院長の大原庸子です。
ノンクラスプデンチャーのお手入れについて、先日お客様から質問がありました。
質問を受けて、なるほどね。それはそうですね。と共感しましたので、皆さんにも情報を提供させていただきます。
ノンクラスプデンチャーを入れられたAさん。
Aさんの悩みは、入れ歯のお手入れ。
歯科衛生士からお手入れについて、Aさんは説明を受けましたが、疑問が残りました。
「それは自費と保険のデンチャーのお手入れは同じでいいのだろうか?」
「そもそも素材が違うのに、同じ様に扱ってもし、せっかく品質の良い義歯にしたのに問題ないのだろうか?」
「コロナ感染が怖いし、もっといいお手入れ方法はないですか?」
Aさんの話を聴いて、確かにと思いました。
Aさんの言う通り、保険の入れ歯とノンクラスプデンチャーの素材は全く違います。
保険の部分入れ歯 : 金具がついている、素材は、アクリル樹脂でできた厚くて柔らかいプラスチック(ポリメチルメタクリレート(PMMA))
ノンクラスプデンチャー(当院使用エステショット) : 金属がない 素材は、ポリエステルで出来た薄く、硬い丈夫なプラスチック(ポリエチレンテレフタレート共重合体)
柔らかいプラスチックで出来た保険の入れ歯と固いプラスチックでできた自費の入れ歯どちらもお手入れの基本は一緒ですが、双方異なる注意点があります。
部分入れ歯のお手入れの基本(コロナ感染から身を守るために)
①外から帰ったら、入れ歯を外す前に、一度口の中の汚れを落とすためにまず口をゆすぎましょう!
唾液には身体を守る免疫物質もあれば、身体を害するウイルス、細菌がいます。一度ゆすぐことで、ウイルスや細菌を減らし、感染リスクを減らすことになります。
②部分入れ歯を外したら、落として壊すことのないように水をためた 洗面台の上で取り扱いましょう。
洗面台に落とすことで、壊れるリスクもありますが、汚染され、感染リスクも上がります。
③流水で部分入れ歯を洗いましょう!
入れ歯についた食べカスなどを取り除きます。
④部分入れ歯を傷つけないように、部分入れ歯専用ブラシなどのソフトなブラシと研磨剤を使用していない入れ歯専用洗浄剤で部分入れ歯を磨きましょう。
普通のハミガキには、部分入れ歯を傷つける研磨剤が含まれている可能性があるため使用しないでください。
薬液に5分から10分浸し殺菌をしてください。
使用した歯ブラシはよく流水で洗い、換気の良い場所で、家族同士の歯ブラシが密接にならないように、自然乾燥をしっかり行ってください。
⑤部分入れ歯を支える残存歯と舌、粘膜も同様にきれいに磨きましょう。
入れ歯を支えている歯は常に入れ歯で密閉され、菌が繁殖しやすく、むし歯や歯周病が進行しやすくなります。だからこそお手入れが大切です。
舌、粘膜にこびりつく汚れは誤嚥性肺炎の原因の一つです。舌専用のブラシで傷つけないように磨きましょう。
⑥入れ歯を乾燥させないように、水を入れたコップに入れて変形を防ぎましょう。
⑦超音波洗浄器で洗浄する場合、70度以上のお湯につけないでください。変形します。
部分入れ歯の注意点
保険の入れ歯の注意点 : プラスチックが柔らかいので、硬い歯ブラシでこするのはダメです。????傷がつき、黒ずみバイ菌の繁殖原因になります。
プラスチックの吸水性が高い為、細菌が繁殖しやすく、臭いの原因になります。薬液消毒は毎日行うことをお勧めします。
ノンクラスプデンチャー : キッチンハイターなどの強アルカリ溶液に対して弱いプラスチックなため、ひび割れの原因になります。
ノンクラスプデンチャーは丈夫ですが、プラスチックである事には違いありません。ですので、2年でのお取替えをお勧めしております。
皆さん、知らなかったことありましたでしょうか?
Aさんのように不安ごとがあれば、おっしゃってください。
私の豆知識で解決できるかもしれません。
下高井戸に根付いて18年。これからもパール歯科クリニックは皆様の疑問にお答えします。