
歯の病気は、生活習慣病を引き起こす最も上流に位置する病気で、歯の病気予防は生活習
慣病を防ぐ言わば「一丁目一番地」です。
歯周病は、症状が少ないため放置されがちですが、その影響はお口の中に留まりません。
歯周ポケットから細菌や毒素が血管内に侵入し、血流に乗って全身を巡ります。これが糖尿病や動脈硬化を悪化させる一因となるほか、近年の研究では、特定の歯周病菌がアルツハイマー病、口臭の原因菌が大腸がんのリスクを高める可能性も報告されています。
また歯を失ったり、歯周病でうまく噛めなくなると、食事はパンや麺類など、柔らかく糖質の多いものに偏りがちです。すると血糖値が急上昇しやすくなる一方で、筋肉や骨を作るために不可欠なタンパク質(肉・魚・野菜など)の摂取が減少してしまいます。この栄養不足が、全身の筋力低下や虚弱状態である「フレイル」を引き起こし、寝たきりのリスクを高めてしまうのです。
このように歯科と生活習慣病は密接に関連しているのです。
お口の中に潜む生活習慣病のリスクを低減するために、歯科の定期メインテナンスが重要となります。気になることやお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。

引用:50歳から老けない人の歯の習慣
著作:武内博郎
下高井戸パール歯科クリニック・世田谷
大原庸子