
いびきにはさまざまな原因がありますが、ストレスもそのうちの一つです。
ストレスが溜まると自律神経の乱れや全身の筋肉の緩み、セロトニンの減少などが起こるため、これによりいびきを引き起こしやすくなるのです。
この記事では、ストレスがいびきを引き起こす理由について詳しく解説します。
いびきの原因になり得るストレス行動やストレス対策方法もまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
いびきの主な原因

いびきの主な原因として以下のようなものが挙げられます。
- 肥満
- 鼻づまり
- 疲労やストレス
- 寝姿勢
- 飲酒
- 妊娠
- ホルモンバランスの乱れ
- 更年期
ここでは上記8つの原因についてそれぞれ解説します。
肥満
いびきの主な原因として、肥満が挙げられます。
肥満体型になると舌や喉にも脂肪が付き、気道が狭くなる原因となってしまいます。
肥満の定義は『脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、体格指数(BMI)25以上のもの』とされているため、これに当てはまる人は注意が必要です。
BMIは『BMI=体重(kg)÷(身長m)2』の式で求められます。
鼻づまり
鼻づまりがある人はいびきを引き起こしやすくなります。鼻で呼吸するのが難しくなり、自然と口呼吸になってしまうためです。
口呼吸は鼻呼吸よりも気道が狭まりやすくなるため、いびきも起こりやすくなります。
鼻詰まりの原因としては以下のようなものが挙げられます。
- 風邪
- アレルギー性鼻炎
- 副鼻腔炎
- 鼻中隔湾曲症
- 鼻腔ポリープ
慢性的な鼻づまりに悩んでいる場合は、一度耳鼻咽喉科を受診して原因を特定し、適切な治療を受けましょう。
疲労やストレス
疲労やストレスがいびきの原因となることがあります。
疲労やストレスによって喉周辺や舌の筋肉が緩むことで、舌が気道に落ち込み、いびきが出やすくなるのです。
ストレスを溜め込みがちな人は注意しましょう。
寝姿勢
寝ている間の姿勢もいびきを引き起こす原因の一つです。
仰向けに寝ていると重力の影響で気道が圧迫されるため、いびきが起こりやすくなります。
また枕が合っていない場合もいびきをかきやすくなるため注意が必要です。
高すぎると喉や気道が圧迫され、逆に低すぎても口が開きやすくなってしまいます。
自分の体に合う枕を使用することが大切です。
飲酒
いびきの原因の一つとして、飲酒が挙げられます。
アルコールにはリラックス効果があるため、舌の筋肉が緩んで喉のほうに落ち込み、いびきを引き起こすことがあるのです。
睡眠導入としてアルコールを摂取する方も少なくありませんが、いびきの原因になるだけでなく睡眠の質を下げる恐れもあるため、なるべく控えたほうが良いでしょう。
妊娠
妊娠をすると一時的にいびきをかきやすくなることがあります。
これは妊娠自体にいびきをかきやすくなる要因があるのではなく、妊娠に伴う体重増加が主な原因です。
妊娠中は赤ちゃんを育てるために皮下脂肪がつきやすくなり、体重も増加していきます。
体重増加は自然なものであり気にしすぎる必要はありませんが、中には適正体重以上に増えてしまうこともあり、それが肥満の人と同様にいびきをかく原因になってしまうのです。
ただし妊婦の場合、産後の体重減少に伴っていびきが減っていくことが多いため、症状がひどくなければ心配はいりません。
ホルモンバランスの乱れによる不調やストレス
ホルモンバランスの乱れによる不調やストレスもいびきの原因となります。
ホルモンバランスが乱れる原因として、以下が挙げられます。
- ストレス
- 過度なダイエット
- 睡眠不足
- 産前産後
ホルモンの分泌をつかさどる脳の視床下部や脳下垂体はデリケートな部位で、上記のような原因があるとホルモンバランスが乱れてしまうことがあります。
特に産後はホルモンバランスの乱れに加え、育児に伴う睡眠不足や疲労によってストレスが積み重なり、いびきをかきやすくなるのです。
子供が成長するにつれて徐々に睡眠不足が解消されると、いびきが改善されてくる場合が多いですが、中には積み重なったストレスによって改善されるまでに時間がかかってしまうこともあります。
更年期
ホルモンバランスが変化する更年期になると、いびきが出やすくなります。
女性ホルモンのプロゲステロンには気道を広げる働きがあるため、基本的に女性は男性に比べていびきをかきにくいとされています。
