
インプラント治療は、見た目の自然さや噛む力の回復など、多くのメリットがある治療法です。
しかし、保険適用外の自由診療となるため、治療費が高額になることが課題といえるかもしれません。
この記事では、治療費の負担を軽減できるインプラント治療費の支払い方法を解説します。
デンタルローンの仕組みやその他の支払い方法、医療費控除まで、費用に関する情報をわかりやすくまとめています。
インプラント治療を検討中の方、治療費の支払いに不安がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
インプラント治療費の支払い方法を知ろう

インプラント治療はメリットの多い方法ですが、保険適用外の自由診療となるため、治療費の負担に不安を感じる方も少なくありません。
しかし、デンタルローンや分割払いを使えば、一度にかかる負担を抑え、分割払いでインプラント治療を受けることが可能です。
まずは、インプラント治療にかかる費用と支払い方法の全体像を把握しましょう。
インプラントにかかる費用の目安
インプラント1本あたりの標準的な費用は30万円から50万円程度です。
ただし、これは基本的な治療費用であり、骨造成や歯周病治療などが必要な場合は追加の治療費が発生します。
【インプラント治療の費用内訳】
- 基本治療費:30万円~50万円/1本
- 骨造成手術:10万円~30万円
- CT撮影費用:1万円~2万円
- メンテナンス費用:5,000円~1万円/回(定期的に必要)
一括払いと分割払いのメリット・デメリット
インプラントの治療費を一括で払う場合と分割で払う場合のメリット・デメリットは、それぞれ以下のような点が挙げられます。
【一括払い】
メリット | デメリット |
・支払い総額を抑えられる ・手続きが簡単 ・早期に支払いを完了できる | ・まとまった資金が必要 ・急な出費への対応が必要 |
【分割払い】
メリット | デメリット |
・月々の支払いを抑えられる ・計画的な支払いが可能 ・手元の資金を残せる | ・金利負担が発生する場合がある ・支払い総額が増える可能性がある |
一括払いと分割払いにはそれぞれ特徴があり、どちらが適しているかは資金計画や生活スタイルによって変わります。
メリット・デメリットを比較して自分にあった支払い方法を選ぶことが大切です。
支払い方法の種類と特徴
インプラント治療の主な支払い方法には以下のようなものがあります。
- 現金一括払い
- デンタルローン
- クレジットカード分割払い
- 医院独自の分割払い(取り扱いのある医院のみ)
なかでもデンタルローンは、歯科治療に特化した支払い方法として、比較的低金利で利用できる点が特徴です。
また、歯科医院によっては独自の分割払いシステムを導入していて、金利なしで分割払いができる場合もあります。
インプラント治療で利用できるデンタルローンとは?

デンタルローンは、信販会社や金融機関が提供する歯科治療専用のローン制度です。
一般的なカードローンやフリーローンと比べて低金利で、歯科治療に特化した支払い方法です。
審査基準も一般的なローンより緩やかで、最大84回までの分割返済に対応するなど、柔軟な返済プランを選ぶことができます。
インプラントだけでなく、矯正治療やセラミック治療などの自由診療にも利用できます。
【デンタルローンの基本情報】
- 金利:年率4.0%~8.0%程度
- 返済回数:最大84回(一部のローンでは120回)まで
- 利用可能な治療:インプラント、矯正、セラミックなどの自由診療全般
金利や返済期間の特徴
デンタルローンの金利は、一般的なローンと比較して以下のような特徴があります。
【各種ローンの金利比較】
ローンの種類 | 年間金利 |
デンタルローン | 4.0%~8.0% |
クレジットカード | 15.0%前後 |
カードローン | 15.0%~18.0% |
返済期間は6回から最大84回(一部のローンでは120回)まで選択でき、ボーナス併用払いにも対応しています。
返済期間を長くする程月々の支払額は少なくなりますが、支払総額は増加する点に注意が必要です。
申込み方法と必要書類
デンタルローンの申込みは主に以下の2つの方法があり、特徴は以下の通りです。
1. 歯科医院での申込み
- 歯科医院の受付で直接申込み可能
- 医院スタッフのサポートを受けながら申し込みを進められる
- その場で審査結果が分かる場合もある
2. 金融機関への直接申込み
- 窓口もしくはオンラインでの申込みが可能
- 時間や場所を選ばずに申し込みできる
- 複数の金融機関を比較検討できる
【必要書類】
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 収入証明書
- 預金通帳のコピー
- 健康保険証
- 印鑑 など
デンタルローンの申し込みは医院窓口と金融機関のどちらでも可能で、必要書類も一般的なローンと大きな違いはありません。
また、オンラインでの申し込みも増えてきているため、ご自身の都合にあわせた方法を選択することができます。
審査のポイントと対策
審査に通過しやすい条件として年収250万円以上が目安とされ、安定した収入(勤続年数2年以上が望ましい)があるのが重要です。
また、他社の借入れが少なく、過去に延滞などの金融トラブルがないことも審査のポイントとなります。
年収が基準に満たないときは、保証人を立てる、配偶者と収入を合算して申し込むなどの対策が可能です。
勤続年数が短い人は、現在の職場で一定期間勤務してからの申込みが望ましいでしょう。
他社借入れが多い場合は返済を終えてから申し込む、過去の金融トラブルがある場合は完済後一定期間を置いて申し込むといった方法も考えられます。
事前にご自身の条件を確認し、必要に応じた対策を講じることをおすすめします。
インプラントのローン・分割払いの4つの選択肢

