
歯の根元が痛いと感じるとき、「虫歯なのか歯ぐきのトラブルなのか」「このまま様子を見るべきなのか」と不安に感じる方が多いのではないでしょうか。
歯の根元の痛みは虫歯の進行や歯の根の炎症、歯周病や知覚過敏など、さまざまな原因が考えられ、放置すると強い痛みにつながることもあります。
この記事では、歯の根元が痛くなる主な原因、自宅でできる一時的な応急処置、歯科を受診すべきタイミング、予防方法について詳しく紹介します。
歯の根元が痛いときに考えられる主な原因

歯の根元が痛む原因は一つではありません。ここでは、特に頻度が高く放置リスクも大きい代表的な原因について詳しく解説します。
虫歯の進行で神経に炎症が起きている
虫歯が神経に進行すると、歯の根元付近にズキズキとした強い痛みが出やすくなります。
特に、冷たいものや甘いものがしみる、夜になると痛みが増して眠れないなどは、神経が炎症を起こしているサインとしてよくみられる症状です。
この段階を放置すると、神経が壊死して一時的に痛みが軽くなる一方で、歯の根の先で炎症や膿が広がる一歩手前の状態まで進行することもあります。
虫歯による神経の炎症は自然に治らないため、受診を先送りにせず早めに治療を受けることで、歯を残せる可能性や治療期間の短縮が期待できます。
歯周病による歯ぐきの炎症
歯周病の進行により、歯の根元に痛みが出ることがあります。
歯周病は初期段階では、歯みがきで出血しやすい、歯ぐきが赤く腫れぼったい、口臭が気になるなどの軽いサインにとどまり、痛みを強く感じることはあまりありません。
しかし、炎症が続くと歯周ポケットが深くなり、歯の根元に近い部分の組織が徐々に溶けていくことで、歯が浮いたような違和感や噛んだときに痛みが出ることがあります。
さらに進行すると、歯ぐきの退縮によって歯根が露出し、冷たいものがしみる知覚過敏を伴うことも多く、最終的に抜歯に至るケースもあるため注意が必要です。
神経が死んで根の先に膿がたまっている
歯の神経が死んで根の先に膿がたまると、歯の根元が噛むたびに強く痛んだり、歯ぐきの腫れや違和感が続きやすくなります。
初期は強い痛みの後に症状が落ち着くことがありますが、これは治ったのではなく、神経が機能しなくなったことで痛みを感じにくくなっているだけのことが多いです。
その後、根尖部で炎症や膿の袋が形成されると、痛みが出たり歯ぐきにニキビのような白いできもの(フィステル)ができて膿が出ることがあります。
根の先に膿がたまった状態は自然には改善しないため、歯の内部をきれいにする根管治療や、場合によっては抜歯が必要になります。
知覚過敏で露出した歯の根元が刺激に反応している
知覚過敏で歯の根元が露出していると、冷たい飲み物やブラッシングの刺激に反応して、短時間でも鋭い痛みを繰り返し感じやすくなります。
歯ぐきが下がったり歯の表面がすり減った結果、本来は覆われているはずの象牙質が露出し、その中の細い管を通じて刺激が歯髄に伝わりやすくなっている状態です。
一過性の鋭い痛みが特徴のため、我慢すれば良いと思われがちですが、放置すると虫歯や歯周病の温床になってしまうこともあります。
冷たいものを口に入れた瞬間だけしみる、歯磨きのときにビリっとするなどの症状がある場合は、早めに歯科医師へ相談することが大切です。
歯のひび割れや破折
歯にひび割れや破折が起きていると、噛んだ瞬間に歯の根元が痛んだり、特定の方向から力がかかったときだけ強くしみるような症状が出やすくなります。
長年の歯ぎしりや食いしばり、硬い食べ物を繰り返し噛む習慣、過去の大きな詰め物や神経を抜いた歯の脆弱化などが原因として考えられます。
亀裂が深くなるにつれ噛むたびに鋭い痛みが出ることがあり、歯ぐきの腫れや膿、歯のぐらつきを伴うことも珍しくありません。
早期発見により進行を遅らせられる可能性があるため、単なる知覚過敏や虫歯と決めつけず、ひび割れの可能性も含めて歯科を受診することが大切です。
歯の根元が痛いときの一時的な応急処置

すぐに歯科を受診できないときは、一時的な応急処置により歯の根元の痛みを和らげられる可能性があります。
ただし、応急処置はあくまで受診までのつなぎであり、根本治療には必ず歯科受診が必要だということも忘れてはいけません。
ここでは、自宅でできる応急処置のポイントを詳しく解説します。
