【新連載☆】いびきの原因は?~放置するとどうなるかについても解説~

いびきは多くの方が経験する睡眠中の現象ですが自分では気づかないことが多いため、実は深刻な健康問題のサインであることがあります。

特に日中の過度な眠気や集中力の低下は、いびきが原因で質の高い睡眠が得られていない可能性があります。

この記事では、いびきの原因とそれに対する効果的な自己対策方法を詳しく解説します。

いびきの原因は人によって異なるため、それぞれの状況に合わせた対策が必要です。いびきでお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

そもそもいびきとは?

いびきは、睡眠中に起こる特有の現象です。

具体的には睡眠時に鼻や喉などの気道が狭くなり、狭まった部分を空気が通過する際に気流が乱れ、鼻や喉の組織が振動して発生する振動音のことを指します。

いびきを改善できない場合、睡眠の質が低下し日中のパフォーマンスを著しく下げることもあります。

いびきの原因は人それぞれ異なるため、自分のいびきの原因は何かを本記事を通して理解してみてください。

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いびきの原因を解説

いびきは、睡眠時に空気の通り道である鼻腔や気道が狭くなることが原因です。

主に鼻に何らかの問題があり鼻腔の通りが悪くなっている場合と、喉周りの気道が狭くなっている場合の2つに分類されます。

いびきを改善するためには、自分が当てはまる原因を理解することが改善への近道です。ここでは、それぞれの原因について詳細に解説していきます。

アレルギー性鼻炎などの鼻づまり

いびきの原因として、鼻の問題が大きな要因の一つです。

アレルギー性鼻炎などで鼻の中が炎症を起こし、鼻が詰まると鼻の通り道が狭くなります。

この状態だと体は酸素を確保するために口呼吸に切り替わりますが、口呼吸になることで舌の位置が変わり気道が狭くなることがあります

狭まった気道を空気が通過する際に喉や口蓋の組織が振動し、いびきの音が発生します。

特に季節性アレルギー性鼻炎や通年性アレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲症、慢性副鼻腔炎などが鼻づまりを引き起こし、夜間に特に鼻づまりが悪化する「隠れ鼻づまり」もいびきの原因です。

いびきを改善するためには、鼻づまりがないかも確認する必要があるといえます。

鼻の構造の問題

鼻中隔湾曲症はいびきの原因としてよく知られており、鼻の構造的な問題もいびきの一因となり得ます。

鼻中隔とは鼻の穴を左右に分ける壁のことで、これが強く曲がっている(湾曲している)場合、鼻づまりやいびき嗅覚障害などの症状が現れることがあります

鼻中隔湾曲症は、成長過程での軟骨の成長スピードの違いや外傷によるものなど、さまざまな原因で発生します。

この状態では一方の鼻腔が狭まり空気の流れが制限されるため、鼻呼吸が困難になり、これがいびきの原因になっています。

肥満

肥満がいびきの原因となる理由は、体重増加に伴い首周りや舌の脂肪組織が増えるためです。

首周りの脂肪が増えると気道が狭くなり、空気の流れが制限されます。睡眠中、筋肉がリラックスすると狭まった気道はさらに圧迫され、空気の流れが妨げられます。

この状態で空気が通過する際に振動が発生し、いびきの音となって現れます。

体の構造的問題

鼻中隔の歪み以外にも、体の構造的な問題により気道の狭さを引き起こし、いびきの発生に寄与することがあります。

以下にいびきを引き起こす主な体の構造についてまとめました。

これらの要因が当てはまると思う方は、改善のために医師に相談する必要があるでしょう。

加齢による舌の筋肉の衰え

加齢に伴う筋肉の衰えは、睡眠中のいびきを引き起こす重要な要因の一つです。

加齢により舌筋の弾力性は低下し、舌の位置を保つ力が弱まります。睡眠中に舌が後方に沈下しやすくなることで、気道が狭まりいびきが発生します

高齢者では特にこの傾向が顕著で、女性の高齢者においては筋肉の衰えがさらに強く見られます。

喫煙や飲酒などの生活スタイル

喫煙や過度のアルコール摂取は、いびきの原因となる生活スタイル要因です。

喫煙は喉の炎症や腫れを引き起こし、気道を狭めることがあります。喉の粘膜が炎症を起こすと気道の通り道が狭まり空気の流れに抵抗が生じ、いびきが発生しやすくなってしまいます。

また、アルコールは中枢神経系に影響を及ぼし、喉や気道周りの筋肉をリラックスさせます

喉の正常な位置を維持するのが難しくなり、気道が一時的に閉塞する可能性が高まるでしょう。結果として、いびきを引き起こす原因となります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に呼吸が短期的に停止する病気である睡眠時無呼吸症候群(OSA)が原因で、いびきが発生している場合もあります。

