子どもは虫歯になりやすい？予防法や放置するリスクを紹介

「子どもの歯は虫歯になりやすいの？」

「子どもの歯を虫歯にしない方法が知りたい」

子どもの歯は永久歯と比べて虫歯になりやすいのか、気になっている方も多いでしょう。

子どもの歯は、永久歯と比べてエナメル質が弱く、歯磨きも自分でしっかり行えないため、虫歯になりやすいと言われています。

そのため、周りの大人がしっかりと管理してあげることが大切です。

この記事では、子どもの歯が虫歯になりやすい理由や、虫歯を避けるための対処法などを詳しく紹介しています。

子どもの虫歯について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

虫歯の原因とは

虫歯の原因は、歯垢に潜むミュータンス菌などの細菌です。口内の細菌が、食べ物に含まれる糖分を摂取・分解し、酸を出すことで虫歯が発生します。

食べ物や飲み物に含まれる糖質は、ミュータンス菌が酸を出すためのエサになります。

間食が多いお子さんや甘いものを食べる習慣が多いお子さんは、酸が多く出てしまい、酸にさらされる時間も長いため、虫歯になりやすいのです。

また、歯の質によっても、虫歯になりやすくなります。特に乳歯や永久歯が生えたばかりの子どもは歯が弱く、虫歯になりやすいです。

子どもの歯の管理は、大人がしっかりしてあげましょう。

子どもの歯が虫歯になりやすい理由

子どもの歯は永久歯よりも虫歯になりやすいと言われています。子どもの歯が虫歯になりやすい主な原因は、以下の4つです。

• エナメル質が少ない
• 自分できちんと歯磨きできていない
• 親から虫歯菌に感染する
• だらだら食べをしている

子どもの歯は永久歯よりも弱く、また自分できちんと管理ができないことから、虫歯になりやすいです。それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

エナメル質が少ない

子どもの歯（乳歯）のエナメル質は、永久歯の半分しかないと言われています。

エナメル質とは、歯の一番外側にある層です。主に歯を保護する役割を果たしています。

このエナメル質が少ないため、歯を保護する力が永久歯よりも弱く、虫歯になった際に早く進行しやすいと言われています。

自分できちんと歯磨きできない

子どもは自分できちんと歯磨きができないため、虫歯になりやすいとも言われています。

子どもが自分だけで歯磨きをする場合、奥歯や新しく生えてきた歯などの磨き残しが出やすく、その部分から虫歯になりやすいです。

時間をかけて歯磨きをしていても磨き残しが多い場合は、虫歯になってしまいます。

歯科医院で年齢に応じた歯磨きの仕方を教わったり、毎食後親が仕上げ磨きをしたりと、子どもだけに歯の管理をさせないように注意しましょう。

親から虫歯菌に感染する

親から虫歯菌に感染する可能性もあります。

生まれたばかりの赤ちゃんの口内には、虫歯菌は存在しません。親など周囲の人からの唾液を介して虫歯菌に感染すると言われています。

親からの口移しや食器の共有などを行っていると、そこから虫歯菌に感染します。また、子どもに話しかけるだけでも虫歯菌が移ると言われているため、完全に感染を防ぐのは難しいです。

