「親知らずが痛い」「水を飲むだけでもズキズキする」など、親知らずの痛みは突然発生することが多いため、仕事や学業などに集中できなくなってしまいます。
初期段階で起こる親知らずの痛みは、歯の成長で痛みを感じる理由も考えられますが、定期的に繰り返す場合は虫歯が進行している可能性が高いため、早めの受診が必要です。
また、鎮痛剤で痛みをごまかして放置していると、虫歯などの疾患が加速しする原因となり治療も困難になります。
この記事では、親知らずに痛みが出る原因や対処法、放置してしまったときに起こるリスクについて詳しく解説します。
親知らずが痛くなる原因
親知らずの痛みを感じる多くは以下の4つが原因です。
- 親知らずの虫歯
- 歯の成長に伴う痛みが
- 疲れや免疫力の低下による炎症
- 歯肉炎や歯周病
突然軽度な痛みを感じることがきっかけとなりますが、日を追うごとに痛みが強くなります。
さらに痛みが慢性化して、仕事中や日常生活のふとした瞬間に、ズキズキと脈をうつような痛みが頻発してしまうでしょう。
ここでは、親知らずが痛くなる原因について解説します。
親知らずが虫歯になっている
親知らずが虫歯になっていることが原因で痛みを感じる場合があります。他の歯と同様に、虫歯が進行するほど痛みも強くなってくるでしょう。
親知らずは口の一番奥に生えてくる歯となるため、通常の歯磨きではブラシが届きにくく、虫歯になりやすい特徴があります。
個人差はありますが、親知らずの生え方によって奥歯と親知らずの間にブラシが入らない小さな空間ができてしまい、歯垢の細菌が蓄積すると虫歯になってしまいます。
見えている部分を念入りに磨いているつもりでも、歯ブラシが当たらない隙間で虫歯が悪化してしまい、虫歯が神経まで到達することで激しい痛みを感じてしまいます。
親知らずは、思春期を過ぎた18歳〜24歳くらいの間に成長が目立ち、奥歯にぶつかる痛みや虫歯などの痛みを感じることで、生えている存在に気がつくものです。
歯の成長に伴って斜めに生えてしまっている
成長に伴って親知らずが斜めに生えていくと、歯が痛む原因になります。
親知らずが他の奥歯と同じように、真っ直ぐ上に向かって生えている場合は問題ありませんが、斜めに生えたり、垂直に生えた親知らずは他の奥歯と干渉して痛みを生じます。
斜めに生えてしまった親知らずは奥歯にぶつかってしまうだけでなく、歯茎を突き破って飛び出すときにも痛みを伴うこともあるでしょう。
また、歯の一部が少しでも歯茎から露出していると虫歯になるリスクも高まります。
免疫力の低下で歯肉に炎症が起きている
肉体疲労で免疫力が低下すると、歯肉で細菌が繁殖して炎症が起こる場合があります。
免疫力が高いときは、歯垢(プラーク)の細菌が繁殖しても体が細菌に抵抗しますが、免疫力が落ちているときは歯肉に炎症を起こして痛みを引き起こします。
また、虫歯ではなく親知らず付近の歯肉や歯茎に炎症が起きてしまうと、頻繁に痛みを感じてしまうため、炎症をおさえる治療や抜歯が必要です。
歯肉炎や歯周病などの感染症が起きている
親知らず周辺が痛い場合は、歯肉炎や歯周病などの感染症が起きているケースもあります。
親知らずが成長すると、奥歯と親知らずの間に隙間ができます。その隙間に歯垢が蓄積してしまうことで、智歯性周囲炎(ちしせいしゅういえん)という炎症が起こり、痛みを引き起こします。
また、親知らずと奥歯の隙間は歯ブラシが届きにくいため、歯周病菌が繁殖してしまい、歯周病の痛みを伴う場合もあるでしょう。
歯肉炎も歯周病も、親知らずの生える向きによって歯ブラシが届かないことが原因です。
親知らずが痛くなったときの対処法
親知らずが痛くなるタイミングは人それぞれです。
「夜中に親知らずの痛みで目が覚めた」「旅行中にいきなり親知らずが痛くなった」など、突発的に痛みを感じることがあります。
すぐに歯科医院を受診できない場合は、不安ばかりが募ってしまうでしょう。
ここでは、親知らずが痛くなったときに痛みを軽減させる対処法を紹介します。旅行中や夜中など、すぐに歯科医院を受診できないときにお試しください。
患部を冷やす
親知らずが痛いと感じたときは、頬を氷などで冷やしてください。
冷たい水や氷などを直接口に含むと、お腹が冷えて腹痛などを引き起こしてしまうため、患部を外から冷やすとよいでしょう。
保冷剤や氷などをガーゼやハンカチで包み、患部に優しく当てて冷やすことで炎症による痛みを緩和できます。
鎮痛剤を服用する
強い痛みを感じたときは、鎮痛剤を服用しましょう。
最初は弱い痛みでも、時間が経過するにつれて痛みが強くなってしまう場合もあるため、痛いと感じたら早めに服用するのがおすすめです。
例えば、仕事中や旅行中など、すぐに歯科医院を受診できない状況では、親知らずの痛みが原因で不安がつのる一方です。
痛みを軽減することで不安な気持ちも少なくなるため、鎮痛剤を使って少しでも早く痛みを和らげるようにしましょう。
鎮痛剤の服用とともに患部を冷やせれば、痛みを和らげることができるため、併用しながら対処してみてください。
