
銀歯が取れたとき、「なぜいきなり取れたのか」「このまま放置して大丈夫か」などの心配で戸惑う方が多いのではないでしょうか。
銀歯が取れたときに痛みがなくても、外れた部分から汚れや細菌が入りやすくなり、虫歯や歯の破損などのトラブルが進行してしまう可能性があります。
また、銀歯が取れた側で噛まない状態が続くと、噛み合わせの乱れや顎への負担につながることも少なくありません。
この記事では、銀歯が取れたときに確認すべきポイント、銀歯が取れる主な原因や放置するリスク、取れた直後の応急処置について詳しく紹介します。
銀歯が取れたときにまず確認すべきポイント

銀歯が取れたときは焦ってしまいますが、最初にいくつかのポイントを確認することで、その後のトラブルを減らすことができます。
ここでは、歯科医院を受診する前に自分で確認しておきたい基本的なポイントについて詳しく解説します。
痛みの有無と症状
銀歯が取れたときは、今どれくらいの症状が出ているかを確認しましょう。
同じ銀歯が取れた状況でも、痛みが強い場合は虫歯が神経近くまで進行していたり、歯の亀裂や炎症が起きていたりする可能性が高くなります。
一方で、痛みがほとんどない場合でも、外れた部分から汚れや細菌が入り込みやすい状態になっていることが多くあります。
痛くないから大丈夫と自己判断せず、どの程度の違和感があるかを自分なりにメモしておくと、受診時にスムーズに状況を伝えやすくなります。
取れた銀歯や歯の状態を確認
銀歯が取れたときは、取れた銀歯や歯の状態確認が欠かせません。
鏡の前で口を大きく開け、スマートフォンのライトを使いながら、銀歯が入っていた部分の歯をできる範囲で観察してみましょう。
歯の表面が欠けていないか、黒く変色している部分がないか、穴が開いたように見えないかなどをチェックすると、虫歯の進行や歯の破折の可能性をある程度イメージできます。
もちろん、専門的な判断は歯科医師が行いますが、自分の目で見て気づいた点を把握しておくだけでも、受診時の説明がとてもスムーズになります。
銀歯は捨てずに保管しておく
取れた銀歯は絶対に捨ててはいけません。
銀歯が外れた瞬間、そのままゴミ箱に捨ててしまう方も少なくありませんが、実際には取れた銀歯がそのまま再利用できるケースもあります。
特に、歯や銀歯に大きな欠損や変形がなく、セメントの劣化や外側からの衝撃などが原因で外れただけであれば、歯科医院で再接着できる可能性が高いです。
取れた銀歯をきちんと持参することは、治療の選択肢を広げるうえでとても大切な行動になるため、大切に保管しておきましょう。
銀歯が取れる主な原因

銀歯が取れる原因を知っておくと、今後どう予防すれば良いかを具体的にイメージしやすくなります。ここでは、銀歯が取れる主な原因について詳しく解説します。
銀歯と歯をつける接着剤の劣化
銀歯が取れる原因で多いのが、銀歯と歯を固定している接着剤の劣化です。
歯科治療で使われる接着剤は、できるだけ長く持つように設計されていますが、それでも年月の経過とともに少しずつ溶け出したり、隙間が生じたりしていきます。
最初は目には見えないわずかな段差や隙間ができ、そこからさらに水分や汚れが入り込むことで、銀歯の固定力が弱まって外れやすい状態になります。
装着から数年~数十年経過している銀歯は、見た目に問題がなくても接着剤の寿命が近づいている可能性があるため、早めに歯科医院で確認してもらうのが安心です。
二次虫歯
銀歯が取れる原因としては、銀歯の内側や縁から進行する二次虫歯も考えられます。
二次虫歯とは、いったん治療して銀歯を被せた部分の周囲に、新たに虫歯ができてしまう状態を指します。
虫歯が再発すると歯質が内側から溶けていき、もともとピッタリだった銀歯の土台が小さくなることで、固定力が弱まり急に外れることがあります。
二次虫歯は進行していても痛みが出にくいことがありますが、中を確認すると大きな虫歯があることも多いため注意が必要です。
歯ぎしりや食いしばりによる負担
歯ぎしりや食いしばりも、銀歯が取れる原因としてよく挙げられます。
歯ぎしりなどの癖があると、通常の食事でかかる力よりもはるかに大きな力が、特定の歯や銀歯に繰り返しかかり続けます。
その結果、銀歯と歯の間の接着剤や銀歯そのものに細かなダメージが蓄積し、ある日突然外れるというトラブルにつながりやすくなります。
特に奥歯に大きな銀歯が入っている方は、噛む力の影響を受けやすいため注意が必要です。
経年劣化や銀歯の寿命
銀歯そのものが寿命を迎えたことで、急に取れることもあります。
金属は硬い素材ではありますが、毎日繰り返される咀嚼や歯ぎしり、温度変化の影響を長期間受けることで、わずかに変形したり、縁の部分が摩耗したりしていきます。
その結果、装着当初はピッタリ合っていた銀歯と歯の境目に段差や隙間が生じやすくなり、接着剤の劣化と相まって外れやすい状態へと変化していくことがあります。
保険診療の銀歯は半永久的に持つわけではなく、口腔内の環境やケアの状態でも変わりますが、おおよそ数年から10数年でトラブルが出てくることが多いです。
粘着性の高い食べ物の摂取
キャラメルやガム、ハイチュウのような粘着性の高いお菓子は、銀歯が取れるきっかけになりやすい食べ物です。
銀歯は噛む方向の力には強いものの、引きはがす方向の力にはそれほど強くないため、固定力が弱くなっている状態では、比較的簡単に外れてしまうことがあります。
また、粘着性の高い食べ物は、銀歯と歯のわずかな隙間に入り込みやすく、繰り返し付着と剥離を繰り返すことで、さらに隙間を広げてしまう要因にもなります。
すでに銀歯に違和感がある場合は、粘着性の高いお菓子を控えめにするか、どうしても食べたい場合は銀歯が入っていない側で噛むようにすると安心です。
銀歯が取れたまま放置するリスク