親が虫歯や歯周病の場合は感染しやすくなるので、親の歯もきちんと管理する必要があるでしょう。

だらだら食べをしている

長い時間をかけておやつをだらだら食べていたり、間食の回数が多かったりすると、虫歯ができやすくなります。

糖分は虫歯菌のエサになるため、食事やおやつを食べる回数が多いと、虫歯になりやすくなるのです。

また、長い時間かけておやつを食べていると、唾液による再石灰化や自浄作用が追いつかなくなるため、酸が出続けて虫歯になりやすくなります。

糖分の含まれたおやつや飲み物はなるべく控え、間食の時間は30分以内と決めるといいでしょう。

子どもの歯の進行は早い

子どもの虫歯の進行は、永久歯と比較して早いです。

永久歯と比較してエナメル質が薄く酸に弱いため、虫歯になるとすぐに進行しやすくなります。

さらに、子どもは虫歯の痛みや兆候に気がつくのが難しいため、気づいたときにはかなり進行していたというケースもあります。

初期虫歯は酸によってエナメル質が溶けた状態です。この場合、歯が白く濁ったように見えることがあります。

また、白い斑点が見えることもあります。これは、ホワイトスポットと呼ばれる初期の虫歯の症状です。

子どもの歯は小さく、白っぽくなっても気がつくのがとても難しいです。そのため、親が仕上げ磨きの際に確認しても、すぐに気が付かないことがあるでしょう。

虫歯がないと思っていても気が付かないうちに進行していることもあるため、定期的に歯科医院に連れて行ったりすることが非常に重要です。

子どもの虫歯ができやすい場所

子どもの虫歯ができやすい場所は、以下の場所です。

• 歯と歯の間
• 奥歯
• 上の前歯

子どもの虫歯は、磨きにくい場所にできやすくなります。上記の場所はよく注意して磨くことが大切です。

歯と歯の間

子どもの虫歯は、歯と歯の間にできやすいと言われています。子どもの歯はとても小さいため、歯と歯の間に虫歯ができても気づきづらく、進行しやすいことも特徴です。

特に子どもの歯の奥歯と奥歯の間には隙間がないことが多く、歯ブラシだけで汚れを落とすのが難しいです。歯ブラシだけで汚れを落とせない場合は、デンタルフロスや歯間ブラシも使用して汚れを落とすと良いでしょう。

また、上顎の前歯と前歯の間も同様に磨きづらく、親からも見えづらいため、虫歯になっても気が付かないことがあります。

歯科医院で初めて虫歯に気がつくこともあるでしょう。

奥歯

奥歯は虫歯になりやすい場所です。

奥歯は歯の表面が凸凹とした形をしています。そのため、凸凹した部分に汚れが溜まりやすく、磨き残しが多くなってしまうのです。

また、前歯に比べて歯ブラシが届きづらいため、汚れに気が付かず、きちんと磨いていないお子さんも多いでしょう。

上の前歯

上の前歯も虫歯になりやすい場所です。前歯は虫歯の発生率が低いですが、上顎の前歯は唾液が付きにくく乾燥しやすい場所のため、虫歯になりやすいのです。

また上顎の前歯は食べ物を食べた際に汚れが付着しやすいため、毎日しっかりと磨かなければ虫歯になってしまいます。

歯が茶色っぽかったり黒っぽかったりする場合は虫歯が疑われるため、早めに歯科医院に連れて行きましょう。

子どもの虫歯を放置した場合のリスク

子どもの虫歯を放置すると、下記のようなリスクがあります。

• 他の歯も虫歯になりやすい
• 顎の発育に影響する
• 生え替わりがうまくいかない
• 永久歯の萌出遅延につながることがある

それぞれのリスクについて、詳しく見ていきましょう。

他の歯も虫歯になりやすい

虫歯を放置すると、他の歯も虫歯になりやすくなります。

虫歯になった際には、口内に虫歯の原因になる、ミュータンス菌などの細菌が潜んでいると考えられます。細菌がいると、歯が次々と虫歯になることも考えられるでしょう。

特に虫歯の歯と接している歯は虫歯になりやすいため、注意が必要です。

顎の発育に影響する

子どもの歯が虫歯になると、顎の発育にも影響を及ぼす可能性があります。顎の発達は食べ物をしっかりと噛むことで進みます。

虫歯になると痛みを我慢して左右どちらかで偏った咀嚼になったり、噛み合わせが悪くなったりすることによって顎の発達が進まないことがあるでしょう。

また、噛み合わせは顎の発達とも関係しているため、永久歯の歯並びが悪くなることも考えられます。

生え替わりがうまくいかない

子どもの歯が虫歯になると、その後生えてくる永久歯にも影響が及びやすくなります。虫歯は、放置するとどんどん悪化し、歯の根元まで虫歯菌が広がります。

歯の神経に虫歯菌が達すると神経を腐らせて、歯根に膿が溜まります。

子どもの歯の根元の下にある永久歯を形成する組織に炎症が広がると、永久歯の形成不全が引き起こされる可能性があるでしょう。

膿の影響を受けた永久歯は、エナメル質形成不全と呼ばれる状態になります。

エナメル質形成不全となった永久歯は、通常の歯よりも弱くなるため、虫歯になりやすい歯になってしまうのです。

永久歯の萌出遅延につながることがある

虫歯が悪化すると、永久歯の萌出遅延につながることがあります。

虫歯が悪化して子どもの歯が本来抜ける時期よりも早く抜けてしまった場合、その後に生えてくる永久歯が勘違いして早く生えてきてしまったり、タイミングを失って生えてこなくなったりといった症状が起こる可能性があります。

また、永久歯が正しい時期に生えてこないと、スペースが余ったりなくなったりして、歯並びが悪くなる可能性もあるでしょう。

歯並びが乱れると歯磨きもしにくくなるため、永久歯の虫歯のリスクも上がってしまいます。

子どもの虫歯の予防法

子どもの虫歯の予防法には、主に以下の6つが挙げられます。

• 食後に必ず歯を磨く
• おやつの内容や時間に注意する
• フッ素を塗布する
• 仕上げ磨きをする
• シーラントをする
• 定期的に検診を受ける

子どもの虫歯の進行は早いです。毎日見ていても虫歯に気が付かず、黒っぽい色に気がついた時には虫歯が重症化していた、という可能性もあります。

定期的に医師に診てもらうことも必要です。

ここでは、子どもの虫歯の予防法について詳しく見ていきましょう。

食後に歯を磨く

食後には必ず歯を磨きましょう。歯ブラシでしっかり汚れを落とすことが、虫歯のリスクを下げてくれます。

歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目、歯と歯の間にきちんと当てて、軽い力で小刻みに動かすようにしましょう。歯磨きの時間は3分以上が目安です。