インプラント治療の分割払いは、患者さんのニーズに応じてさまざまな選択肢が登場しています。
治療費の支払い方法はデンタルローン以外にもクレジットカードの分割払いや、医院独自の分割システムなど、多彩な選択肢があります。
それぞれの特徴を理解し、ご自身に適した支払い方法を選びましょう。
さまざまな分割払いの形態
現在利用できる主な分割払いの形態は以下の通りです。
【分割払いの種類と特徴】
支払い方法 | 金利 | 分割回数 | 審査 |
デンタルローン | 4.0%~8.0% | 最大84回(一部120回) | あり |
クレジットカード | 15.0%前後 | 3~24回 | カード所持者は不要 |
医院独自の分割払い | 0%~ | 医院による | 医院による |
フリーローン | 10.0%~18.0% | 最大180回 | あり |
このように、支払い方法にはそれぞれ特徴があり、ご自身の状況に応じて選択することができます。
クレジットカード分割払いの特徴
クレジットカードを使用した分割払いには、以下のような特徴があります。
メリット | デメリット |
・すでにカードをもっている場合は審査不要 ・ポイントやマイルが貯まる ・支払い方法が選べる(分割、リボ、ボーナス払いなど) | ・比較的高金利・利用限度額の制限がある ・医院によっては利用できない |
カードのポイントを貯めたい方や、新たなローンを組みたくない方におすすめの方法です。
医院独自の分割システム
医院によっては独自の分割払いシステムを導入しているところもあります。
分割システムの内容や導入の有無は医院によって異なるため、事前に確認しておくといいでしょう。
各支払い方法の比較ポイント
支払い方法を選ぶ際は、実質年率や返済総額、手数料の有無といった金利負担に関する部分を比べてみましょう。
また、申込手続きの簡易さや返済方法の柔軟性、支払い期間の選択肢といった利便性の部分も比較検討することが重要です。
必要書類や所得条件、保証人の要否といった審査条件も確認しておきましょう。
インプラント治療のローン・分割支払い方法の選び方のポイント

