いびきで喉が痛くなる原因とは?快適な睡眠をとるための対策を解説

喉を押さえる女性

いびきをかいてしまう人の中には、朝起きたときの喉の痛みに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

いびきで喉が痛くなるのは、乾燥や炎症、振動が原因として考えられます。

この記事では、いびきで喉が痛くなる原因についてさらに詳しく解説します。

いびきによる喉の痛みを防ぐための方法や病院でのいびき治療の方法などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

いびきには喉いびきと鼻いびきの2種類ある

寝ている女性

いびきは寝ているときに何らかの原因によって気道が狭くなることで生じるものです。

狭くなった気道の中を空気が通り抜けると、粘膜が振動して音が発生します。

いびきには喉いびきと鼻いびきの2種類あり、どちらに当てはまるかによって対処法が異なります。

ここでは喉いびきと鼻いびきの違いについて解説しましょう。

喉いびき

喉いびきは、喉の気道が狭くなることによって起こるいびきです。

喉いびきには以下のような特徴があります。

  • 「ガーガー」「ゴロゴロ」といった大きく荒い音
  • 呼吸が止まることがある
  • 喉が乾燥しやすい

大きな特徴は、喉の気道が狭くなることによって起こる「ガーガー」「ゴロゴロ」といった大きく荒い音です。

さらに口呼吸をしていることが多くなるため、朝起きたときに喉が渇いている場合が少なくありません。

喉いびきは口呼吸や鼻づまり、肥満、ストレス、疲労など幅広い原因が考えられます。

直接的な原因としては舌の沈下や扁桃肥大によるものが多く、睡眠時に呼吸が止まってしまう『睡眠時無呼吸症候群』も原因の一つです。

喉いびきは鼻いびきよりも注意が必要で、放置していると睡眠時無呼吸症候群による高血圧、心臓病、脳卒中といった合併症を引き起こす恐れがあります。

鼻いびき

鼻いびきは、鼻腔が狭くなることによって起こるいびきです。

鼻いびきには以下のような特徴があります。

  • 「ズーズー」「フンフン」といった小さな音
  • 鼻づまりを伴うことが多い
  • 口呼吸になりやすい

鼻いびきは基本的に鼻詰まりを伴うことが多く、「ズーズー」「フンフン」といった比較的小さな音が特徴です。

ただ鼻詰まりが悪化すると、鼻腔がさらに狭くなることでいびきの音が大きくなる場合もあります。

鼻いびきの主な原因は鼻中隔湾曲症や鼻腔ポリープ、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、風邪などです。

これらの原因によって鼻腔が狭くなると、鼻いびきが生じやすくなります。

喉いびきと鼻いびきの見分け方

喉いびきと鼻いびきの見分け方としては、いびきをかいているときに鼻をつまんでみる方法が挙げられます。

鼻をつまんでいびきが止まる場合は鼻いびき、止まらない場合は喉いびきと判断できます。

家族や友人に頼んでチェックしてもらうとよいでしょう。

頼める人がいない場合は自分で確認するのは困難なため、いびき治療を行っているクリニックを受診するなどして、自分がどちらのタイプなのか診断してもらうとよいでしょう。

いびきで喉が痛くなる原因とは?

