
「虫歯が痛すぎて寝れない」
「虫歯が痛い時は悪い状態なの?」
虫歯が痛い時は症状が進んだ状態なのか、どのように対処するべきか、気になっている方は多いのではないでしょうか。
虫歯が痛い時は、ある程度虫歯が進行している状態です。そのため、痛みに気がついた際にはすぐに治療を始める必要があります。
この記事では、虫歯が痛い時の原因や対処法、控えたほうがいい行動などを紹介しています。
虫歯が痛くて困っている方は、ぜひ最後までお読みください。
虫歯が痛い時の原因

虫歯が原因で歯が痛い時には、虫歯がかなり進行した状態であると考えられます。
虫歯で痛みを感じる場合、歯の神経にまで虫歯が達している可能性が高いです。
歯は、外側からエナメル質、セメント質、象牙質の階層になっています。歯が痛む場合は、虫歯が進行して歯に穴が空き、象牙質まで達した状態です。
歯の神経にまで虫歯が達すると、ズキズキとした激しい痛みを感じることがあります。
歯の神経にまで虫歯菌が達している場合は、神経を抜き、被せ物をする処置が必要です。
痛みを放置しておくと、神経が死んでしまったり、歯の冠部分が崩壊してしまったりする可能性があります。
抜歯しか選択肢がなくなってしまうこともあるため、健康な歯を残すためにも、歯の異常に気がついた場合にはすぐに歯科医院を受診しましょう。
虫歯の進行度と痛み

虫歯の進行度は、C0〜C4までに分けられます。初期の虫歯であれば痛みを感じることはありませんが、ある程度進行するとズキズキとした痛みを感じるようになるでしょう。
ここでは、虫歯の進行度別に症状や痛みについて紹介します。
C0
C0の場合、ごく初期の状態で自覚症状はほとんどありません。
歯の表面が白っぽい状態になっています。治療が必要な状態ではなく、クリーニングや正しい歯磨きをすれば虫歯の進行を防げます。
この段階では痛みが生じることはありません。
C1
C1は、虫歯の菌が歯の表面のエナメル質を溶かしている状態です。C1になっても正しい歯磨きを継続すれば進行しない場合もあります。
痛みを感じることはなく、歯科医院によっては経過観察になることもあります。
C2
C2は歯のエナメル質より内側の象牙質にまで虫歯が達した状態です。
冷たいものを食べたり飲んだりしたときに歯に痛みを感じることがあるでしょう。
C2まで症状が進むと、自覚症状が出てくる方も多いです。
C3
C3は、神経にまで虫歯菌が達した状態です。炎症が起こっているため、ズキズキとした痛みが生じます。
虫歯菌が根元の部分まで達して骨を溶かしてしまうこともあるため、根元の消毒や、場合によっては神経を抜く治療が必要です。
C4
C4は、歯の冠部分が崩壊し、根元だけになった状態です。この状態になると抜歯が必要になるケースもあります。
神経が死んでしまっているため痛みを感じないこともありますが、膿が溜まって周りの歯に影響を及ぼしたり、全身に悪影響が生じたりすることもあるため、早めの治療が必要です。
虫歯が痛い時の応急処置

