
「虫歯は1週間や2週間でどのくらい進行するの?」
「虫歯の進行を遅らせる方法はある?」
虫歯の兆候に気がついた方の中には、どの程度放っておいてもいいのか、1週間でどのくらい虫歯が進行するのかと気になっている方もいるでしょう。
虫歯の進行には個人差がありますが、1週間では大幅に進行しないケースが多いです。
しかし、虫歯をそのまま放置しておくと重症化して大掛かりな治療が必要になることもあります。
この記事では、虫歯は1週間でどのくらい進行するのか、進行を遅らせる方法、虫歯を放置するリスクなどについて詳しく紹介します。
虫歯の進行スピードについて知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
虫歯は1週間でどのくらい進行する?

虫歯の兆候に気がついた方の中には、虫歯が1週間でどのくらい進行してしまうのか気になっている方もいるでしょう。
虫歯の進行スピードは歯の質や生活習慣などによって異なるため、一概に1週間でどのくらい進行するかは言えません。
しかし、悪い条件が重なってしまった場合、1週間で虫歯がかなり進行してしまう場合があるため注意が必要です。
また、虫歯の進行スピードは大人と子どもの場合で異なります。ここでは、1週間での虫歯の進行スピードについて、大人と子どもの場合に分けて見て行きましょう。
大人の場合
大人の場合、虫歯が1週間で大きく進行することは少ないです。大人になると歯の外側にあるエナメル質が完成して硬くなります。
エナメル質は歯を保護する役割を担っており、毎日きちんと歯磨きをしていれば、虫歯の進行はそれほど早いわけではありません。
大人の虫歯が初期段階から中期になるまでは6ヶ月〜1年程度です。虫歯が進行すると痛みが生じることもあるため、早めに歯科医院を受診しましょう。
ただし、適切な歯磨きをしていない場合や、食生活の乱れがある場合などは、1週間でも虫歯が進行することがあります。
子どもの場合
子どもの場合は、虫歯の進行スピードが早い傾向があります。
子どもの歯は、エナメル質が永久歯の半分しかありません。歯を守る力が永久歯よりも弱いため、虫歯の進行スピードが早くなります。
虫歯がエナメル質を超えるとさらに進行スピードは早まるため、神経まで虫歯菌が届くのも早くなります。
乳歯の場合は1週間でも虫歯の症状が進んでしまう可能性があるため、虫歯の兆候を見つけ次第、すぐに歯科医院を受診することをおすすめします。
虫歯の進行度