しかし更年期になるとプロゲステロンの分泌量が減少するため、以前よりもいびきをかきやすい状態になるのです。
またホルモンバランスの変化による影響だけでなく、基礎代謝の低下によって肥満体型になりやすくなることも原因の一つといえます。
ストレスがいびきを引き起こす理由

ストレスがいびきを引き起こす理由として、以下のようなものが挙げられます。
- 自律神経が乱れて呼吸が浅くなるため
- 全身の筋肉が緩むため
- セロトニンが減少するため
ここでは上記3つの理由についてそれぞれ解説します。
自律神経が乱れて呼吸が浅くなるため
ストレスが溜まると自律神経が乱れて呼吸が浅くなるため、いびきをかきやすくなります。
呼吸が浅くなると、より酸素を多く取り込める口呼吸になりやすくなるのです。
口呼吸をすると舌が喉のほうへ落ち込み、喉の気道が狭くなるため、呼吸をする際の空気の通りも悪くなります。
その結果、いびきが出やすくなるのです。
全身の筋肉が緩むため
ストレスが過度に溜まると全身の筋肉が緩むため、いびきを引き起こしやすくなります。
喉周辺の筋肉が緩むと舌が喉のほうへ落ち込みやすくなり、気道が狭まります。
これによっていびきが起きてしまうのです。
セロトニンが減少するため
ストレスが溜まるとセロトニンが減少するため、いびきを引き起こしやすくなります。
セロトニンには上気道を広げる筋肉を刺激する作用があるため、ストレスによりセロトニンが減少すると、上気道が狭まりやすくなるのです。
上気道が狭まると空気の通りが悪くなり、いびきが出やすくなります。
セロトニンの減少を防ぐためには、ストレスを溜め込まないようにして、栄養バランスの整った食事や十分な睡眠をはじめとした健康的な生活習慣を心がけることが大切です。
いびきの原因になり得るストレス行動

いびきの原因になり得るストレス行動は以下の通りです。
- 暴飲暴食
- 過度な飲酒
- 喫煙
- 夜更かし
ここでは上記4つの行動についてそれぞれ解説します。
暴飲暴食
ストレスが溜まると暴飲暴食に走ってしまうという方も少なくないでしょう。
しかし暴飲暴食を何度も繰り返していると肥満体型になりやすくなり、肥満になると喉周辺にも脂肪がつくため、いびきをかきやすくなってしまいます。
ストレスが溜まった時に暴飲暴食をしてしまう人は、以下の対処法を実践してみてください。
- 食べたいと思った時に30分ほど我慢してみる
- 本当にお腹が空いているのか考える
- 手軽に食べられるような食べ物を家に置かない
- 散歩やストレッチをして気をそらす
- どうしても食べたい場合は健康的な料理を自炊する
上記を意識することで、ストレスが原因による暴飲暴食を少しずつ減らしていくことができます。
過度な飲酒
ストレスで過度な飲酒を繰り返していると、いびきを引き起こすことがあります。
特にストレスで寝つきが悪くなると、アルコールに頼ってしまう人も少なくありません。
寝る前に飲酒をすると確かに寝つきはよくなりますが、睡眠の質は低下してしまうため、夜中に何度も目が覚めたり熟睡できなくなったりするのです。
そして飲酒をしないと寝付けない習慣がついてしまうと、アルコール摂取量がどんどん増えていってしまいます。
またアルコールには筋肉をリラックスさせる作用があるため、寝る前に飲酒をすると睡眠中に気道の筋肉が緩み、舌が喉のほうへ落ち込みやすくなります。
その結果、気道が狭まりいびきを引き起こすのです。
過度な飲酒が習慣になってしまっている人は、意識的にアルコール摂取量を減らしてみましょう。
どうしても眠れない場合は、医師に相談して睡眠薬の服用を検討してみるのもおすすめです。
喫煙
タバコには化学物質が多く含まれているため、粘膜が刺激されることで炎症を起こし、気道が狭まってしまいます。
その結果、いびきを引き起こすことがあるのです。
喫煙により気道で慢性的な炎症が起こると、睡眠中に一時的に呼吸が止まる『睡眠時無呼吸症候群』を引き起こすリスクも高まります。
できれば禁煙するのが望ましいですが、どうしても自力で禁煙するのが難しい場合には、禁煙外来を受診して医療の力で解決するのもおすすめです。
また喫煙はタバコを吸っている本人が直接吸い込む『主流煙』よりも、周囲の人が吸い込む『副流煙』のほうが有害物質が多く含まれています。
そのため家族や同僚にタバコを吸っている人がいる場合も、いびきの原因になる恐れがあるため注意が必要です。
夜更かし
ストレスが原因で夜更かしをすることが増えると、睡眠の質が低下し、いびきをかきやすくなってしまうことがあります。