喉を押さえる女性

いびきで喉が痛くなる原因として、以下の4つが挙げられます。

  • 喉の乾燥
  • ウイルスや細菌の感染
  • 喉にかかる強い振動の影響
  • 気道に異常が生じている

ここでは上記4つの原因についてそれぞれ解説します。

喉の乾燥

いびきで喉が痛くなる主な原因として、喉の乾燥が挙げられます。

特に口呼吸をしている喉いびきの場合、口をずっと開いていることになるため、口内や喉が乾燥しやすくなります。

喉が乾燥すると喉の粘膜の防御機能も低下し、痛みが生じやすくなるのです。

ウイルスや細菌の感染

ウイルスや細菌の感染も、いびきで喉が痛くなる原因の一つです。

ウイルスや細菌に感染すると喉の粘膜で炎症が起き、痛みが生じることがあります。

特に口呼吸をしているとウイルスや細菌が体内に入り込みやすくなるため、感染症にかかるリスクも高くなります。

喉にかかる強い振動の影響

いびきをかくと喉に強い振動が生じるため、それが喉の痛みの原因となる場合があります。

部屋が乾燥していないのに喉が痛む場合には、いびきが原因となっている可能性が高いといえるでしょう。

気道に異常が生じている

いびきで喉が痛くなる原因として、気道に異常が生じていることが挙げられます。

気道に生じる異常としてよく見られるのが、扁桃腺やアデノイドの肥大です。

扁桃腺やアデノイドの肥大はいびきを引き起こすだけでなく、睡眠中に呼吸が一時的に止まってしまう『睡眠時無呼吸症候群』が起こることもあり危険です。

気道に異常がみられる場合はなるべく早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。

いびきによる喉の痛みを防ぐための方法

加湿器

いびきによる喉の痛みを防ぐための方法は以下の通りです。

  • 部屋を加湿する
  • 口閉じテープやマスクを使用する
  • 横向きに寝る
  • 市販薬や喉スプレーを使用する
  • エアコンのフィルターを掃除する
  • 鼻呼吸に改善する対策をとる
  • 減量して喉周りの脂肪を落とす
  • 飲酒や睡眠薬を控える
  • 禁煙する