虫歯の進行度は、C0〜C4までに分けられます。虫歯の進行度合いによって、症状や治療方法は異なります。
進行するに連れて治療にかかる期間や費用も大きくなり、歯を失うリスクも高くなるため、症状に気づいた際にはすぐに歯科医院を受診するようにしましょう。
ここではC0〜C4までの虫歯の症状について詳しく説明します。
C0
C0は虫歯の最も初期段階の状態です。
歯の表面にあるエナメル質が溶け始めている状態ですがまだ歯に穴は開いておらず、歯の表面が白く濁ったり茶色に変色したりします。
C0の段階では適切なケアにより治癒が期待できるため、この段階でしっかり治療して悪化させないことが大切です。
C1
C1は、歯の表面のエナメル質が溶けた状態のことを指します。この段階では痛みなどはなく、見た目も茶色っぽくなる程度の変化のため、自覚症状がない方が多いです。
C1の場合は、フッ素を塗って歯の再石灰化を促し、虫歯になっている部分の表面を削って詰め物をします。
初期段階の虫歯のため、治療も1回で終わる場合が多く、費用も安く済みます。
C2
C2は、虫歯がエナメル質の内側にある象牙質にまで進行した状態を指します。
冷たいものを食べたり飲んだりした時にしみる感覚があることも多く、自覚症状が出るケースもあります。
象牙質にまで虫歯菌が到達すると、ある程度歯の深い部分まで溶かされてしまっているため、神経にも影響することがあるため注意が必要です。
C2の場合も歯を削って詰め物を入れますが、神経にまで虫歯菌が到達している場合は、神経を取り除く処置が必要になることもあります。
C3
C3は神経まで虫歯菌が到達している状態です。冷たいものだけではなく熱いものも染みるようになり、ズキズキと痛むようになるでしょう。
神経にまで虫歯菌が到達している場合は、根管治療を行います。根管治療とは、神経を含む歯髄を取り除いたり、細菌や汚染物を取り除いたりする治療法です。
歯の根っこまで細菌感染を起こしている場合には、顎の骨にまで影響を与える可能性があります。
そのため、細菌を完全に取り除くことが必要です。根管内を清掃し、充填材を挿入します。
C2からC3までの進行時期は、注意が必要な時期です。C3まで虫歯が進行すると、治療も大変になるため、C2の症状に気がついたらすぐに歯科医院を受診するべきです。
一般的に、25歳以下の場合はC2からC3への進行は3〜6ヶ月で進むと言われています。25歳以上の方は、6ヶ月〜1年程度かかります。
早めに適切な処理を行えば神経を残せるため、様子を見ず、すぐ歯科医院を受診しましょう。
C4
C4は歯根だけが残った状態です。虫歯が歯の根元まで進行してしまい、冠部分は崩壊してしまっています。
神経も死んでしまっているため痛みを感じなくなりますが、歯の根元に膿が溜まると再度ズキズキとした痛みが襲ってくることがあります。
C4まで虫歯が進行すると、治療が難しく、歯を失う可能性も高いです。
治療できる場合は、歯周ポケットにある歯石やバイオフィルムなどを取り除いて歯根を綺麗にしたあと、歯根を削って充填材を挿入します。
治療が難しい場合は麻酔を使用して抜歯したあと、歯を失った場所に入れ歯やブリッジ、インプラントなどを使って歯を補う治療が必要です。
C4まで進行すると、歯を失うだけでなく虫歯菌が全身に広まって心臓病や血液疾患などを引き起こす可能性があります。
口内のリスクだけではなくなるため、すぐに歯科医院を受診しましょう。
虫歯の進行スピードを早める要因

虫歯の進行スピードは、下記の条件によっても異なります。
- 間食
- 歯磨きが不十分
- 喫煙習慣
- 過度なストレス
全ての人が一定のスピードで進行するのではなく、生活習慣によって虫歯の進行が早まることがあります。
虫歯に気づいた際は、様子を見ることはせず、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
ここでは、虫歯の進行スピードを早める要因について見ていきましょう。
間食
間食を頻繁にする方は、虫歯の進行スピードが早まりやすいです。
間食をすると、食後に歯磨きによって清潔になった口内を、酸性の状態に戻してしまいます。
特に、甘いものや酸っぱいものを食べると口の中が酸性に傾きやすく、歯のエナメル質が溶けやすい状態を作ってしまいます。
間食の際に甘い飲み物や食べ物を頻繁に食べる習慣がある方は、虫歯が進行するスピードが早いと言えるでしょう。
歯磨きが不十分
歯磨きが不十分な場合、歯垢や歯石が溜まってしまうため、虫歯の進行スピードが早くなります。
口内に汚れが残ってしまうと虫歯菌の栄養源となり、虫歯菌が繁殖しやすくなるのです。
特に、歯と歯の間や歯と歯茎の間は汚れが溜まりやすい場所です。
これらの場所がしっかりブラッシングされていないと虫歯や歯周病が進行するリスクが高まりやすくなるでしょう。
喫煙習慣
喫煙習慣がある方も、虫歯の進行が早まりやすいです。
喫煙は血行を悪くし、免疫力を低下させます。そのため、虫歯菌への抵抗力が弱まり、虫歯が進行しやすくなります。
また、タバコを吸うと唾液の量が少なくなることもわかっています。
タバコにはニコチンが含まれていますが、ニコチンの作用によって血管が収縮してしまい、唾液の分泌量が減ってしまうのです。
唾液には口内を綺麗にする自浄作用がありますが、量が減ってしまうとこの作用が弱まり、虫歯菌が繁殖しやすくなります。
過度なストレス
過度なストレスも、虫歯の進行スピードを早める原因になります。
ストレスは免疫力を低下させるため、虫歯菌に抵抗する力が弱くなります。
また、ストレスによって唾液の量も減るため、自浄作用も弱まってしまうのです。
さらに、ストレスによって食生活や睡眠習慣が乱れることも、虫歯の進行スピードを早める原因になります。
虫歯の進行を遅らせるためには

