虫歯じゃないのに奥歯が痛い原因は?対処法を詳しく解説!

虫歯じゃないのに歯が 痛い奥歯

虫歯でない場合でも奥歯が痛む場合があり、これには様々な原因が考えられます。

この記事では奥歯が痛む原因として、歯に関連する原因から歯以外で考えられる原因まで幅広く解説します。

それぞれの問題に対処する方法についても掘り下げていくので、奥歯の痛みに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

虫歯じゃないのに奥歯が痛いときに考えられる原因

虫歯じゃないのに歯が 痛い奥歯

歯が痛む原因は虫歯だけではありません。ここでは、虫歯以外で奥歯が痛むときに考えられる原因を7つ紹介します。

それぞれの特徴や対処法について見ていきましょう。

歯根に膿がたまっている

歯の感染症が原因で歯根に膿がたまると、強い痛みが発生することがあります。

痛みはしばしば強烈で、噛む動作だけでなく、時には触れただけでも感じられることがあります。また頬が腫れたり、発熱が伴うこともあるため、歯科医院での早急な治療が必要です。

治療は感染源を取り除くことから始まり、場合によっては抗生物質の処方や根管治療が行われます。

かみ合わせが悪い

かみ合わせが悪いと、奥歯に無理な力がかかり、痛みを感じることがあります。

不適切なかみ合わせは、歯の磨り減りや歯根への過剰な圧力、顎関節症の発症リスクの増加など、さまざまな問題を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

このケースでは、特に硬いものを噛んだときや、食事のときに痛みが大きくなることがあります。医師による詳しい診断が必要なため、症状が続く場合は早めに相談しましょう。

歯が割れている(歯根破折)

