「寝ても疲れがとれない」「日中ずっと眠気に襲われている」とお悩みではありませんか?
疲れている証拠のひとつとしてよく挙げられるいびき。
寝ても疲れがとれないのは、もしかするといびきが原因かもしれません。
本記事では、疲れによるいびきの原因とその対処法について解説します。
寝ても疲れがとれないとお困りの方、睡眠の質をアップさせたい方はぜひ本記事を参考にしてください。
いびきをかくのは疲れが原因?
いびきは何が原因で発生するのでしょうか。
ここでは、疲れといびきの関係や、いびきのメカニズムについて解説します。
疲れはいびきをかく原因のひとつ!
結論から述べると、疲れはいびきをかく原因のひとつです。
ただし、疲れていると必ずいびきをかくというわけではありません。
疲れはあくまでいびきをかきやすくする要因のひとつだといえるでしょう。
そもそも、いびきは寝ている間に何らかの理由で気道が狭くなることによって起こります。
疲れていると身体が休もうとするため、普段よりも喉周りの筋肉がゆるみ、舌が気道を狭めることによっていびきの症状が出るのです。
いびきの仕組み
いびきの仕組みについて、もう少し詳しくみていきましょう。
正常に呼吸ができている場合、鼻から入った空気は気道をスムーズに通過して肺へと入ります。
しかし、何らかの理由で気道が狭くなると、鼻から入った空気が気道でつっかえてしまうため、空気の振動によって「ガーガー」と音が出るのです。
これがいびきの主なメカニズムとされています。
起きているときにいびきをかかないのは、呼吸がスムーズにできるよう筋肉の働きによって気道を確保しているからです。
一方、寝ているときは無意識に筋肉がゆるむため、喉周りの構造や筋肉のゆるみ具合によっては気道が確保されず、いびきの症状が出ます。
いびきは睡眠の質を下げる!
いびきには、一時的なものと慢性的なものがあります。
一時的ないびきであればそこまで問題はありませんが、慢性的ないびきは睡眠の質を下げる可能性があるため、注意が必要です。
以下の項目に当てはまる場合は、いびきによって睡眠の質が低下しているかもしれません。
- しっかり寝ているはずなのに疲れがとれない
- 朝の目覚めが悪い
- 夜中にいびきで何度も起きてしまう
- 日中は眠くて集中できない
いびきは、気道付近で吸った空気がつっかえるため、肺や脳に十分な酸素が行きわたらず、睡眠中に息苦しさを感じている可能性があります。
また、大きないびきをかいている場合は、自分のいびきの音が脳を刺激し、脳をしっかり休められていないかもしれません。
慢性的ないびきは日常生活に支障がでる恐れがあるため、早めの対処をおすすめします。
疲れているといびきをかいてしまうのはどうして?
そもそも、疲れているといびきをかくのはどうしてなのでしょうか。
疲れがいびきの原因となる主な理由は、次の2つです。
- 口呼吸になるため
- 口周りの筋肉がゆるむため
それぞれの理由について詳しくみていきましょう。
口呼吸になっている
人は、疲れていると口呼吸になります。
それは、脳が疲労を回復するために普段よりも酸素を取り込もうとするからです。
疲労が溜まっていた日の翌朝は、口が乾燥していたり、よだれを垂らしていたりした経験がある方もいるのではないでしょうか。
口呼吸は、鼻呼吸よりも入ってくる空気の量が多くなります。
口呼吸をしていると、気道を通る空気が普段より多くなるため、普段はいびきをかかない方でも疲れているといびきをかきやすくなるのです。
筋肉がゆるんで気道が狭くなっている
疲れによって口周りの筋肉がゆるむのも、いびきの原因のひとつといえます。
疲れているときは脳が身体を休めようとするため、副交感神経が働いて筋肉がゆるみます。
口周りの筋肉がゆるむと、舌が喉奥に落ち込んで気道を圧迫し、いびきをかきやすくなるのです。
疲れによって、元々いびきをかかない方はいびきをかきやすく、普段からいびきをかいている方はいびきの音が大きくなるといえるでしょう。
疲れ以外のいびきをかく原因
疲れ以外にも、いびきをかく原因にはさまざまなものがあります。
ここでは、疲れている以外でいびきの原因となる行動や、いびきをかきやすい方の特徴についてみていきましょう。
寝る前にお酒を飲んだ
アルコールには、筋肉を弛緩させる作用があります。
筋肉がゆるむと口呼吸になったり、舌が喉奥に落ち込んで気道が狭くなったりするため、いびきが出る原因に。
特に、寝る直前にお酒を飲むと、寝ている間にいびきをかきやすくなります。
寝つきをよくするためにお酒を飲む方もいるかもしれませんが、いびきによって睡眠の質が悪くなるため注意する必要があるでしょう。
太っている
太っている方も、いびきをかきやすくなります。
肥満は、いびきをかきやすい方の特徴の中でも、特にいびきと密接に関わりあっている項目です。
肥満になると、首回りや喉、舌などに脂肪が付きやすくなります。
そのため、気道を圧迫しやすく、いびきをかきやすくなるのです。
また、肥満は短期間で解消できる問題ではないため、肥満体型の方は慢性的にいびきをかきやすいといえるでしょう。
あごが小さい
骨格的にあごが小さい方も、いびきをかきやすい方の特徴に当てはまります。
あごが小さいと、仰向けで寝たときに舌が喉奥に落ちやすくなるため、気道が狭まりやすくなるのです。
また、次のような骨格の方もいびきをかく可能性があります。
- 歯のかみ合わせが悪い
- 歯並びが悪い
- 出っ歯
- 鼻の骨が曲がっている
このような骨格の方は、仰向けになった際に下あごが下がって口呼吸になりやすいため注意しましょう。
仰向けで寝ている
寝るときの体勢も、いびきに影響します。