正しい歯磨きの方法は、歯科医院でも指導してもらえます。年齢に応じた歯磨きの方法があるので、うまくできている自信がない方は、指導を受けると良いでしょう。

おやつの内容や時間に注意

おやつで食べるものや、食べる時間にも注意しましょう。

糖分の高いものを日常的に食べたり、30分以上ダラダラとおやつを食べていると、虫歯になりやすくなります。

虫歯になりやすいおやつとしては、チョコレートや飴、クッキーなどが挙げられます。反対に虫歯になりにくいおやつは、ゼリーやプリン、フルーツなどです。

甘いものや歯にくっつきやすいものは虫歯のリスクを高めるため、食べる頻度を減らし、食後は必ず歯を磨くようにしましょう。

フッ素を塗布する

定期的に歯科医院でフッ素を塗布してもらうのもおすすめです。

フッ素には、初期虫歯の修復を促進する作用や、虫歯菌が出す酸を抑制する効果、強い質の歯にする効果があります。

歯を強くし、酸によって溶かされたエナメル質を再生させる働きがあることから、フッ素を塗布することで虫歯になりにくい歯を作ることができます。

ある程度歯が生えてくる1歳を目安に、フッ素を使い始めると良いでしょう。

歯科医院に通うのが難しい小さいお子さんの場合は、フッ素が含まれた市販の子ども用歯磨き粉などのアイテムを使うのも良いです。

フッ素入りの歯磨き粉を選ぶ際には、フッ素濃度が500〜950ppmのものを選ぶと、高い虫歯予防効果が期待できます。

子ども用の歯磨き粉にはフレーバーがついたものや、泡タイプのものなど、使いやすいものがたくさんあるので、お子さんと一緒に選ぶのも良いでしょう。

歯磨きの際に歯ブラシに付けて磨くだけでフッ素を取り入れられるため、手軽にケアができます。

仕上げ磨きをする

子どもが自分で歯を磨いた後は、必ず親が仕上げ磨きをしましょう。

仕上げ磨きをする際は、口の中が見やすく安全な姿勢を保つために、膝の上に頭を置いてもらったり、親が子どもの後ろに回って頭をお腹や脇で固定すると良いでしょう。

歯磨き粉を使っている際は、歯磨き粉を飲み込まないように、立った姿勢で磨くのがおすすめです。

仕上げ磨きの方法は、年齢に合ったやり方があるため、歯科医院で指導を受けましょう。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使うのも有効です。

子どもが1人で十分に歯を磨けるようになる6歳〜10歳くらいまでは親が歯磨きのたびにチェックするようにしてください。

シーラントをする

シーラントは子どもの虫歯を予防する方法の一つです。虫歯になりやすい奥歯の溝をプラスチック樹脂で埋めることで汚れを溜まりにくくし、虫歯を防ぎます。

3〜4歳（乳歯の奥歯が生えてくる頃）や5〜6歳（永久歯の奥歯が生えてくる頃）に行うのがおすすめです。

定期的に検診を受ける

子どもの虫歯を防ぐためには、定期検診が非常に重要です。

定期検診では、歯に残った汚れの除去をしっかりクリーニングします。また、フッ素も塗布してもらえるので、初期の虫歯にも効果的です。

歯磨きの方法も医師に指導してもらえるので、子どもにも歯磨きの大切さややり方を理解してもらえるようになります。

虫歯の症状がないお子さんでも、3ヶ月〜6ヶ月に1回のペースで検診を受けると良いでしょう。

まとめ

子どもの歯が虫歯になりやすいのは、永久歯と比較してエナメル質が弱かったり、自分でしっかりと歯磨きができないためです。

虫歯を放置すると他の歯も虫歯になりやすくなったり、永久歯に影響が出たりするため、虫歯に気付いた際にはすぐに治療を受けることが大切です。

「下高井戸パール歯科クリニック・世田谷」では、お子さんが楽しく通えてお口の健康を維持し続ける歯医者をコンセプトに治療を行っています。

キッズスペースや治療後のプレゼントを用意しており、これを楽しみに来院されるお子さんもたくさんいます。

まずは雰囲気に慣れることから始めていますので、歯科医院に連れて行くことに抵抗がある保護者の方もまずはお気軽にお越しください。

#虫歯 #子どもの虫歯