正しい食事と、よく噛むことを心がける
- 寝る直前の食事は避ける
このように、毎日のちょっとした心がけや工夫が、ホワイトニング後の歯を健康で美しく保つポイントになります。
まとめ
虫歯がある場合は、ホワイトニング前にまず治療を優先することが大切です。
虫歯があるままではトラブルの原因になる場合があるため、しっかり虫歯治療を終わらせてからホワイトニングを受けましょう。
ホワイトニング後は、虫歯予防とホワイトニングのメンテナンスの両方に取り組むと、美しく健康的な口元への第一歩となります。
白く輝く笑顔を目指す方、ホワイトニングや虫歯治療について詳しく知りたい方は、下高井戸パール歯科クリニック・世田谷へお気軽にご相談ください。