ここでは上記の方法についてそれぞれ解説します。

部屋を加湿する

喉の痛みは喉が乾燥することで起こることが多いため、寝室を加湿しましょう。湿度は40〜60%程度に保つのが望ましいです。

部屋を加湿する方法としては、以下が挙げられます。

  • 加湿器を使用する
  • 濡れた洗濯物を干す
  • 浴室のドアを開けておく

この中でもより効率的に部屋を加湿できるのは、加湿器を使用することです。

加湿器にはさまざまな大きさや種類があるため、自分の部屋に適した性能の物を選ぶとよいでしょう。

また部屋を加湿しすぎると寝具にカビが発生する恐れがあるため、湿度計をチェックして湿度を調整するのがおすすめです。

口閉じテープやマスクを使用する

喉の痛みはいびきをかいているときの口呼吸が原因となっていることが多いため、口閉じテープやマスクなどを使用するのがおすすめです。

このような方法で口呼吸を減らすことにより、口内や喉が乾燥しづらくなります。

ただし鼻が詰まっているときに口閉じテープを使用すると呼吸が苦しくなる恐れがあるため、その場合は別の方法で喉の痛みを防ぎましょう。

またマスクを使用する場合は、綿・シルク素材のマスクや保湿マスクを使用するのがおすすめです。

保湿マスクにもさまざまな種類があるため、呼吸のしやすさや喉の潤い具合などをチェックして、自分に合うものを選んでみましょう。

横向きに寝る

いびきによる喉の痛みに悩んでいる場合は、寝姿勢を変えてみるのもおすすめです。

仰向けに寝ると重力の影響で気道が圧迫されやすくなり、いびきが生じやすくなります。

横向きに寝ることで空気が通りやすい気道の形になるため、いびきが小さくなることがあります。

横向きに寝るのが難しい場合は、抱き枕を抱いて寝たり、大きめの枕を背中側に置いて寝たりするのがおすすめです。

市販薬や喉スプレーを使用する

いびきによる喉の痛みがひどい場合は、市販薬や喉スプレーを使用するのがおすすめです。

喉の炎症が抑えられ、症状を和らげられます。

ただしいびきの根本的な解決方法ではないため、症状を根本から改善するためには別の対処法を取り入れなければいけません。

エアコンのフィルターを掃除する

いびきによる喉の痛みを予防する方法として、エアコンのフィルターを掃除する方法が挙げられます。

エアコンのフィルターにはカビや雑菌が溜まることがあり、それを掃除しないまま稼働していると、風とともにカビや雑菌の胞子が部屋中に広がってしまいます。

部屋中に広がったカビや雑菌の胞子を吸い込むことで、喉で炎症が起き、痛みが生じる原因になるのです。

エアコンのフィルターを掃除する頻度は使用頻度や稼働時間によって異なりますが、2週間に1回の頻度で掃除することが推奨されます。

なお、フィルターの掃除方法については機種によって異なるため、エアコンの説明書を確認してみましょう。

鼻呼吸に改善する対策をとる

いびきによる喉の痛みは口呼吸が原因となっていることが多いため、鼻呼吸に改善する対策をとるのがおすすめです。

口呼吸は舌の筋力が衰えることによって起こりやすくなります。

舌の筋力を鍛えるトレーニングをすると口呼吸が改善されることがあるため、『あいうべ体操』のようなトレーニングを試してみましょう。

あいうべ体操は以下のような順番で行います。

  1. 「あー」と大きく口を開く
  2. 「いー」と口を横に大きく広げる
  3. 「うー」と前に唇を突き出す
  4. 「べー」と舌を下顎に向けて伸ばす

上記4つの動作を1セットとして、1日30セットを目安に続けてみてください。

このほかにも口呼吸を鼻呼吸に改善する対策として、以下のような方法が挙げられます。

  • 食材をよく噛んで食べる
  • 寝るときに口閉じテープを貼る
  • 鼻呼吸を意識して過ごす

鼻呼吸への改善はすぐにできるものではありませんが、1日に何度も鼻呼吸を意識して過ごすことで、徐々に改善できる場合があります。

ぜひ自分に合った方法を取り入れてみてください。

減量して喉周りの脂肪を落とす

肥満体型の人は喉や舌についた脂肪が原因でいびきが起きている場合があるため、減量して脂肪を落としましょう。

一般的なダイエットと同様、健康的な食習慣や運動習慣を身につけましょう。

飲酒や睡眠薬を控える

アルコールや睡眠薬は気道を狭める原因となるため、なるべく控えることをおすすめします。

アルコールや睡眠薬がないとなかなか眠りにつけないという場合は、以下のような生活習慣を身につけてみてください。

  • 規則正しい生活リズムを身につける
  • 適度な運動習慣を身につける
  • 毎朝日の光を浴びる
  • 昼寝は15~20分程度にとどめる
  • 毎晩湯船に浸かる
  • 寝る前にスマホやPCの画面を見ない

上記のような生活習慣を身につけることで、アルコールや睡眠薬に頼らなくても眠りにつきやすくなります。

禁煙する

タバコの煙には200種類以上の有害物質が含まれており、喉の痛みを引き起こす原因となります。

なかでもタールは特に声帯の炎症を引き起こす要因となり、喉だけでなく肺や気管にも悪影響を及ぼすため注意が必要です。

普段から喫煙習慣があって喉が痛む場合は、一度禁煙してみると症状が改善される可能性があります。

対策をしても喉の痛みが改善しない場合は病院を受診する

病院

対策をしても喉の痛みが改善しない場合は、病院を受診しましょう。

病院ならいびきを根本から治療できるのはもちろん、より効果的に喉の痛みにアプローチする対処法を提案してもらえます。

また喉の痛みの原因がいびきでない可能性も考えられるため、痛みの原因をしっかり突き止めるためにも早めに受診するのがおすすめです。

ここでは病院でのいびきの治療方法やいびきにつながりやすい病気について解説します。

病院でのいびきの治療方法

病院でのいびきの治療方法には以下のような種類があります。

治療方法治療内容
CPAP療法専用の機械で鼻から空気を送り込み、睡眠中に気道が塞がるのを防ぐ治療方法。鼻詰まりがないことを前提とするため、鼻詰まりがある場合はそちらの治療が優先される。
マウスピースマウスピースを装着することで気道を拡張し、いびきを予防する方法。軽度〜中等度のいびきに効果がみられやすいが、重度のいびきには効果が得られない可能性が高い。
レーザー治療気道を塞いでしまう原因となる口蓋垂をレーザーで切って広げる治療方法。痛みや出血が少なく、比較的効果を実感しやすい。
外科手術気道を塞いでしまっている部分を切除する治療方法。扁桃腺やアデノイドの肥大が原因の場合、外科手術による摘出で症状が改善される可能性が高い。

上記のようにいびきの治療方法にもさまざまな種類があるため、医師と相談しながら自分に合った治療方法を検討してみましょう。

いびきにつながりやすい病気

いびきにつながりやすい病気として、『睡眠時無呼吸症候群』や『アレルギー性鼻炎』、『副鼻腔炎』などが挙げられます。

睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に呼吸が一時的に止まってしまう病気で、いびきが悪化して起こることが多いです。

放置していると高血圧、心臓病、脳卒中といった合併症を引き起こす恐れがあるため、早めの治療が肝心となります。

またアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの慢性的に鼻が詰まる病気は、睡眠中に口呼吸になりやすくなり、いびきの原因となることがあります。

この場合、いびきの根本的な治療のために鼻詰まりの原因となっている病気を改善しなくてはいけません。

慢性的な鼻づまりに悩まされている人は、耳鼻咽喉科を受診して適切な治療を受けましょう。

まとめ

いびきで喉が痛む原因として、喉の乾燥やウイルス・細菌の感染、喉にかかる強い振動、気道の異常などが挙げられます。

喉の痛みを和らげるためには部屋の加湿や市販薬・喉スプレーの使用などが有効ですが、根本的な治療にはなりません。

喉の痛みの原因がいびきにある場合は、医療機関でいびきの治療を受けるのがおすすめです。

医療機関でならいびきの根本治療が可能なため、喉の痛みはもちろん、いびきに伴うさまざまな悩みを解決できます。

下高井戸パール歯科クリニック・世田谷では、マウスピース治療によるいびき改善が可能です。

無料相談も受け付けているため、いびきにお悩みの方はぜひ当院まで気軽にご相談ください。