銀歯が取れた状態で放置すると、気づかないうちにさまざまなリスクが重なっていく可能性があります。ここでは、代表的なリスクについて詳しく解説します。
露出した歯に汚れが溜まり虫歯が進行する
銀歯が取れたまま放置すると、短期間のうちに虫歯菌が増え、これまでよりも深い位置まで歯が溶けてしまう可能性が高まります。
銀歯が取れた部分は、本来は詰め物や被せ物で守られていた歯の象牙質や治療痕が、そのまま口の中に露出している状態です。
ここはエナメル質に比べて虫歯になりやすく、さらに形が凹んでいたり段差があったりするため、プラークや食べかすが非常に溜まりやすくなります。
痛くないから大丈夫と感じても、露出した部分が虫歯になりやすいことを意識し、できるだけ早めに歯科医院で適切な処置を受けることが大切です。
噛み合わせが崩れる影響
銀歯が取れたまま片側で噛む習慣が続くと、時間の経過とともに噛み合わせのバランスが崩れていく可能性があります。
片方の歯が低くなったり使わない歯が増えたりすると、周囲の歯が少しずつ動き、空いたスペースに倒れ込むように移動してしまうことも少なくありません。
また、銀歯が取れた部分の相手側の歯は、噛み合う相手を失うことで時間とともに伸びてきたり、位置がずれてきたりしやすくなります。
噛み合わせの問題は、ゆっくり進行するため自分では気づきにくいですが、顎がだるいなどの違和感につながることも多いため注意が必要です。
歯が欠けたり割れたりするリスク
銀歯が外れた歯は、これまで金属で補強されていた部分の支えを突然失うことになるため、歯が欠けたり割れたりするリスクが高まります。
特に奥歯は噛む力が強くかかるため、硬いものを噛んだ拍子に露出した歯の一部が欠けてしまったり、大きく割れてしまったりする可能性があるため注意が必要です。
一度大きく欠けたり亀裂が深く入ったりすると、神経の治療や土台の再構築、大きな被せ物、場合によっては抜歯が必要になることもあります。
本来なら銀歯の付け直しだけで済んだはずの歯が、放置したことで取り返しのつかないダメージを受けることもあるため、早期受診の意識を持つことが大切です。
知覚過敏が出やすくなる
銀歯が取れて象牙質が露出した状態になると、冷たい飲み物や甘い物、酸味の強い食品などが直接刺激として伝わりやすく、知覚過敏の症状が出やすくなります。
エナメル質は刺激から歯の内部を守る役割を持っていますが、治療済みの歯では薄くなっていることが多く、銀歯が外れることで敏感な部分がむき出しになります。
また、しみるのを避けるために歯磨きが億劫になると、さらに虫歯や歯周病のリスクが高まるという悪循環に陥りがちです。
知覚過敏は、市販の歯みがき剤などで一時的に緩和できる場合もありますが、銀歯が取れたこと自体が原因である以上、根本的な解決には適切な修復治療が欠かせません。
口臭や細菌増殖の原因になる
銀歯が取れた部分は、凹凸や段差が大きく食べかすやプラークが残りやすい構造のため、細菌の温床になり、時間の経過とともに口臭の原因になりやすくなります。
特に、虫歯が進行して歯質が溶けている場合は、内部で細菌が増殖し、独特のにおいを放つことも少なくありません。
また、清掃しにくい環境が続くと周囲の歯茎にも炎症が起こりやすくなり、歯周病関連の口臭が合わさって、より強いにおいとして自覚されるケースもあります。
銀歯が取れたときにやってはいけないNG行動