中でも、いびきをかきやすいのは仰向けで寝ている方です。
仰向けで寝ると、太っていない方でも舌が喉奥に落ち込みやすくなり、気道を狭めます。
そのため、普段から仰向けで寝るのが習慣になっており、他の寝方が落ち着かない方はいびきをかいている可能性があるでしょう。
枕の高さが合っていない
寝るときに枕の高さが合っていない場合も、いびきをかきやすくなります。
枕には適切な高さがあり、高すぎるのも低すぎるのもNGです。
枕は、高すぎるとあごの肉で首が圧迫される可能性があり、逆に低すぎると気道が狭くなったり首が伸びきって寝づらくなったりする恐れがあります。
疲れによるいびきを改善する方法
疲れによっていびきをかいている場合は、以下の方法が効果的です。
- ストレスを発散してリラックスする
- 横向きで寝る
- 枕の高さを変える
- 寝る前の飲酒を避ける
それぞれの方法について詳しく解説します。
ストレスを発散してリフレッシュする
日ごろからストレスを抱えていると、疲れが溜まりやすくなるため、定期的にストレスを発散することが大切です。
以下の方法から、自分に合うストレス発散方法を見つけてぜひ試してみてください。
- 適度に運動をする
- 音楽を聴く
- 美味しいご飯を食べる
- 湯舟につかる
- 友だちや家族などに悩みを聞いてもらう
自分に合ったストレス発散方法を知っておくと、疲れが溜まりにくくなって身体もリラックスするため、いびきの改善が期待できるでしょう。
横向きで寝る
寝る姿勢を変えるのも、いびきを改善する効果が期待できます。
おすすめは横向きで寝ることです。
横向きで寝ると舌が喉奥に落ち込むのを防ぐことができるため、いびきをかきにくくなります。
ただし、普段から仰向けで寝るのに慣れている方は、いきなり横向きで寝ると寝苦しく感じる場合もあるでしょう。
その場合は、抱き枕を使用したり、寝付くまで横向きをキープしたりするなど、無理のない方法で横向き寝に慣れてください。
枕の高さを変える
枕を適切な高さに変えるのも、いびきが改善する可能性があります。
いびきの原因となる行為でもお伝えしたように、枕は高すぎても低すぎてもいけません。
適切な枕の高さの目安としては、仰向けで寝たときに目線が真上もしくは少し足側になるのが良いとされています。
そのため、枕の高さが合っていない方は、タオルなどを活用して適切な高さに調節しましょう。
寝る前の飲酒を避ける
寝る前の飲酒を控えるのも、いびき改善におすすめの方法です。
寝る直前の飲酒をやめると、寝ている間の筋肉弛緩を最小限に抑えられるため、気道がふさがりにくくなります。
そのため、晩酌後にすぐ寝てしまう方や、寝つきを良くするために寝酒をしている方は、意識的に寝る前の飲酒を控えましょう。
いびきの症状がひどい場合は病院を受診しよう!
いびきには重大な病気のリスクが隠れている可能性があります。
ここでは、病気のサインとなるいびきの特徴や、いびきの治療法について紹介します。
いびきは病気のサインかも!
次のようないびきの特徴に当てはまる方は、注意が必要です。
- ほぼ毎日いびきをかいている
- 朝までいびきが続いている
- 呼吸が一瞬止まって起きることがある
- いびきの音が大きい
これらの特徴に当てはまる方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間、気づかないうちに呼吸が止まってしまう病気です。
一瞬とはいえ、呼吸が止まると脳に酸素が供給されなくなるため、脳にも身体にも大きな負担がかかります。
症状をそのまま放っておくと、脳卒中や心疾患を引き起こす可能性があるため、早めに病院で治療しましょう。
いびきの治療法
病院でできるいびきの治療法としては、次の方法が挙げられます。
- CPAP療法
- マウスピース
それぞれの治療法について、以下で詳しくみていきましょう。
CPAP(シーパップ)療法
シーパップ療法とは、主に睡眠時無呼吸症候群に対する治療法です。
加湿器のような機器からホースでつながったマスクを鼻に装着して眠ると、寝ている間中ホースから鼻に直接空気が送られます。
鼻から常に一定量の空気が送られるため、気道が狭まるのを未然に防ぐことが可能です。
シーパップは保険適用内で受けられるため、気軽にいびき治療を行えるでしょう。
マウスピース
マウスピースもいびき治療のひとつです。
いびきは、寝ている間に筋肉のゆるみから下あごが後方に下がり、舌が喉奥に落ち込むことで気道を圧迫して起こります。
そこで、筋肉のゆるみで下あごが後方に下がらないように、受け口の状態で上下の歯を固定するのがいびき用のマウスピース治療です。
仰向けで寝ても下あごが後方に下がらないため、いびきをかきにくくなります。
いびき用のマウスピースは、病院で睡眠時無呼吸症候群だと診断されれば保険適用内で使用できるため、一度病院で検査してもらうのがよいでしょう。
まとめ
本記事では、疲れによるいびきの原因と、その対処法について解説しました。
疲れによるいびきは、寝ている間に口呼吸になることや、筋肉のゆるみで気道が狭くなることによって起こります。
疲れからいびきをかいている可能性がある方は、以下の対処法を試してみましょう。
- ストレスを発散する
- 横向きで寝る
- 枕の高さを変える
- 寝酒を控える
また、下高井戸パール歯科クリニックでは、いびきに関する悩み相談やアドバイスを行っています。
いびきのせいで寝ても疲れがとれない方、睡眠の質を向上させたい方はぜひ、下高井戸パール歯科クリニックの受診をご検討ください。
下高井戸パール歯科クリニック・世田谷
大原庸子