虫歯の兆候が見られる方は、すぐに歯科医院を受診することが大切です。
しかし、やむをえない事情ですぐに受診できないという方もいるでしょう。
すぐに歯科医院を受診できない方は、虫歯の進行を遅らせる対策をとり、これ以上悪化させないようにすることが大切です。
虫歯の進行を遅らせるためには、以下の対策を取るといいでしょう。
- 歯磨きをしっかり行う
- キシリトールガムを噛む
- 甘い食べ物や飲み物を控える
それぞれのポイントについて説明します。
歯磨きをしっかり行う
虫歯の進行を遅らせるためには、まずしっかり歯磨きを行いましょう。
正しい方法で歯を綺麗に磨くと、歯に残る汚れをしっかりと取り除くことができ、虫歯の進行を抑えられます。
歯と歯の間や歯と歯茎の間は磨き残しが発生しやすく、虫歯ができやすい場所です。
歯間ブラシやデンタルフロスを使用してしっかり汚れを取るようにしましょう。
また、フッ素入りの歯磨き粉を使うのも効果的です。
フッ素はエナメル質を強化して虫歯菌の働きを弱める効果があるため、虫歯の進行スピードを遅くできるでしょう。
キシリトールガムを噛む
キシリトールガムを噛むことも、虫歯の進行を抑えるのに効果的です。
キシリトールは、虫歯の原因菌の活動を弱め、歯垢が付くのを防止します。
また、ガムを噛むことで唾液が出やすくなるため、自浄作用の効果も得られるでしょう。
キシリトールガムを購入する際は、キシリトールが50%以上配合されたノンシュガーのものを選び、歯磨きの後に噛むようにしてください。
甘い食べ物や飲み物を控える
虫歯の進行を抑えるためには、間食を減らしましょう。
特に、甘い食べ物や飲み物は虫歯菌のエサになるため、虫歯のリスクを高めてしまいます。
間食する際には糖分が少ない食べ物や飲み物を選び、食後はすぐに歯磨きか口をゆすぐなどして口内を清潔に保ちましょう。
よくある質問

最後に虫歯に関するよくある質問について回答します。
虫歯をどれくらい放置するとよくない?
虫歯を放置することは基本的によくありません。
生活習慣や口内環境などにもよりますが、大人の場合は数ヶ月、子どもの場合は1週間でも虫歯が進行することがあるため、できるだけ早く歯科医院を受診することが大切です。
虫歯のサインは?
虫歯のサインとしてわかりやすいのが、歯が傷んだり、しみたりすることです。
冷たいものを食べた時はもちろん、温かいものを食べた時に歯がしみる場合は、虫歯がある程度進行している可能性があります。
また、変色も虫歯の特徴です。歯の表面が茶色っぽかったり溝の部分が茶色や黒っぽかったりする場合は、軽度の虫歯の場合があります。
痛みはなくても虫歯の可能性があり、治療が必要です。
治療した歯が虫歯になることはある?
治療した歯が再度虫歯になることを、二次虫歯といいます。
1回目の治療で歯を削って詰め物や被せ物をすると、虫歯の再発率は上昇します。これは、天然の歯と詰め物や被せ物との間に汚れが溜まりやすいためです。
詰め物や被せ物の材質によっても虫歯の発生率は異なりますが、再発の可能性を考えて、日頃のケアや歯科医院でのクリーニングをしっかり行う必要があります。
まとめ
虫歯の進行スピードには個人差があるため、一概に1週間でどのくらい進行するかは言えません。
しかし、子どもの歯は永久歯よりも弱いため、1週間放っておくだけでも虫歯がひどくなってしまう可能性があります。
また、大人でも口内環境や生活習慣が悪い場合は、虫歯の進行スピードが早いこともあります。
虫歯は放置すればするほど治療が大変になるので、症状に気づいた際にはすぐに歯科医院を受診しましょう。
「下高井戸パール歯科クリニック・世田谷」では、削る量を抑え、可能な限り神経を守る治療を行っています。
また、多くの方が苦手とする「痛み」にも十分な配慮を行っていますので、麻酔や治療中の痛みが怖くて受診をためらっている方も安心してご相談ください。
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