「睡眠時無呼吸症候群によるいびき」と「通常のいびき」の違いは、以下の通りです。

いびきは通常、睡眠中に気道が部分的に閉塞することによって引き起こされます。喉や口の周りの組織が振動し、いびきの音が発生しています。

睡眠時無呼吸症候群はいびきとは異なり、睡眠中に気道が完全に閉塞し呼吸が停止する状態が特徴です。これは、気道の筋肉の緊張不足や組織の膨れによって引き起こされます。

どちらも原因としてはアルコール摂取や肥満が要因ですが、睡眠時無呼吸症候群の場合、通常のいびきよりも深刻な問題であるため注意が必要です。

いびきの原因別対策方法を紹介

ここまでいびきの原因について詳細に解説しました。質の高い睡眠を確保するためにも、いびきの原因には早急に対処したいと思うはずです。

ここでは、いびきの対策方法についても詳細に解説します。

寝る体勢を変えてみる

簡単にいびきを改善するための方法として、横向きに寝ることが挙げられます。

仰向けで寝ると重力の影響を受け、舌根が下がりやすくなります。これによって上気道が塞がれやすくなり、いびきが発生する可能性があります。

また、加齢により舌の筋肉が衰えている場合にも同様の問題が生じます。

一方で横向きに寝ることで、重力の影響を受けにくくなり気道の狭窄を防げるようになります。喉が塞がりにくくなるため、いびきを軽減できます

気道が確保でき酸素を十分に吸入できるようになるため、脳に酸素が行き渡り寝起きがスッキリします。

いびきをかいていると酸素供給が不足し、脳にも酸素が行き渡りません。

結果として睡眠の質が低下し、日中の疲労感が増加します。横向き寝は呼吸がスムーズに行え、脳の酸欠状態を防ぐのに役立つのでおすすめな寝る体制といえます。

特に肥満や扁桃腺の肥大などで気道が狭くなりやすい方にとっては、横向き寝は推奨される寝姿勢です。

呼吸が楽になり酸素をしっかり取り入れることで、いびきの改善と健康的な睡眠を促進できるでしょう。

生活習慣を見直す

肥満、喫煙、飲酒などがいびきの原因になっていることを解説した通り、生活習慣の見直しはいびき改善には必要です。

肥満の方

いびきを改善するためには、適切な食事療法と運動が必要です。バランスの取れた食事を心がけ身体活動を増やすことで、体重をコントロールしましょう

医師や栄養士のアドバイスを受けながら健康的な体重を目指すことが大切です。

喫煙者の方

喫煙は喉の粘膜にダメージを与え、気道の炎症や腫れを引き起こす可能性が高いです。その結果、気道が狭くなりいびきが発生しやすくなります。

いびきの改善を望むのであれば、禁煙を検討しましょう。

禁煙は健康への大きな利益をもたらし、いびきだけでなく全体的な睡眠の質を向上させてくれます。禁煙支援プログラムや医師の協力を活用してみることがおすすめです。

飲酒が多い方

いびきの改善を図るためにはアルコール摂取量を適切に管理し、特に夜間に過剰な飲酒を控えることが重要です。

過度なアルコール摂取が喉や気道周りの筋肉をリラックスさせ、喉の筋肉が正常に機能しません。これにより気道が一時的に閉塞し、いびきが発生してしまいます。

アルコール依存症の場合は、専門家のサポートを受けることが必要かもしれません。

マウスピースなど医療機器の使用

マウスピースなどの医療機器を使用することで、いびきを軽減できる場合があります。以下では、いびき治療に使用される主な医療機器を紹介します。

これらの医療機器は、いびきや睡眠時無呼吸症候群(OSA)の原因や症状に合わせて選択され、医師や歯科医師の指導のもとで使用を推奨されます

個々の症状に合った医療機器の選択と適切な使用方法のために、病院に行き専門家からアドバイスをもらうことがおすすめです。

手術をする

いびきが重度で他の対策が効果的でない場合、手術が考慮されることがあります。以下は、いくつかの手術方法の説明です。

  • 口蓋扁桃摘出術⇒扁桃腺や腺扁桃を摘出することで、気道の拡張を図ります。
  • UPPP(上咽頭減圧術)⇒上咽頭の組織を一部切除する手術で、気道の広がりを促進します。
  • MMA(Maxillomandibular Advancement)手術⇒下顎を前方に移動させ、気道を拡張する手術です。

手術は最終手段として検討され、リスクや合併症について医師との相談が必要です

手術は費用も時間もかかるため、対策を全て行ったが改善できなかった人のみが行うものです。まずは、簡単にできることから実践してみると良いでしょう。

いびきが改善できずに困っている人はマウスピースがおすすめ

いびきが改善できずに困っている人には、マウスピースの使用がおすすめです。マウスピースでの対応策を検討したい方は、歯科医師に相談するのが良いでしょう。

下高井戸パール歯科クリニックでは、いびき対策としてマウスピースを検討されている方のために、いびきの相談を実施しています。

安心して治療を受けていただけるよう、わかりやすい情報提供を行う体制を整えています。ぜひ下高井戸パール歯科クリニックで、マウスピースを活用するかを検討してみてください。