虫歯が痛い時には、できるだけ早く歯科医院を受診することが大切です。
しかしながら、やむを得ない事情ですぐに歯科医院を受診できない場合は、応急処置をすれば痛みが多少和らぐ可能性があります。
虫歯が痛い時には、以下の対策をしてみましょう。
- 虫歯部分を冷やす
- しっかりと歯磨きする
- ツボを押す
- 鎮痛剤を使用する
- 正露丸を詰める
応急処置で痛みが多少和らいだとしても、必ず歯科医院を受診し、これ以上虫歯が悪化しないように治療してください。
虫歯部分を冷やす
虫歯部分を冷やすことによって、一時的に痛みが和らぐことがあります。
歯が痛む原因は、血液量が増えることによって神経を圧迫するためです。患部を冷やすと血流が悪くなるため、痛みが和らぐでしょう。
患部を冷やす際は、保冷剤をタオルにくるんで頬に優しく当てましょう。
直接保冷剤を肌に当てたり、長時間当て続けたりすると肌が低温火傷になることもあるため、注意してください。また、冷却シートを頬に貼るのもいいでしょう。
しかし、歯周病や知覚過敏などの場合は冷やすことによって痛みが悪化することもあるため、注意してください。
しっかりと歯磨きする
虫歯の痛みには、歯磨きも効果的です。虫歯で歯に穴が開いている場合、そこに食べかすが入ることで痛みが生じている可能性があります。
そのため、口をゆすいだり歯磨きをしたりして汚れを落とすと良いでしょう。
ツボを押す
痛みが強い時には、ツボを押してみるのも効果的です。ツボを押すことで症状が和らぎます。
痛みを和らげるツボには、合谷や頬車などが挙げられます。
合谷は、手の甲側の親指と人差し指の付け根にあるツボです。親指をツボの部分に当てたら残りの指を手のひらに当てて、軽く痛みを感じるくらいの力加減で押してください。
頬車は、耳たぶとエラの張った部分の間にあるツボです。むくみを取って顔をすっきりと見せる効果などがあるツボですが、虫歯の痛みにも効果があります。
ツボを押すときには、虫歯の痛みが強い状態ではなく、痛みを感じたタイミングで押すようにしましょう。
鎮痛剤を使用する
虫歯の痛みが強く、日常生活に支障が出る場合などは、鎮痛剤を使用しましょう。
歯科医院で処方してもらえる鎮痛剤としてはロキソニンが有名ですが、ドラッグストアなどでもロキソニンSという名称の鎮痛剤が販売されています。
そのほかにも、バファリンやカロナールなどの鎮痛剤があります。
一時的に痛みは和らぎますが、薬の効果が切れるとまた痛むため、あくまで応急処置として使用してください。
ただし、虫歯の症状がひどい場合や神経まで虫歯菌が達している場合は、鎮痛剤が効かないことがあります。
正露丸を詰める
虫歯が痛む部分に正露丸を詰めると痛みが和らぐことがあります。
正露丸に配合されている成分には、歯科医院で痛みを和らげる際や、歯根の消毒に使う際に使用する薬剤と同じ成分が含まれています。
患部に直接詰めることで、鎮痛剤よりもすぐに効果があらわれるでしょう。
しかし、歯が痛む際に歯を強く触ると、痛みが強くなる可能性があります。正露丸を詰める際は、歯にできるだけ優しく触れるようにしましょう。
虫歯が痛い時に控えたほうがいい行動

虫歯が痛い時に誤った行動を取ると、さらに痛みが強くなる可能性があります。
虫歯の痛みが気になるときは、以下の4つを避けたほうがいいでしょう。
- 飲酒
- 喫煙
- 激しい運動や入浴
- 刺激を与える
虫歯の痛みが強くなるのは、歯に刺激を与えたときや、血行が良くなることです。これらの行動を避けて安静に過ごしましょう。
飲酒
虫歯が痛い時には、飲酒は控えましょう。お酒を飲むと血流が良くなるため、より痛みが増す可能性が高いです。
アルコールが体内に入ると神経中枢が麻痺し、痛みが和らいだように感じることもありますが、これは一時的な症状です。
お酒を飲む前よりも痛みが強くなり、夜寝られなくなることもあるため、虫歯の痛みが気になる時にはアルコールは控えましょう。
喫煙
喫煙も虫歯の症状を悪化させる可能性があるため、できるだけ控えましょう。
タバコには、歯や歯茎に悪影響を与える有害物質が含まれています。
虫歯を悪化させるだけでなく、治癒力も悪化させる可能性があるため、歯に痛みがある際は控えることが大切です。
激しい運動や入浴
激しい運動や入浴も、虫歯の痛みがある際には控えましょう。
激しい運動や入浴によって血流が良くなると、歯の痛みが強くなる可能性があります。
入浴については、血行を促進しないように、ぬるめのシャワーで済ませるなど、対策してみてください。
刺激を与える
虫歯の痛みが気になる時は、歯に刺激を与えないようにしましょう。
痛みがあるとその部分が気になり、触ったりつまようじで押したりする方もいるかもしれません。
しかし、刺激を与えると穴の開いた部分にさらに痛みを感じることがあります。歯に詰まった汚れを取る際には、歯を刺激しないように優しく触れるようにしましょう。
また、熱いものや冷たいもの、辛いものなども虫歯に刺激を与えてしまいます。
できるだけ歯に刺激を与えないような食生活を心がけてみてください。
虫歯の予防方法