痛い部分を刺激せず安静にする
歯の根元が痛いときは、その部分を刺激せず安静に保つことが重要です。
痛みがある側で噛み続けたり、舌や指で押して状態を確かめようとすると、炎症を起こしている神経や歯根膜に負担がかかり、痛みが強くなる可能性があります。
痛みが落ち着くまでは、痛い側ではなく反対側で噛むよう意識しつつ、噛む力があまりいらない食事を選ぶと負担を減らしやすくなります。
患部を冷やして炎症を抑える
歯の根元の痛みが強いときは、頬の外側から冷やすことで、炎症による血流の増加や腫れを一時的に抑え、痛みを和らげられる場合があります。
この際、保冷剤や氷嚢をそのまま肌に当てると冷えすぎてしまうため、タオルやハンカチで包んでから痛みを感じる側の頬にあててください。
冷やす時間は、冷たさを心地よく感じる程度を目安に、10~15分程度がおすすめです。
外側から軽く冷やす方法はあくまで一時的な対処法ですが、夜間などすぐ受診できない時間帯の痛みをやり過ごすのに役立つことがあります。
市販の痛み止めを適切に使用する
我慢できない歯の痛みは、市販の痛み止めで一時的に和らげられる可能性があります。
ロキソプロフェンやイブプロフェンなどが一般的ですが、持病や服用中の薬などで使用できる種類が異なることもあるため、必ず自分に合うものを選んでください。
また、効き目を早くしたいからといって規定量以上を飲んだり、短時間に何度も追加で服用する行為は、副作用のリスクを高めるため注意が必要です。
痛み止めを飲むと少し楽になることが多いですが、その間も虫歯や根の炎症は進行している可能性があるため、できるだけ早いタイミングで治療の予約を取りましょう。
口内を清潔に保つ
歯の根元が痛いときは、痛みがある側も含めて口内全体を清潔に保つことが重要です。
歯が痛いとブラッシングを避けてしまいがちですが、口の中を不潔なまま放置すると、細菌が増えて炎症が悪化し、結果的に痛みが強くなることもあります。
患部に直接強い力をかけるのは避け、やわらかめの歯ブラシで軽いタッチを意識しつつ、フロスや歯間ブラシで無理のない範囲で食べかすを取り除きましょう。
また、うがいは冷水を避け、強くブクブクうがいをして患部に圧をかけすぎないように注意してください。
アルコール濃度の高いマウスウォッシュは、しみて痛みが増すケースもあるため、痛みが強い時期は控えめにしたほうが安心です。
痛みを悪化させる行動を避ける
歯の根元が痛いときは、痛みを悪化させる行動は意識的に避けるようにしてください。
具体的には、熱いお風呂に長時間入る、サウナや激しい運動で体を温めすぎる、アルコールを多量に摂取するなど、血流を一気に増やす行為が挙げられます。
血液の流れが急に増えると、炎症が起きている歯の内部や周囲の圧が高まり、ズキズキした痛みが強まることがあります。
また、痛む歯で硬いものを食べる、何度も舌や指で押す、歯ぐきを強く揉むなどの行為も、炎症を広げる可能性があるため注意が必要です。
歯の根元が痛いときに歯医者を受診すべきタイミング

歯の根元が痛いとき、どの程度で歯医者に行くべきかは迷いやすいポイントです。
我慢できるからと放置すると、痛みの原因である虫歯や歯周病が進行し、治療が複雑になり抜歯のリスクが高まるため、違和感を感じたら受診を検討しましょう。
ここでは、歯の根元が痛いときに必ず受診すべきタイミングについて詳しく解説します。
痛みが数日続いている
歯の根元の痛みが数日続いている場合は、早めに歯医者を受診したほうが安心です。
虫歯が神経に近づいていたり、歯の根の周囲で炎症が起きているケースでは、数日たっても痛みが続いたり、夜にズキズキと強くなる傾向があります。
痛み止めを使っても3日以上痛みが続いたり、薬が切れるとまた痛む状態が続く場合は、自己判断で様子見をするより、原因を特定してもらうのがおすすめです。
また、痛みが出たり引いたりを繰り返す、噛んだ時だけ根元が響くなどの症状も、根尖性歯周炎や歯のひび割れが隠れていることがあるため、早めの受診を推奨します。
歯ぐきの腫れや出血を伴っている
歯の根元の痛みに加えて、歯ぐきの腫れや出血がある場合は、できるだけ早めに歯科を受診することが望ましいです。
特に歯ぐきが局所的に腫れている、押すと痛みや違和感が出る、ニキビのような白いできものがあるなどの状態は、歯の根の先に膿がたまっている可能性も否定できません。