歯が割れている場合、その裂け目から細菌が侵入し、痛みを引き起こすことがあります。

割れた歯は噛む力をうまく分散できず、特定の点に圧が集中するため痛みを感じやすくなるのです。

特に大きな虫歯の治療を行った歯や、大きな詰め物やクラウンで補強されている歯は、割れやすくなっています

治療方法は割れの程度によって異なり、クラウン治療による補強や歯の根管治療、場合によっては抜歯が必要になることもあります。

歯肉炎

歯肉の炎症である歯肉炎も、奥歯の痛みの原因となることがあります。

歯肉炎はプラークの蓄積が主な原因で、適切な口内衛生が行われていない場合によく見られます。腫れ、赤み、出血が主な症状で、時には痛みを伴うこともあります。

治療には、歯科医院でのクリーニングと定期的な口内衛生の改善が必要です。歯肉炎を放置すると、より深刻な歯周病へと進行する可能性があります。

歯周病

歯周病は歯肉炎が進行し、歯を支える骨にまで影響を及ぼす病気です。

初期段階では痛みを感じることが少ないですが、病気が進行すると歯がグラグラする、噛むと痛い、といった症状が現れることがあります。

重度の歯周病では歯の喪失に至ることもあるので、早期発見・早期治療が重要です。治療方法には、歯石の除去や感染した組織の除去などがあります。

知覚過敏

知覚過敏では、冷たい飲み物や甘い物を食べた時に奥歯が痛む原因となることがあります。

この状態は歯のエナメル質が損傷することで起こることが多く、歯の根が露出すると症状が現れやすくなります。

対処法としては、知覚過敏症専用の歯磨き粉の使用や、歯科医師によるフッ素塗布が効果的です。

歯根膜炎

歯根膜炎は、歯と歯を支える骨の間にある歯根膜に炎症が生じる疾患です。

この炎症は歯へ過剰な力がかかったり、歯周病、重度の歯の感染などによって引き起こされることがあります。

歯根膜炎の治療法は原因によって異なり、原因となる菌の除去や、歯の固定、マウスピース治療など原因に合わせた処置を行います。

奥歯が痛む場合に歯以外で考えられる痛みの原因

虫歯じゃないのに歯が 痛い奥歯

奥歯の痛みというと、虫歯や歯周病といった歯や歯茎の問題を思い浮かべがちですが、実はそれ以外にもいくつかの原因が考えられます。

身体の他の部分の異常が、奥歯の痛みとして感じられることもあるのです。

この痛みが起こる原因として、神経痛、片頭痛、上顎洞炎、心臓病などが挙げられます。

ここでは上記の原因についてそれぞれ解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

咀嚼筋(筋肉)の痛み

食いしばりや歯ぎしりが原因で咬筋が過度に緊張すると、頬や頭、首周りの筋肉痛が奥歯に痛みとして感じられることがあります。

歯自体には異常が見られないのに奥歯が痛む場合、咀嚼筋の炎症が原因かもしれません。

このような筋肉痛は、マッサージや温湿布を使用することで、徐々に症状を和らげることが可能です。

筋肉が原因の痛みは、時として歯痛と誤解されやすいため、正確な診断が重要です。

片頭痛

奥歯の痛みの原因が、片頭痛や群発頭痛といった頭痛が関係しているケースもあります。

特に片頭痛では、上顎の奥歯や下の犬歯に痛みや不快感を引き起こすことがあります。また、場合によっては感覚過敏や吐き気を伴うこともあるでしょう。

群発頭痛は激しい痛みが特徴で、しばしば歯の痛みと誤認されることがあります。

神経痛

顔面の神経痛やウィルス感染が原因となり、歯の痛みを感じることがあります。

特に三叉神経痛は、洗顔や歯磨き時に特定の顔のポイントに触れるだけで強い痛みが発生する場合があります。

このような神経障害性歯痛は帯状疱疹によって引き起こされることのある歯痛としても知られており、眠れないほどの痛みになるケースも想定されます。

適切な治療を受けるためにも、我慢せずできる限り早めに歯科医院を受診しましょう。

上顎洞の炎症

風邪を引いた際に上顎洞に炎症や腫れが起こると、上顎洞を通る奥歯の神経が圧迫され、奥歯に痛みが出ることがあります。

これは上顎洞性歯痛と呼ばれ、耳鼻咽喉科での治療が主になります。

心臓病

稀なケースですが、狭心症や心筋梗塞などの心臓病が原因で歯が痛むことがあります。

心臓病によって引き起こされる歯の痛みは広範囲に及び、胸や背中への痛みが伴うことも少なくありません。

心臓病が原因となっている場合、命の危険があるため直ちに病院を受診する必要があります。

虫歯じゃないのに奥歯が痛い場合の対処法

虫歯じゃないのに歯が 痛い奥歯

虫歯の痛みの原因がはっきりしない場合、自分でできる対処法を実践しつつ、医師にアドバイスを求めることが重要になります。

ここでは簡単な対処法を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

痛み止めを服用する

痛みが強い場合、市販の痛み止めを服用することで痛みに対処できます。

ただし、これは痛みを一時的に緩和しただけに過ぎず、痛みの根本原因を解決するわけではありません

薬を飲んで痛みが治まったからと放置せず、なるべく早めに歯科医師の診察を受けるようにしましょう。

患部を冷やす

奥歯が痛む場合、患部を冷やすことで痛みを軽減できる場合があります。

氷のうや冷たいものを布で包み、痛んでいる側の頬に当てることで、局所的に炎症を抑え、痛みを和らげる効果が期待できます。

ただしこの方法もまた一時的な対策であり、冷やしすぎには注意が必要です。

口腔ケアを徹底する

奥歯の痛みを抱えているときでも、日常の口腔ケアは欠かせません。

細菌が痛みの原因になっている可能性もあるため、正しい歯磨きの方法で優しく丁寧にブラッシングしましょう。抗菌作用のある口腔洗浄液を使うのもおすすめです。

また、フロスや歯間ブラシを用いて、歯と歯の間の清掃を忘れずに行いましょう。

食べたものが歯茎に押し込まれて傷んでいる可能性もあり、取り除くことで痛みが治まるかもしれません。

ツボを刺激する

歯が痛むとき、ツボを刺激することで痛みを和らげる効果が期待できます。

例として、手の「合谷」というツボがあります。

親指と人差し指の骨の間、手の甲側に位置するツボで、ここを優しくマッサージすることにより、全身の痛みを軽減することが可能です。

また、足の「足三里」というツボも同様の効果が期待できます。

これらのツボの刺激は医療行為ではありませんが、痛みの緩和に一時的に役立つ場合があります。ツボを刺激する際には力の入れ過ぎに注意しましょう。

歯医者に相談する

自己処置を試しても痛みが改善しない場合、または痛みがひどく日常生活に支障をきたしている場合は、速やかに歯科医院を訪れることが重要です。

歯科医院で詳しい検査をして痛みの原因を確かめることで、適切な治療を受けられます。さらに、歯科医院では将来的な問題を予防するためのアドバイスを受けられることもメリット。

しっかりと予防に力を入れれば、歯や歯茎の病気など歯が痛む原因を取り除くことができます。

歯の健康は全身の健康にも影響するため、痛みが長引く場合は放置するのではなく、早めに歯科医院を受診しましょう。

まとめ

奥歯が痛む原因は虫歯だけではありません。

歯根に膿が溜まっている、かみ合わせの不具合、歯が割れている、歯肉症や歯周病、知覚過敏、歯根膜炎など様々です。

さらに歯以外の原因として、筋肉痛、神経痛、片頭痛、上顎洞炎、心臓病などが挙げられます。

奥歯が痛む場合の対処方法は、痛み止めの服用、患部の冷却、口腔ケアの強化、ツボ押しなどがありますが、いずれも一時的な対処となり、根本的な解決にはなりません。

自分ではお口の中が見えないだけで、奥まった部分に虫歯が隠れている可能性もあります。

虫歯以外の病気が原因となっている場合もあるため、痛みがある場合は放置するのではなく、適切な対応を早期に行うことが大切です。

下高井戸パール歯科クリニックでは、痛みを抑えつつ、可能な限り歯を削る量を抑え、神経を守る治療を行っています。

「虫歯じゃなのに奥歯が痛い」「原因不明の歯痛に悩まされている」という方はぜひ一度お気軽にご相談ください。