またいびきだけでなく、不眠症や概日リズム睡眠障害などを引き起こす恐れもあるため注意が必要です。
夜更かしを改善するためのポイントとしては、心地よく眠るための『睡眠のルーティン』を作ってしまうことです。
例えば寝る前に歯磨きをする、ストレッチやマッサージをする、スマホやパソコンの電源を切るなどの何らかのアクションを毎日の寝る前のルーティンにします。
これを何日も続けていると、次第にその行動をしただけで自動的に眠気が訪れ、スムーズに入眠しやすくなるのです。
不眠は睡眠環境に問題がある場合も考えられるため、一度睡眠環境を見直してみるのも良いでしょう。
いびきを改善するためのストレス対策方法

いびきを改善するためのストレス対策方法は以下の通りです。
- 腹式呼吸を意識する
- 運動する
- 趣味に没頭する
- 湯船に浸かる
- 気を使わない人と楽しく過ごす
- 睡眠の質を高める
ここでは上記のストレス対策方法についてそれぞれ解説するため、ストレスを溜め込みがちな人はぜひ参考にしてみてください。
腹式呼吸を意識する
ストレス対策方法の一つとして、腹式呼吸を意識することが挙げられます。
腹式呼吸をすると副交感神経が優位になるため、リラックス効果が得られるのです。
腹式呼吸のやり方は以下の通りです。
- 背筋を伸ばして鼻からゆっくりと息を吸い込む
- おへその下に空気を溜めるイメージでお腹を膨らませる
- お腹をへこませながら口からゆっくりと息を吐きだす
息を吐きだすときは、吸うときの倍くらいの時間をかけるのがポイントです。
1日10~20回程度を目安に、上記の手順で腹式呼吸を続けてみましょう。
腹式呼吸は口呼吸の予防にも効果的なため、いびきの予防にもつながります。
運動する
ストレス対策として、運動をするのもおすすめです。
体を動かすことで気持ちが前向きになり、心身ともにリラックスできます。
特に軽い有酸素運動は脳や血液へと酸素が十分に届けられるため、睡眠の質の向上や口呼吸の改善にもつながります。
散歩や軽いストレッチでも十分効果が期待できるため、まずは無理のない範囲で始めてみましょう。
趣味に没頭する
ストレスが溜まっているときは趣味に没頭するのがおすすめです。
例えばゲームをする、本を読む、音楽を聴く、絵を描くなど自分の好きなことに没頭することで、ストレスから離れ、心身ともにリラックスできます。
時間を忘れて没頭できるような趣味を一つ作っておくと、ストレスを適度に発散しやすくなるでしょう。
湯船に浸かる
ストレスを感じたら、普段シャワーだけで済ませている人も湯船にゆっくりと浸かってみましょう。
湯船に浸かることで血行が促進され、体の緊張もほぐれ、心身ともにリラックスできます。
お湯の温度は38〜40度で、25〜30分程度浸かるのがおすすめです。
湯船に浸かると、リラックスできるのはもちろん、寝つきも良くなります。
ただし寝る時間の直前だと眠りを妨げる恐れがあるため、布団に入る2〜3時間前に入浴するようにしましょう。
気を使わない人と楽しく過ごす
ストレスを感じるときは、気を使わない人と楽しく過ごすのも良いでしょう。
一緒にいるだけでストレスから離れられ、悩みがあればそれを聞いてもらうだけでも心が楽になります。
睡眠の質を高める
睡眠不足がストレスの原因となっていることもあるため、思い当たる節がある人は睡眠環境を見直してみましょう。
睡眠の質を高めることでストレスが緩和され、いびきを改善できる可能性があります。
睡眠の質を高める具体的な方法としては以下が挙げられます。
- 自分に合った高さの枕を使う
- 決まった時間に就寝・起床する
- 適度に運動する
- 食事の時間や飲み物に注意する
- 寝る2~3時間前に入浴を済ませる
- 寝る前にスマホやパソコンの画面を見ない
上記を参考に、睡眠環境や普段の習慣を改善してみましょう。
まとめ
いびきにはさまざまな原因がありますが、ストレスが原因で引き起こされる場合もあります。
特にストレスによる暴飲暴食や過度な飲酒、喫煙、夜更かしなどの悪い習慣が身についてしまっている人は、いびきを引き起こしやすいため注意が必要です。
いびきを改善するためのストレス対策方法としては、適度な運動や趣味に没頭すること、腹式呼吸を意識することなどさまざまな方法があります。
ぜひ自分に合った方法を見つけてストレスを発散してみてください。
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