また、歯みがきのたびに同じ場所から出血する、腫れが2〜3日たっても引かないなどの症状も、歯周病や歯肉の慢性炎症が進行しているサインとしてよく挙げられます。
少し腫れてるだけだからと放置すると、膿が広がり顔の腫れにつながったり、歯を支える骨が溶けて歯の動揺が進む可能性もあるため注意が必要です。
発熱や顔の腫れがある
歯の根元の痛みに加えて、発熱や頬の腫れが出ている場合は、我慢せずできるだけ早く歯科を受診すべきタイミングです。
歯の根の先や歯ぐきにたまった膿が広がると、顎の骨や顔の軟組織に炎症が波及し、片側の頬が大きく腫れたり、高熱を伴うことがあります。
飲み込みにくい、口が開けづらい、息苦しさを感じるといった症状を伴うケースもあり、こうした状態は全身的な感染症状へ進行する危険サインとされています。
夜間や休日でかかりつけの歯科にすぐ行けない場合でも、歯科救急や当番医、医療相談窓口などを活用し、受診可能な医療機関を早めに確認しておくことをおすすめします。
歯の根元が痛くなるのを防ぐ予防方法

歯の根元の痛みを防ぐには、原因になりやすい汚れや負担を日常的に減らすことが大切です。ここでは、主な予防方法について詳しく解説します。
正しい歯磨きとデンタルフロス・歯間ブラシの活用
歯の根元の痛みを防ぐためには、毎日の歯磨きに加えてデンタルフロスや歯間ブラシの活用が非常に効果的です。
歯ブラシだけでは、歯と歯の間や歯ぐきの境目など、毛先が届きにくい部分のプラークを完全には落としきれず、その残りが虫歯や歯周病の温床になってしまいます。
特に歯の根元周りはプラークがたまりやすく、放置すると歯ぐきの炎症や歯周ポケットの深さの増加を招き、結果的に歯の根元の痛みにつながりやすいです。
そのため、基本的には歯ブラシとフロスを毎日の標準セットにして、歯の隙間が広い部分には歯間ブラシも併用するのが理想的とされています。
フロスや歯間ブラシで歯間の汚れをゆるめ、そのあとで歯ブラシとフッ素入り歯みがき剤で全体を磨く流れにすると、歯の根元や歯間部にも薬用成分が届きやすくなります。
定期的な歯科検診・クリーニング
歯の根元のトラブルを防ぐには、痛くなってから行くのではなく、痛くなる前にチェックしてもらう定期検診とプロによるクリーニングが欠かせません。
定期検診では、虫歯の有無だけでなく、歯周ポケットの深さ、歯ぐきの状態、噛み合わせ、レントゲンによる根や骨の状態などを総合的にチェックしてもらえます。
そのうえで、専門器具で除去するクリーニングを行えば、歯ブラシでは落とし切れない汚れをリセットすることが可能です。
一般的には3〜6か月に1回程度のペースが推奨されますが、歯周病のリスクが高い方や歯ぎしりが強い方は、少し短い間隔でのメインテナンスが提案される場合もあります。
歯ぎしり・食いしばりを防ぐ対策を行う
歯ぎしりや食いしばりによる過剰な力は、歯の根元に大きな負担をかけ、知覚過敏や歯根膜の炎症、ひび割れなどの原因になります。
そのため、歯の根元の痛みを予防するには噛む力のコントロールも重要なポイントです。
例えば、就寝中の歯ぎしりが疑われる場合は、ナイトガードを作製してもらうことで歯同士の過度な接触を防ぎ、歯や歯根、顎関節への負荷を軽減できます。
日中の食いしばりが多い方は、常にリラックス時の歯の位置を意識し、こまめに歯を離す習慣をつけることも有効です。
歯ぎしりや食いしばりが気になる場合は、早めに歯科で相談し、自分に合った対策を取りましょう。
まとめ
歯の根元が痛い原因は、虫歯の進行による神経の炎症や歯周病、根尖性歯周炎や知覚過敏、歯のひび割れなど多岐にわたります。
自然に改善することは少なく、放置すると痛みの悪化や顔の腫れ、最終的な抜歯につながるリスクもあるため、早めに受診するという姿勢が大切です。
痛みが強いときは応急処置でしのぎつつ、かかりつけの歯科へ早めに相談しましょう。
歯の根元が痛い方は、『下高井戸パール歯科クリニック・世田谷』にご相談ください。
当院では可能な限り痛みを抑えた治療、歯を削る量の少ない治療、神経を残す治療を常に心がけております。
電話だけでなくWEBやLINEでも予約可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