銀歯が取れたときは焦ってしまいますが、間違った対処をすると歯や歯茎を傷めてしまうおそれがあります。主なNG行動は以下の通りです。
- 市販の瞬間接着剤やボンドで銀歯をくっつける
- 取れた銀歯をなくしたり捨ててしまう
- 取れた部分を舌や指で何度も触ったり、強く押し込んだりする
- 取れた銀歯を元の場所に自分で何度もはめたり外したりする
- 取れた側で硬い物や粘着性の高い物を噛み続ける
- 痛みがないからといって受診を先延ばしにする
- うがいをほとんどせず、露出した歯を十分に清掃しないまま過ごす
銀歯が取れたときに絶対に避けなければいけないのが、市販の瞬間接着剤やボンドなどで自分で銀歯をくっつけ直すことです。
これらは口の中で使うことを想定していないため、歯や粘膜に悪影響を与えたり、誤って歯茎や隣の歯に固着してしまったりするリスクがあります。
また、取れた部分を舌や指で何度も触ったり強く押し込んだりするのも、歯や歯茎が刺激で傷つくリスクがあるため注意が必要です。
銀歯が取れた直後の正しい応急処置

銀歯が取れた直後は慌ててしまいがちですが、落ち着いて正しい応急処置を行うことで、その後の治療がスムーズになります。ここでは、応急処置について詳しく解説します。
取れた銀歯の正しい保管方法
取れた銀歯は捨てず、必ず保管して歯科医院に持参することをおすすめします。
取れた銀歯は再び使える場合があり、新しい詰め物や被せ物を一から作り直すよりも、費用や通院回数の負担を抑えられる可能性があります。
保管の際は、軽く水洗いして食べかすを落とし、ティッシュに包んでから清潔な小さな容器に入れておきましょう。
食事中に銀歯が取れて飲み込んだ可能性がある場合は、無理に吐き出そうとせず、医療機関に相談して指示を仰ぐことが大切です。
露出した歯を清潔に保つための歯磨きのコツ
銀歯が取れた部分は汚れが溜まりやすく、短時間で虫歯が進行しやすいため、しっかり清掃しつつ、必要以上に傷つけないことが重要です。
歯ブラシを当てるときは、硬い毛先のものや力任せのブラッシングは避け、やわらかめのブラシを使い、ペンを持つように軽い力で小刻みに動かすイメージで磨きます。
取れた部分に直接ゴシゴシと強く当てるのではなく、周囲の歯茎との境目や隣接面を中心に、プラークを落とす意識で丁寧に動かしてください。
また、デンタルフロスや歯間ブラシを使う際は、取れた部分に無理やり押し込まないよう注意し、引っかかるようなら無理はしないほうが安全です。
痛みがあるときの市販薬の使い方の目安
銀歯が取れた後に痛みがつらい場合は、市販の鎮痛薬を利用して症状を和らげましょう。
ただし、あくまで歯科を受診するまでの一時的な対処と考え、薬で痛みが引いたからといって、そのまま受診を先延ばしにしないことが大切です。
可能な限り早く歯科医院を受診し、原因に対する治療を優先して受けましょう。
まとめ
銀歯が取れたときは、痛みの有無にかかわらず放置しないことが大切です。
取れた直後に銀歯を正しく保管し、露出した歯をできる範囲で清潔に保ちながら、応急的に痛みをコントロールすることで、その後の治療の選択肢を広げやすくなります。
銀歯が取れたまま放置すると、虫歯の進行や噛み合わせの悪化など、さまざまなトラブルを招きかねないため、できるだけ早く歯科医院に相談することが望ましいです。
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まずは、お気軽にお問い合わせください。