一度虫歯になってしまうと、歯を元通りにすることはできません。
また、悪化してしまうと神経を取ったり最悪の場合は抜歯したりしなければいけないため、心身に負担がかかります。
治療の際にも悪化すればするほど費用や時間がかかるため、虫歯を予防し、健康な歯を維持することが大切です。
虫歯の予防方法には、以下が挙げられます。
- 歯磨きを徹底する
- こまめに水分をとる
- バランスの良い食生活を送る
- 定期的に歯科検診を受ける
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
歯磨きを徹底する
口内の汚れを落とすために、歯磨きを徹底しましょう。
歯磨きを小刻みに動かして、歯の表面や、歯と歯茎の汚れを落とします。歯と歯茎の境目は45度の角度にして汚れを掻き出すように磨きましょう。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使うのもおすすめです。
歯と歯の間や歯と歯茎の境目は、特に虫歯になりやすい場所です。
歯磨きだけでは汚れが落としにくいため、最低でも1日1回はデンタルフロスや歯間ブラシを使用して汚れを落とすといいでしょう。
こまめに水分をとる
口内を乾燥させないように、こまめに水分をとりましょう。
口内の水分が少なくなると、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や口臭のリスクが高まります。
水分をとることで簡単に口内環境を整えられるので、虫歯対策が可能です。
バランスの良い食生活を送る
虫歯になりやすい食べ物や飲み物を避けて、バランスの良い食生活を送りましょう。
糖分を多く含む食べ物や飲み物は、虫歯の原因になります。特に、チョコレートやソフトドリンクなどは、虫歯のリスクを高めます。
間食を減らすことで口内が酸性になる頻度を少なくでき、虫歯のリスクを下げられるでしょう。
カルシウムを豊富に含む乳製品やビタミンCを含む野菜や果物などは、歯と歯茎の健康を保つのに役立ちます。
また、キシリトールが含まれたガムを噛むと口内の酸を中和してくれるため、簡単に虫歯対策ができます。
定期的に歯科検診を受ける
日々のケアも大切ですが、定期的に歯科検診を受けることも大切です。
自分では気づかなかった虫歯の兆候にも気がつくことができるため、早めに治療を開始できます。
また、歯磨きでは落とせなかった歯垢などのクリーニングもできるため、虫歯のリスクを下げられるでしょう。
歯科検診の頻度は、3ヶ月〜6ヶ月に1回が目安です。歯や歯茎の状態を確認し、医師と相談した上で受診頻度を決めましょう。
虫歯の痛みに関するよくある質問

最後に、虫歯の痛みに関するよくある質問についてお答えします。
虫歯の痛みはどれくらい続く?
虫歯が神経まで達している場合、夜眠れないほどのズキズキとした激痛が3〜4日ほど続くでしょう。
その後はあまり痛みを感じなくなりますが、これは神経が死んだためです。
痛みがなくなったからといって放置するとどんどん口内状態が悪くなり、歯を支える骨に影響を与えてしまいます。
痛みに気づいたらすぐに歯科医院を受診しましょう。
虫歯は自力で治せる?
ごく初期の虫歯であれば、適切な歯磨きで症状が改善することもあります。
しかし、進行した虫歯は自然に治ることはないため、歯科医院での治療が必要です。
虫歯を痛いと感じる時には症状が進んでいると考えられるため、自力で治せる可能性は低いでしょう。
虫歯の手遅れの症状は?
虫歯が手遅れになる症状は、神経など、歯の奥まで虫歯菌が達している状態です。
虫歯が進行すると虫歯菌が血流に乗って全身に広がり、心臓病や脳血管疾患などの全身疾患のリスクが高まります。
手遅れになった場合は、神経を抜いたり、抜歯をしたりして、代わりにインプラントやブリッジ、入れ歯など噛む機能を補う治療をします。
まとめ
虫歯が痛い時は、症状がある程度進行していると考えられます。
虫歯菌が歯の内部にある神経にまで到達している可能性もあるため、すぐに治療を受ける必要があるでしょう。
ただし、やむを得ない事情ですぐに治療を受けられない場合は、患部を冷やしたり、鎮痛剤を飲んだりするのが効果的です。
対処法で一時的に痛みを和らげてから、なるべく早めに歯科医院を受診するようにしてください。
「下高井戸パール歯科クリニック・世田谷」では、痛みに配慮した治療を行っています。歯の状況を見極め、削る必要のない場所を無駄に削ることはせず、できるだけ歯を残せるように治療しています。
患者様の悩みに寄り添って治療方針を提案しておりますので、まずはお気軽にカウンセリングにお越しください。
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