うがい薬で口の中を消毒する
親知らずの痛みがあるときは、イソジンやマウスウォッシュなどで口の中を消毒をすることで痛みを軽減できる場合があります。
細菌による炎症であれば、消毒によって菌の活性を抑えて痛みの緩和が可能です。イソジンなどのうがい薬をお持ちであれば、お試しください。
安静にして体調を整える
親知らずの痛みは、疲労が蓄積して免疫力低下で起こる炎症が原因のケースもあります。
体の疲れをそのままにしてしまうと、口腔内の炎症が進み、痛みが強くなってしまう可能性もあります。
そのため、親知らずの痛みを感じた場合は、なるべく安静にして睡眠時間を確保するなど、体力が回復するように心がけましょう。
我慢をしないで歯科医院を受診する
鎮痛剤の服用、患部を冷やすなどの対処法を試しても痛みが引かない場合や、我慢できないほどの強い痛みを感じる場合は、すみやかに歯科医院を受診してください。
痛みを緩和させる対処法は、あくまでも歯科医院をすぐに受診できない場合の応急処置になるため、痛みの根本的な改善ではありません。
親知らずの痛みは、さまざまな原因が重なって起こります。歯科医による検査と正しい治療が一番早く痛みを緩和できる方法です。
時間がないという理由で治療を先延ばしにせず、歯科医院を受診して治療を始めることで、突然くる痛みの不安からも開放されるでしょう。
親知らずの痛みを放置した場合のリスク
親知らずの痛みを感じても、「少し痛いけど、薬を飲んだら痛みがなくなった」「仕事が忙しいから、そのうち歯医者に行こう」などの理由で先延ばしにしてしまう方がいます。
しかし、親知らずに痛みがあるときに放置してしまうのは危険です。
痛みを放置した親知らずにはさまざまなリスクがあるため、痛みや違和感を感じた場合は早い段階で治療を始めることが大切です。
ここでは、親知らずの痛みを放置した場合のリスクを解説します。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
親知らずの痛みを放置してしまうと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
例えば、親知らずの小さな虫歯でも、放置することで大きな虫歯に広がってしまい、痛みも比例して大きくなってしまいます。
親知らずが虫歯になった場合は、奥歯や付近の歯も虫歯になってしまっているケースも少なくありません。
また、親知らずの生える向きによっては、ブラッシングができない部分に歯垢が溜まってしまい歯周病になるリスクもあります。
歯周病は、歯茎が腫れてしまうことで食べ物を噛むと痛みを感じたり、歯磨きでも痛みを感じることがあるため、早めの治療が大切です。
大事なタイミングでいきなり痛みだす
親知らずの痛みは定期的にくるものではなく、突発的に感じてしまうものです。
例えば、親知らずの痛みを鎮痛剤で紛らわしていたとしても、旅行の直前や入社式などの大切なイベントの直前に強い痛みを感じてしまうこともあります。
鎮痛剤はあくまでも一時的に痛みをおさえているだけとなるため、痛みを放置している間に鎮痛剤が効かなくなるほど悪化してしまうこともあるでしょう。
激痛を感じてから歯科医院を受診しても、治療に長い時間がかかったり、強い痛みを伴う可能性が大きくなります。
親知らずの痛みによって大切なイベントが台無しにならないように、早期治療を心がけてください。
抜歯による治療が困難になる
親知らずの痛みを放置すると、抜歯による治療が困難になるケースがあります。
親知らずの抜歯は、歯を覆っている歯肉を切開して、器具で歯を挟んで抜き取るのが一般的な治療法です。
しかし、虫歯を放置してしまうと歯のエナメル質が溶けてしまい、引き抜くときに挟む部分が少なくなるため治療が困難になります。
状態によっては一般的な歯科医院では治療が困難となり、大学病院などの口腔外科で抜歯手術を受けるように勧められる場合もあります。
口腔外科では埋まっている親知らずを砕いてから抜歯したり、外科的治療で抜歯を行いますが、大がかりな治療になってしまうでしょう。
そのため、重症化する前に歯科医院を受診して、痛みが少ないうちに親知らずの治療を始めてください。
早期治療は完治までの期間も短くなり、治療の際に伴う痛みも少なくなります。
まとめ
親知らずの痛みが出る原因や対処法、痛みを放置してしまったときのリスクについて解説しました。
親知らずに痛みを感じたときは、虫歯や歯周病が進行している場合があるため、放置せず早めに歯科医院を受診してください。
親知らずに痛みを感じる場合は、下高井戸パール歯科クリニックへお気軽にご相談ください。
当院の医師は日本口腔外科学会専門医の資格を保有しているため、安全な治療を受けていただくことができます。
虫歯などが重症化してしまったケースでも、習熟した歯科医師がCTを使って向きや深さを立体的に検査を行い、患者様に合った最適な治療を行います。
親知らずの治療で気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。