インプラント治療の費用は決して安くありませんが、支払い方法を工夫することで無理のない返済計画を立てられます。
ご自身の経済状況や生活スタイルにあわせて支払い方法を選びましょう。
具体的な返済シミュレーション
返済例を見ながら、具体的な支払いプランを検討してみましょう。
以下は、支払い方法別のインプラント1本(40万円)とインプラント2本(80万円)の費用目安です。
(参考:オリコプロダクトファイナンス『デンタルローンシミュレーション』、日本クレジット協会『手数料計算のシミュレーション』)
インプラント1本(40万円) | インプラント2本(80万円) | |
一括払い | 40万円 | 80万円 |
デンタルローン (84回払い) | 月々の返済額:約5,400円(1回目:約11,071円) 総支払額:約459,271円 (金利:4.0%の場合) | 月々の返済額:約10,900円(1回目:約13,843円) 総支払額:約918,543円 (金利:4.0%の場合) |
クレジットカード (24回払い) | 月々の返済額:約19,300円(1回目:約21,580円) 総支払額:約465,480円(金利:15.0%の場合) | 月々の返済額:約38,700円 (1回目:約40,860円) 総支払額:約930,960円 (金利:15.0%の場合) |
支払い方法選びのポイント
最適な支払い方法を選ぶためには、以下の要素を総合的に判断するのが大切です。
収入と支出のバランスを考慮し、月々の返済額は可処分所得(収入から税金や社会保険料などを除いた額)の20%以内に抑えることをおすすめします。
また、治療期間中に予期せぬ支出が必要になるケースもあるため、ある程度の余裕を持った計画を立てましょう。
治療費全額を借り入れるのではなく、手持ち資金と組みあわせて金利負担を抑える方法も検討できます。
例えば、半額を一括で支払い、残りを分割にするといった方法です。
トラブルを避けるためのチェックリスト
支払いに関するトラブルを防ぐため、以下の項目を事前に確認しましょう。
- 追加費用が発生する可能性はないか
- 分割払いの場合、支払い開始時期はいつか
- 返済途中での一部繰り上げ返済は可能か
- 治療中断時の費用精算方法はどうなっているか
- 医療費控除の申請に必要な書類は何か
これらを押さえたうえでご自身の状況にあった支払い方法を選択すれば、インプラント治療をより身近なものにできます。
治療を検討する際は、まず歯科医院での無料相談を活用し、詳しい説明を受けることをおすすめします。
インプラントのローン利用時も医療費控除を利用できる

インプラント治療は高額な自由診療ですが、医療費控除を利用すれば税金の還付を受けられる可能性があります。
控除を受けることで実質的な負担を軽減できるため、支払い計画を立てる際は必ず考慮に入れましょう。
インプラント治療と医療費控除の関係
インプラント治療は、医療費控除の対象となる医療費に含まれます。
ただし、美目的の治療については対象外となるケースがあるため、治療開始時に医師に確認するとよいでしょう。
なお、治療費をデンタルローンやクレジットカードで支払った場合でも医療費控除は利用できますが、分割払いの手数料や金利は控除の対象外となります。
医療費控除を受けられる条件
医療費控除の基本条件は以下の通りです。
項目 | 内容 |
対象期間 | 1月1日から12月31日までの1年間 |
最低限度額 | 10万円(所得が200万円未満の場合は所得の5%) |
控除上限額 | 200万円 |
申告期限 | 確定申告期間内(翌年2月16日から3月15日まで) |
これらの条件を満たしていれば、インプラント治療の費用も医療費控除の対象となります。
具体的な計算方法
医療費控除額は以下の計算式で算出します。
『医療費控除額 = 1年間の医療費総額 – 保険金などで補填される金額 – 10万円または所得の5%(どちらか少ない額)』
【計算例:インプラント治療費40万円、所得税率20%の場合】
- 医療費総額:40万円
- 保険金等の補填額:0円
- 差引額:40万円 – 10万円 = 30万円
- 所得税率20%の場合の還付額:30万円 ✕ 0.20 = 6万円
- 住民税の減額(一律10%):30万円 ✕ 0.10 = 3万円
- 合計額:6万円 + 3万円 = 9万円
申告の手順と必要書類
医療費控除を受けるための手続きは以下の通りです。
- 治療費の領収書を保管
- 1年間の医療費を集計
- 確定申告書の作成
- 必要書類を添付して申告
必要となる書類は次のようなものになります。
- 確定申告書(医療費控除用)
- 医療費の明細書
- 医療費の領収書(申告時の提示は不要ですが5年間の保管が必要)
- 保険金等の支払いを証明する書類(該当する場合)
医療費控除は確定申告を行うことで受けられるため、会社員の方も医療費控除を受ける際は申告が必要です。
なお、過去5年分までさかのぼって申告できるため、以前の治療分についても確認してみましょう。
まとめ
インプラント治療の費用は決して安くありませんが、さまざまな支払い方法を活用することで、無理のない治療計画を立てられます。
一括払い、デンタルローン、クレジットカード分割払いなど、それぞれの特徴をよく理解し、ご自身の状況にあった方法を選びましょう。
また、医療費控除の活用も忘れずに検討してください。
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